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笑顔に辿り着くまでの距離

2019年4月19日 落差(緩急)を作る

おはようございます。

『チックタック ~約束の時計台~』のAmazonレビューを書いてくださったサロンメンバーに「好き好きニャーン!」と返信を返すことがメイン事業になってしまったキングコング西野です。  
Amazonレビューを書いてくださった方は、コメント欄まで「レビューを書いたよー」とご一報ください。


そして、朝からドタバタしておりまして、記事の更新が遅れちゃってごめんなさい。


さて。
近畿大学のスピーチが鬼のようにバズっております。

スピーチの内容や、動画をアップしたタイミングを見るかぎり、西野亮廣が『チックタック ~約束の時計台~』のプロモーション(宣伝)の要素を少し混ぜこんだことは想像に難くありません。
なんとも、したたかな男です。キモイですね。

近大のスピーチの裏話が意外とサロンメンバーのウケがいいので、今日も一つだけさせていただきますと…
パラパラの拍手だった為、登場シーンをやり直した」が話題になっていますが、最初の登場シーンだけ、もう一度見返してください。

実は(ココだけの話)、最初の登場シーンから普通に盛り上がっています(*^^*)


オープニングVTRで「『えんとつ町のプペル』作者」と紹介が出た時点で歓声が上がり、舞台袖から飛び出してきた時には、もう十分盛り上がっていますが、盛り上がりきる前に、喋り始めて、こちらから「盛り上がり」を潰しています。
登場をやり直す為に、盛り上がってないことに“した”わけですね。

人って面白くて、「記憶」と「事実」は必ずしも合致するなんてことはなく、その後の過ごし方次第で、いかようにでも記憶を書き換えてしまうようで、近大のスピーチだと「登場で盛り上がらなかった」という《ありもしない事実》が生まれてしまいました。

あのスピーチの構成(演出)的に、冒頭は西野にコケてもらわないと困るので、そうしました。

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チョーシにのって、演出の話をもう一つ

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昨日発売となった『チックタック ~約束の時計台~』の演出のことで、担当編集の袖山さんが随分誉めてくださった箇所があります。

それは一番最後のページの“一つ前のページ”の使い方です。
ラスト2ページ目ですね。

すでに読まれた方は御存知ですが、今回の作品はラスト2ページ目のイラストページが真っ黒になっております。

つまり、イラストを描いていないんですね。

(※このネタバレは内容に関係ないので安心してください)

そもそもページ数の少ない『絵本』で、一ページを丸々潰すのは、なかなか激しめのチャレンジですが、ラスト2ページ目を黒く潰した方が、最後のページの『光』の印象が強くなるので、光の落差をつける為に黒く潰してみました。

近大のスピーチの裏話に続けて、何故、今回の絵本の演出の話をしたかというと……
スピーチにしたって、絵本にしたって、「オチ」は決定しているんです。


それが80点のオチなのか、90点のオチなのかは知りませんが、オチの点数こそが自分のポテンシャルで、この点数は一朝一夕で上げられるものではありません。

「急に面白くはなれない」という話です。
であれば、次にやらなくちゃいけない作業は、「自分は現時点では80点しか出せない」という事実を受け入れて、その80点のシュートが、まるで120点のシュートに見えるように、手前でストレスをかけて、落差(緩急)を作るしかありません。

近大のスピーチを例に出すと、ザックリ言うと「挑戦してください」で、そんなメッセージは過去に数千万回こすられているわけで、今さら、「挑戦してください」というメッセージで100点が出せるわけがありません。

せいぜい出せて「70点」ぐらいだと思います。
となると、まずは「70点でシュートをきめる」ということを受け入れて、「どう見せれば、70点のシュートが決まるか?」から考えた方がいいでしょう。

ていうか、そもそも!
僕の経験上、自分の100点を出せる(全力で蹴れる)場面なんて、ほとんどやってきません。


となると、「100点っぽく見せる技術」を培った方が良くて、それというのは、シュートの手前に作る「ストレス」のデザインですね。

ただ一つ。
『チックタック ~約束の時計台~』のシュートは100点です(*^^*)
そのうえで、演出をかけています。

現場からは以上でーす。

【追伸】
あらたにAmazonレビューを書いてくださった方は、コメント欄までご一報ください。

西野がヒヨコのようになつきに行きます!





