ヒーロー物キャラクター物について考えた
日本の漫画は一人の作家による創作が基本になっている。(全部がそうではない)
伝統的にそうなっているのだが、その作家が倒れた時には、作品も止まってしまうということが起きる。
連載中止とか、休止になるわけだ。
テレビドラマやアニメの場合は多くの場合そういうことにはならない。
複数の脚本家や演出家がかかわっていることが普通だからだ。
一人が倒れても、他がカバーできるシステムになっている。
僕はどちらがいいとか言う話をするつもりはない。
両方に長所も短所もある、それは当然のことだからだ。
ここからは映画やドラマのヒーロー物に関して、日米の戦略の違いを考えてみたいと思う。
アニメ大国、オタク文化のメッカなどと言われている日本だが、現在進行形で30年以上世界で闘っているヒーロー(タイトル)はどれくらいあるだろうか。
ぱっと思いつくのを上げてみよう。
ゴジラ、ウルトラマン、ドラえもん、セーラームーン……
けっこうある。
これに対して、アメリカンヒーローは、アベンジャーズ、Xメン、DCユニバース……
人数に関しては、たしかに多い。
公開される映画の数ではアメリカンヒーローたちに軍配をあげざるをえない。
マーケットの大きさや製作費の違いなどはさておき、多勢に無勢感はいなめない。
僕が感じているのは、アメリカはヒーロー物を存続させるのがうまいということだ。
何十年にもわたって同じヒーローを生かし続けている。
日本の場合は、わりはあっさりと次世代向けにヒーローを変えてしまう傾向がある。(全部ではない)
キャラクタービジネスをやっている以上、そのキャラクターの訴求力をできるだけ大きく引き伸ばすことは命題でもある。
それために何をやっていくかというのが、ビジネスの根本になる。
もちろん日本でキャラクタービジネスをやっている人たちも、そのことは重々わかっていて、それに関しての努力はしているのだろうけど、脚本家という立場でその現場にかかわっている僕には少し思うところがある。
ストーリー。脚本の面においての投資が少ないのが日本の現状だと思う。
キャラクターの命を存続させるためには、ここが最も大事だ。
そのことが分かっていても、ここにあまり予算はかけない。(かけられないという実情もあるのだろうけど)
それが日本の制作現場だ。
あらたな物語を作るときには、試行錯誤して何度もストーリーを練り直したりしなければならない。
そのためには膨大な時間とエネルギーが必要となる。
それに見合うだけの対価が保証されていないのである。
伝え聞く話ではあるが、ハリウッドの場合は企画の段階でも、かなり大きい金額の予算が組まれるという。
それがいかに大事であるか、制作側もわかっているからだろう。
(成功したときの利益も半端じゃないから、絶対あてるためには、ここに力をかけなければならないということは当然のことなのだろう)
要は日本の制作現場でも、もっと企画や脚本段階に時間と予算をつぎ込んで欲しいというのが、脚本家サイドからの願いです。
それがヒーローたちの命を伸ばすことにもつながっていく信じます。
そこにお金をかけるより、漫画やラノベから原作持ってくる方がてっとりばやいということになってるんだとは思うけど。
なかなか現状を変えることは難しいという結論に達してしまったよ。
(溜息)
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