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2022/10/05【アメリカ】凄まじいEV人気が引き起こす問題【世界情勢】#92

今回は、アメリカカリフォルニア州のEV、電気自動車の非常に高い人気の今後の問題について、お話をしたいと思います。

余談。サンフランシスコから帰国

昨日アメリカの西海岸、サンフランシスコから帰国しました。
少し余談ですが、サンフランシスコで友人とランチをした際に、彼は来週アナハイムで仕事があるがお前もに来ないかと誘われ、私は、もう日本に帰らねばならないので行けないがアナハイムは大谷翔平選手も居るから個人的には行きたい、と言ったら、「お前は翔平大谷を知っているのか!あいつは化け物だからこれから10年MVPはずっとあいつだ、と言いながら、知り合いの店員に「日本から来た俺の友達だが翔平大谷を知ってるらしいぞ!」と紹介され、その店員も、「日本人は皆翔平大谷のことを知ってるの?」と言われて逆に驚きました。アメリカ人、少なくともサンフランシスコに住んでいるアメリカ人は(皆ジャイアンツのファンですが)、日本人が大谷翔平を知っていると言うと驚く、ということに、逆に驚きました。アメリカで育ったと思っているんでしょう。

世界で最も環境規則が厳しい州

すいません、本題に行きます。サンフランシスコのあるカリフォルニア州は、世界でも最も環境規制が厳しい州で、自動車の排ガスで世界最初の公害に見舞われた州と言うこと、そして、今年も非常に長期間熱波が続きましたが、年を追うごとに大規模な山火事が頻発し、地球温暖化による悪影響が非常に大きいと言うことが特にそれを後押ししています。水不足なども非常に深刻で、この10年程、ずっとカリフォルニアでの農業ビジネスを見てきましたが、水が足りていた年は2年くらいで殆どの年は干ばつに見舞われ、以前は日本のお米を作ろうとされて移住された日本の農家さんもいたのですがとても水田などは無理で皆さん撤退されて、今は殆どアーモンドとピスタチオの畑に代わっています。

カリフォルニア州におけるEVの普及

このカリフォルニア州ですが、全米で圧倒的にEVの普及が早い州で、昨年のEVのシェアが既に10%を超えておりこれは日本のほぼ10倍です。全米のEV販売台数中半分近くがカリフォルニア州で売れている現状で、郊外を車で走っていても、5台連続でテスラだとか、3台に1台はEVだとかそんな状況です。
こういった状況の中で、8月25日に、カリフォルニア州の大気資源局が、2035年までに新車販売は全てZEV、ゼロエミッション車と呼ばれる、一切温室効果ガスを排出しない車にするという新規制を発表しました。この強いEV化の流れで、EVのシェアは今後更に伸びていくことが確実となっています。

EVシェア拡大における幾つかの問題点

ただ問題は幾つかあって、一つは電力問題です。夜に自宅で充電する方が多いですが、これが今後電力不足の問題を引き起こすこと確実ということで、今職場などで充電できる様インフラ整備をする様補助していく予定ですが、2035年までに今の台数の数倍の車がEV車になる訳ですからそれば全て充電を行う前提となると電力問題が必ず起こると言われています。特に夏場の計画停電や、山火事などが有ればなおさらです。
そして電池の問題。この1年でアメリカ国内で12か所以上の電池の新工場の計画が米国内で持ち上がりました。その中にはトヨタ、ホンダ、パナソニックなどの日本企業もあります。以前ご紹介しましたが、8月16日にインフラ抑制法が成立しています。この法案は、EV車1台あたり最大で7500ドル、約110万円の税控除を行う代わりに、その車は北米で組み立てられたものであること、バッテリーの半分以上の部品が北米製であること、更に、原材料のリチウムなどの鉱物も、国務省が懸念のある国と指定する中国やロシアから輸入されているものを使用しているバッテリーは段階的に禁止の方向に向かいます(2025年から100%控除対象外)。これで供給問題が起きないのか、今でさえEVは注文から1年以上待つのが当たり前となっていますが、これに益々拍車がかかる状態となっていきます。

アメリカのEV化と日本


こういったカリフォルニア州の動きがアメリカのEV化をけん引し、世界のEV化の動きを牽引していくことは確実です。何か月か前に3回連続で日本の自動車業界の話をしましたが、先進国の中で最もEV化に遅れをとっている日本の自動車産業ですが、日本で最大級の雇用を生み出し、且つ日本の産業で最大のグローバルビジネスを生み出しているのも自動車産業です。高級車が最も売れる北米市場でも、そして世界でも完全に負けとならない様に、巻き返していただくことに期待したいと思います。

今回の内容を動画で見たい方はこちら↓


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