見出し画像

【Made by Community】作り手と使い手を繋ぐ、新しいものづくりの形を創ろう!

皆さん、こんにちは。
静岡県裾野市でソファー専門ブランドMANUALgraph(マニュアルグラフ)を運営している鈴木大悟です。

小さな家具工場の3代目として日々ものづくりをしながら、ものづくりとそして、我が故郷静岡県の魅力を発信しています。

さて、今回は自社ブランドMANUALgraphとは別に、新たにスタートさせた家具ブランド[1518(いちごいちはち)]と、その経緯をご紹介をさせていただきたいと思います。

家具ブランドと書きましたが、実は【1518】はブランドではありません。
自分たちでは「コミュニティー」であると定義しています。


ちなみに【1518】の由来は「一期一会」からきています。

なぜこのコミュニティーが生まれたのか、何の為のコミュニティーなのか、詳しくお話しさせてください。

1、当初はメーカー3社から始まった。

画像1

【1518】の最初のきっかけは、今から約3年前に(株)ノーリツイス 青木社長から声をかけていただいたことから始まりました。

「家具メーカーの横の繋がりを作りたい。一緒にブランドを立ち上げませんか?」
とお誘いをいただきました。

日本青年会議所の歴代会頭で、僕同様日本のものづくりの未来を憂う他ならぬ青木社長からのお誘い。断る理由がありません。

その時点で集まった家具メーカーが、
主にオフィス向けのスチールイスを製造する青木社長率いる(株)ノーリツイスさん。
スチールロッカーの製造を得意とするアルプススチール(株)さん。
そしてソファーを担当する我が社(株)フジライト です。

3社共通する点は、国内の生産拠点で長年家具を作り続けてきたこと、そして、オフィス家具市場を中心としたBtoB企業であると言うこと。

弊社は自社ブランドMANUALgraphを運営しているので、3社のうち唯一BtoCもやってると言う位置付けになります。

そこに、主に国産家具を長年販売し続けている家具小売の雄REALStyleさんと、建築家であり椙山女学園大学教授の村上心先生がアドバイザーで加わり、最初から結構な強力陣営でスタートしました。

この時点でメーカー3社の課題は主に以下の2つ。

・飽和するBtoB、いわゆるコントラクト市場から脱却しtoC向けの市場を開拓したい。
・海外メーカーとの価格競争から脱却すべく、逆に海外の市場を取りに行きたい。

と言ったところ。

そうなんです。

この時点ではメーカー自身の課題にしか着目しておらず、本来大切なはずのユーザーの課題解決にはまだ目がいっていなかったのです。

2、潮目が変わったクリエイターの参画。

画像2

さっそく行き詰まりを感じながらも前に進む【1518】。

ここでクリエイターの参画が決まります。
まず、プロダクトデザイナーの横関亮太さんが参加してくれることに。

そして横関さんのお声がけで、 yamakenことY incの山田研一さんと、SHEEP DESIGN inc 山川立真さんがブランディングとして参画してくれます。

さらにプロジェクトコーディネーターとして戸倉里奈さんが加わり、
クリエイターチームの参加により、ここで大きく潮目が変わります。

「その製品、誰が欲しいの?」
「何の為のブランドなの?」

クリエイターチームから厳しくも愛のある指摘を浴びせられるメーカーチーム。
メーカーチームにも無論、長年国内でものづくりを続けてきた「自負」と「意地」があります。

でも時にこの「自負」と「意地」が邪魔になることがあると、クリエイターチームにより実感せさせられます。

3、と言ってる矢先にコロナに...。

画像3

主にオフィス市場を主戦場としている3社にとって、各社少なからず影響を受けます。

当社の場合も、工場が一気に暇になり試作を繰り返す時間ができ、MANUALgraphとしても過去にないスピードで新作をリリースすることができました。

ここで、これまで月に1回定例会議として、主に名古屋に集まって協議をしていた所にコロナの影響で、会議がオンラインになります。

これが功を奏して、協議が一気に進みます。
メンバーでZoom飲み会しちゃったりしたのも、今振り返ると良かった気がします。

4、ブランドじゃない、コミュニティーだ!

このタイミングでクリエイターチームから、

「ブランドではなくコミュニティである。」

と、【Made by Community】と言う概念が打ち出されます。

メーカーがプロダクトを開発しようとすると、前述したものづくりの「自負」と「意地」によってある意味独りよがりのプロダクトができてしまいます。

当社も早7年、自社D2Cブランドを運営してきて、そのことには薄々気がついていたはずなのですが、薄々でしかなかったと気付かされます。

真に人間中心の、使い手の課題を解決するプロダクトは、デザイン思考を駆使し、ユーザーインタビューとプロトタイプを繰り返し、そして市場に、お客様に問う。

メーカーは本来の自身の強みや伝えるべきストーリーを、作り手であればあるほど見失ったり、気がつかなかったりする事が多々あります。

そこに気が付かせてくれ、それを正しく伝え、その最大の手段である製品の形のヒントを与えてくれるのがクリエイターの役割です。

そこに、さらに使い手であるお客様もコミュニティーに巻き込もう、と言うのが【1518】の目指すコミュニティーによるものづくりです。

ブランディングチームも本気、もちろんメーカーチームも本気、のはずがこの時点でブランディングチームの本気度にメーカチームは負けてしまっていたように思います。

5、まさかのDESIGNART TOKYO 2020 メイン会場への出展。

画像4

コロナの影響が功を奏し、そして百戦錬磨のクリエイターチームの本気度で一気に前進した【1518】。

さらにクリエイターチームのコネクションで、DESIGNART TOKYO2020のメイン会場での出展が決まります。

地方の中小企業の連合体が、世界的有名家具ブランドに肩を並べてメイン会場に出展できるなど奇跡としか言いようがありません。

ここまでコミットして尽力してくれたクリエイターチームには感謝しかありません。
やはりメーカーだけでは、いくら3社が連合したところで、餅は餅屋。

ここにREALStyle青山店での出展も決まり、2会場分のプロダクトデザインを横関さんが時間のない中意地で仕上げてくれました。

ここでやっとメーカーの「自負」と「意地」の本来の発揮どころがやってきます。見事当社も含め、「自負」と「意地」を発揮し、展示会まで短期間でプロダクトを作り上げました。
正直言うと、当社のソファは搬入の前日21:00にギリギリ展示のソファーが完成しました。

6、コミュニティーによるものづくりのこれから。

名称未設定

メーカーだけの独りよがりのものづくりは危険です。
場合によって無駄なものを作り続けてしまう。

今回【1518】はクリエイターの力によって蘇ることができました。

でもいくらクリエイターでも、手を施すことはできません。
手を動かし、機械を動かし形のあるものを作り上げるのは我々メーカーです。


これはチームによる、いや正にコミュニティーによるものづくりの過程でした。

今後は、ここに真の使い手であるエンドユーザーさんもコミュニティーに巻き込み、一緒にものづくりをしていきたい!と言うのが、[1518]の今後の目論見です。

皆さんの

「こんなのあったらいいのに!」
「こんな暮らしを実現したい!」

と言う想いを形にできるのが【1518】 。

このnoteを読んで興味を持っていただいた方は、是非DESIGNARTの展示をご覧いただき、僕たちのコミュニティーにご参加ください。

コミュニティーへの最初の扉はこちらのFacebookグループにご用意いたしました。


皆さんも是非一緒に、ものづくりの新しい仕組みに巻き込まれて、僕たちが日々感じているものづくりの楽しさや尊さを一緒に体験してみませんか?

名称未設定


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?