2019年4月20日 笑顔を作ると、笑っちゃう

おはようございます。

人のスマホを拾った日に、自分のスマホを落としたキングコング西野です。

さて。
「キングコング西野」という男が、どこから発生したかというと、『baseよしもと』という地下劇場なんです。

233席の小さな劇場でスタートしたわけですが、活動の舞台を拡げていけばいくほど、『baseよしよと』という劇場がいかに優秀であったかを知ることとなります。

一つは「天井の低さ」ですね。

照明の演出の自由が効くギリギリの低さに設計されていて、これの何が良いかというと、笑い声がキチンと反響して、逃げていかないんですね。

『お笑い』って面白いもんで、「笑い声があった方が面白い」んですね。

演者も笑い声があった方がノるし、お客さんも笑い声があった方が安心して笑えます。
お笑いにおける『笑い声』というのは、かなり大きなウエイトを占めていて、そういうことを知らず、やたら天井の高い会場や、屋外で、お笑いイベントを企画する人がいらっしゃいますが、片っ端から死んでいっています。

そして、もう一つ。
『baseよしもと』はステージの高さがちょうど良かったんです。

ここが今日のお話のポイントです。

劇場の形というのは、「ステージが上にある劇場」と「ステージが下にある劇場」の二つに分類されます。
「ステージが上にある劇場」というのは身近なところでいうと『学校の体育館』みたいな感じです。

「ステージが下にある劇場」というのは、客席がスリ鉢状になっていて、去年の夏に開催された『サーカス!』の会場が、それにあたります。

『baseよしもと』はステージが上にあって、
お隣の『梅田花月劇場』はステージが下にあったのですが、同じ客層で、同じネタをしても、ウケが全然違うんです。
『baseよしもと』ではめちゃめちゃウケるのに、『梅田花月劇場』では、そこそこスベるということを、ウチのコンビに限らず、全芸人が経験していました。

吉本芸人は常々「梅田花月って、なんか、お客さんが重いよなぁ」と口にしていて、中には「気が悪い」というスピリチュアル的な結論を出している芸人もいましたが、エンタメオタクの西野としましては、スピリチュアル的な結論ではなく、「算数」で答えを出したくなるんです。

そこで、お客さんとして「梅田花月劇場」に通ってみたところ、答えが見えました。

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口角を上げるのにもカロリーが要る

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答えはとってもシンプルで、
下を見ると自然と口角が下がり、上を見ると自然と口角が上がります(口がほんのり開いちゃいます)。

下がっている口角を上げるのにも体力が必要で、
つまり、「顔の角度で『笑顔に辿り着くまでの距離』が違ってくる」という話っす。

「笑い声」が先にあるわけではなくて、「笑顔」が先にあって、「笑顔を作ると、笑っちゃう」という順番ですね。

星空を見たり、デケー建物を見たら、ニヤニヤしちゃうじゃないですか?

僕は、あの原因を、「口角に感情が引っ張られている」と結論してみました。
たぶん、正解だと思います。

なので、笑う系のイベントを企画するときは、「ステージが上にある劇場」を選ぶことをオススメします。

僕は世の中の笑い声の総量を増やしたいので、とりあえず巨大な時計台を作ることにします。

現場からは以上でーす!

【追伸】
『チックタック』のAmazonレビューを(あらたに)書いてくださった方は、コメント欄までご一報ください。

西野がハムスターのごとく なつきに行きます!
※すでに、一度なつかれた方はコメントをお控えください。
なつくのにもカロリーが要るんです。





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