『ミュージカル陰陽師』レヴュー
週末観劇、三本目。
『少年陰陽師』のあとは、また『陰陽師』です。
まさかの陰陽師かぶり!!
日本青年館ホールで『ミュージカル陰陽師 大江山の章』を見て来ました。
スマホゲーム「陰陽師本格的幻想RPG」が原作。
脚本演出・毛利亘宏、音楽・佐藤俊彦、振付・本山新之助。
知り合いの女優、長谷川唯がメインキャストの一人で出演していたので、千秋楽に駆けつけました。
長谷川は、妖刀姫という役で、身長よりも大きい刀をずっと振り回していました。
イケメンの男優陣に囲まれて、歌って踊って殺陣をして、大活躍。
まるで娘が出演している親になった気分で見守りましたよ。
いわゆる2.5次元ミュージカルといわれているもの。
ゲームやアニメの世界からそのまま飛び出して来たかのようなコスプレの俳優たちが、舞台を所狭しと歌い踊ります。
観客層は、ほとんどが若い女性たち。
この作品は、中国14都市をツアーしてきていて、この東京が最終公演地でした。
なんと中国で数カ月に渡り公演を続けてきたのです。(すごい!)
なぜ中国かというと、原作のスマホゲームを作っているのは中国のゲーム会社で、このゲームも中国で大人気だったらしいんです。
中国のゲーム会社が、なぜ日本を舞台にした陰陽師の世界を取り上げるのかというと、彼らにとっては平安時代はもう歴史とか関係なく、完全な異世界ファンタジーの世界なんですね。
中国の人たちが、日本の中世世界にロマンを感じているらしいんです。
なるほどって思ってしまいました。
そのゲームのスピンオフストーリーが、この『ミュージカル陰陽師 大江山編』
妖怪(あやかし)の世界が、舞台上で繰り広げられています。
安倍晴明、源頼光、酒呑童子、茨木童子などおなじみの名前のキャラクターたちが出てきました。
それらは歴史というよりは、伝承ヒーロー世界の登場人物。
ファンタジーとして入っていきやすかったです。
ストーリーもしっかりしていて、ゲームを知らない人でも、充分たのしめるものになってました。
人と妖(あやかし)の関係性とか、その葛藤とか、しっかり描かれていて、さらに物語は続く感じになっていて、ちゃんと続編がありそうな感じになってました。
やるなって感じです。
そして音楽が素晴らしかった。
平安の雰囲気を出しつつ現代的で、和であり洋でもあるという、きわめてテクニカルな曲群で、聴き応え充分。
プロジェクションマッピングを使った映像効果も、美しくて魅入られました。
CGを使っていて、その画像がこの世界観を見事にあらわしていて素晴らしかった。
美術を描いたイラストレーターに興味がわきました。
中国の人なのかなぁ?
こういう作品は、コスチュームとかウイッグとかも大事です。
アニメやゲームのキャラクターをどれだけ再現できているかが、ファンの人たちの満足度にかかわってきます。
そういう意味では、かなりの高再現度でした。
あの重そうな衣装や武器やウィッグをつけて動きまわらなければならない俳優さんたちは、かなり大変だったと思います。
コロナウィルスの影響で、客足が遠のいているのかもしれないと気がかりだったのですが、ほぼ満席状態で驚きました。
熱心なファンに支えられている作品なんだなと思いました。
休憩中にロビーでお客さんたちの雑談に耳を傾けていたんですけど、その人たちは中国までこの公演を見に行ってきた人たちでした。
もちろんこの日本公演にも全日程通ってる感じ。
めちゃくちゃゲームをやりこんでいる女性もいました。ゲームの世界が大好きで、それがきっかけで舞台にもはまって通うようになったと話していました。
こんな熱心サポーターの人たちに支えられて、ミュージカルは回っているんですね。
大千秋楽だったので、カーテンコールでキャストやダンサー全員が一言ずつ挨拶をして拍手を受けていました。
なかなかいい光景でした。
観客のみなさんの、愛を感じました。
ちょっとほめすぎましたかね。
長谷川唯ががんばってたから、まぁよしとしましょう。
唯が次は何をやるのか楽しみです。
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