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災害後、リハ職に出来ることは?

10月29日に、台風19号の被害が大きかった丸森町に行って来ました。
丸森町は、世帯数5098、人口13,405人の宮城県の南部に位置し、福島県との県境の町です。

自衛隊の車や、災害廃棄物がたくさんでした。

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台風19号により阿武隈川が氾濫し、大きな被害を受けました。

役場が冠水し孤立。

被災2週間で福祉避難所開設。

私自身は、東日本大震災で石巻市の避難所や仮設住宅、在宅被災者の支援を経験し、それ以降は災害支援の経験はありません。

8年ぶりに避難所に理学療法士として訪問しました。
その後に、丸森町災害ボランティアセンターを訪問し、情報交換をして来ました。

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そして改めて、理学療法士の出来ることや専門性が、被災された方に役に立てると実感したので、noteにまとめました。

①人と環境のアセスメントと対策

被災によって、生活する物理的な環境と、社会的な環境は激変しました。

物理的な環境は、移動に必要だった車や生活の場にあるベッドやお風呂、トイレだけではなく、断水による衛生面や水分不足による影響などもそうです。

社会的な環境は、家族や友人、医療や福祉サービス、学校や幼稚園などです。

これらの変化によって感染症予防、口腔ケア、心のケア、深部静脈血栓の予防、栄養状態の悪化予防など、必要とされ様々なチームが介入しています。

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理学療法士は、その人の生活動作や行為のアセスメントが出来ます。
例えば、今の歩行状態を見ることで福祉用具やバリアフリーの必要性を対策することが出来ます。

また、今の歩行状態がいつから起こっているのか本人から聞くことができれば、現在の参加の状況や機能の変化について、仮説を立て、検証することが出来ます。

その内容から、この環境資源でどのような対策が必要か検討し、ご本人は支援チームに提案することが出来るかもしれません。

今回参加した支援では、そのような実践や工夫がいたるところで展開されていました!!

②生活不活発病予防のための「楽しい」参加の機会づくり

被災によって、参加の機会は減少します。
そして、歩行能力が低下し、筋力が低下するという方がいらっしゃいます。

個別リハでは、栄養状態が保たれている場合、筋力トレーニングを提案することが多いと思います。

もちろん、それも必要ですが、さらに出来ると良いのが、その環境で参加の場としての動く機会を「習慣化」させることです。

その人はもちろん、その環境にいる人にとっての予防の場となります。
今問題のない人でも、活動量が落ちれば、遅かれ早かれ歩行能力は低下していきます。そして、「一人」よりも「みんな」での方が楽しく続きます。

習慣化するのに大事なのは、「正しさ」よりも「楽しさ」です。
「楽しい場」には、人が集まり、また次回へ繋がります。
普段、地域で活動されている理学療法士は、集団で初めての場で楽しく体操する経験があると思います。
その経験は、このような場所でも十分に発揮できると思います。

実際に、そのような実践ができました。

③非専門職ー専門職、専門職ー専門職の連携や調整など

被災地には多くの医療チームが介入し、救命救急や医療的ケアの必要性が高い人や、高まっている人の支援に入ります。
例えば、災害により救命救急が必要な人や避難所にいる要介護者や体調不良などです。
リハ職が介入する可能性が高いのは、福祉避難所などと想定されます。

一方で、災害前に元気だった人も徐々に歩行機能が低下していく人も一定の割合でいるのが、大川先生の研究でも明らかになっています。

発災 1 年 7 カ月後にも、南三陸町の 40 歳以上及び大槌町の 65 歳以上の全町民で生活機能調査を行い,南三陸町では非要介護認定高齢者 3,681 名の 29.2% に歩行困難が回復しないままである

【総説】災害時の新たな課題:「防ぎうる生活機能低下」予防
―高齢者の最大課題としての生活不活発病―
 (日老医誌 2016;53:187―194)

このような、非要介護認定者と関わる機会が多いのは、当然ながら非専門職です。

非専門職の方が、被災された方の異変を感じた時に、どこに情報を上げれば良いのか悩むケースもあり。そのような方の、相談や予防的な関わりが理学療法士には出来ます。

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もちろん、平時のように、上述のように専門職からの依頼に対しても、専門職として出来ることは当然あります。

ここまでご覧になって頂いた方は恐らく気づいていらっしゃると思いますが、これらは全て平時に行なっていることの延長線上にあることです。

病院や施設という環境の変化、予防の必要性、専門性のあるアセスメントと実現性のある対策、病気ではなく人に寄り添うこと、様々な立場にある人との連携・協働など。

というわけで、私自身は日々の実践や活動を振り返る機会になりました。
またこのような機会を「仕事」として、りぷらすのメンバーが活動できるように制度を作りました。

日々の実践と、災害支援、防災は延長線上にあるので、分けて考えず一緒に考えていきます。

これから・・・

これから東北には厳しい冬が来る。
丸森町では、220戸の仮設住宅ができる予定になっています。

そして、在宅で被災された大勢の方も同様です。

僕自身、これから何ができるか、何をしていくか、まだまだ悩んでいますが、出来るだけ丸森町に訪問しようと考えています。

皆さんも、リハ職として何ができるかと同時に、一人の人として何ができるか考えて下さると嬉しいです。

こちら、2012年に石巻市で活動していた際に取材された活動です。

11/1 「活動報告会兼これからを考える会」を勝手に開催

これからを考える機会を一緒にしたいリハ職の方と、こんな機会を作りたいと思い、勝手に企画してみます。

ここでは、今回は東日本大震災での実際の具体的な活動など共有します。

第1部:14:00〜16:00くらい(仙台〜石巻あたりで)
 →最初の参加希望者の方と場所決めたいと思います。
第2部:21:00~22:30くらい(ZOOMにて)

参加希望される方は、メッセージやコメントなどでお願いします。
また、一緒に企画、運営して下さる方を募集します。
よろしくお願いします。

平時から一緒に活動する仲間を募集しています。


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2人の娘、息子(H27年6月生まれ、H29年8月生まれ)を育てながら、「りぷらす」という非営利型一般社団法人の経営をしています。3/11後に石巻市に移住。理学療法士。ありたい暮らしをカタチにするために、福祉や医療のチカラを地域や社会にリデザイン。

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