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オンラインサロンの広告代理店化

2019年10月21日 『資本』について

こんにちは。
勢いで走り出したものの、3か月後に約2万人キャパの舞台をするのは、やっぱりどう考えても確実に死ぬんじゃないかしら?と思い始めているキングコング西野です。生きたいです。

さて。
ここ最近、あらためて『資本』について考えています。
(※以前、似たような話をしましたが、もう少し解像度を上げて、お話します)

説明するまでもないですが、『資本』というのは、品の無い言い方をすると「お金を生んでくれるモトとなるもの」のことです。
ちなみに、僕たち芸人の『資本』は『身体』です。
資本となる身体を削って、パフォーマンスを披露し、お金を頂いております。

そこで頂いたお金で、
ご飯を食べて、栄養をとって、
お洋服を買って、身なりを整えて、
家を借りて、ゆっくり休んで、
お金を生む為に削った身体を翌朝までに回復させます。

これが芸人の基本的な生活なのですが、ここには問題が一つあります。
なんと、僕たち芸人は資本を削ってお金を作って、そこで作ったお金を使って「削った資本を元の状態に戻しているだけ」で、昨日よりも資本が増えていないんです。

つまり、働いても働いても芸人の資本である『身体』は一体のままで、二体…三体…と増えないんですね。
(※多少の貯金は増えますが、話がややこしくなるので一旦忘れてください)

「毎日、楽しいことをして生きる」をゴールにするのであれば、これでも構わないのですが(立派な生き方だと思います)、
ただ、「エンターテイメントで世界を獲る」をゴールにするのならば、やっぱり『資本』が増えないことには話にならんのです。

そんなこんなで、世界を獲る為には…
「西野亮廣の時間は『自分の身体以外の資本』を生産することにしか使っちゃダメだ!」
という結論になっちゃいまして、ここ最近あらためて『資本』と向き合っているわけです。

大切なのは、今、自分が向き合っている仕事が…
①資本を削っている
②資本を作っている
の、どっちであるかを把握しておくことで……たとえば、テレビ出演は、自分の身体(時間)を切り売りしているので、資本を削っています。
YouTubeはアーカイブが仕事をしてくれるので、「資本を作っている」と言えるでしょう。

ただし、再生回数の伸びは時間の経過と共にブレーキがかかるので(寿命があるので)、YouTuberは、自分の資本(身体、時間)を削って、新作を作り続けなければなりません。

商品としてイカついのは、『赤福』や『国語辞典』や『明治神宮のおみくじ』で、コイツらは5年後も10年後もペースを落とすことなく価値を生み続けてくれます。不老不死です。

共通点は「そもそも、人の流れがあるところに商品を配置した」といったところでしょうか。

『絵本』もそこのポイントは押さえていて(だって、毎年、子供は生まれてくるから)、あとは、世界の絵本の定番さえ押さえてしまえば、まずはエンタメ世界戦で1勝できると思います。
関連グッズや、ミュージカルを含めると、2~3勝はいけるでしょう。
『定番ミュージカル』もまた不老不死の資本です。

「人気番組に出れた。やったー!」とか「ギャラが100万円だ。やったー!」とか言っている場合じゃなくて、世界を獲る為には、「資本を削っているor資本を作っている」や、「作ろうとしている資本の寿命」に目を向けるべきで、ここは何度も反芻して『癖』にしておかないと、すぐに忘れてしまいます。

皆さんも一度、「自分はどうだっけ?」と考えてみてください。
ちなみに僕は、これからたくさん練習して、年末の大忘年会『天才万博』(12月27日)で「ラブ・レボリューション」を踊るのですが、これは、お金を払って、資本(身体と時間)を削って、何も生み出していない「シンプルに無駄な時間」です。

応援宜しくお願い致します。
出番終わりは一緒に呑みましょう。
現場からは以上でーす。




2019年10月22日 オンラインサロンの広告代理店化

おはようございます。
自分のお金で3000円のパンケーキを食べて批判される官房長官を見て、将来は絶対に官房長官にはならないことを決めたキングコング西野です。

さて。
昔、「モーニング娘。」や「CHEMISTRY」といったスターを輩出した『ASAYAN』という番組がありました。

オーディションの段階からカメラを入れて、デビューするまでの物語を追いかけていく「スター誕生ドキュメンタリー番組」です。

僕らは、この『ASAYAN』という番組をもう少し解像度を上げて整理する必要があって…
『ASAYAN』がやったのは、スター(完成品)を商品棚に並べて売る『レストラン型』でははく、視聴者を巻き込みながら、商品棚に並ぶスター(完成品)になるまでの「物語」を売る『BBQ型』

それが結果として最も顕著に出たのが、オーディションに受かって“完成品(技術)”を売った「平家みちよ」よりも、オーディションに落ちて“物語”を売った「モーニング娘。」の方がスターになったことでしょう。

皮肉な話ですが、【視聴者巻き込み型】という番組の性質上、「『完成品』は(視聴者が参加できる余白が無いから)クオリティーが低い」となったわけですね。

くれぐれも言っておきますが、「平家みちよサンのクオリティーが低い!」という話ではなくて、「『ASAYAN』という物語競争においては、完成されているアーティストのクオリティーは低くなってしまう」という話です。

もうお気づきだとは思いますが、これは、今の『オンラインサロン』とまったく同じです。
『ASAYAN』と『オンラインサロン』が違うのは、巻き込んでいる人数(質)と、制作費の出所ぐらい。(※ASAYANは広告費)
んでもって、ここからが本題です(おせーよ!)。

本来であれば、新人がデビューするときは、広告代理店さんに広告費をかけてプロモーションをお願いして、当たったりハズれたりするのですが、
デビュー初日からスターだった(利益を出していた)『モーニング娘。』や『CHEMISTRY』という結果を見て分かるとおり、完成するまでの物語を販売した『ASAYAN』という番組は、広告代理店(販売・プロモーション組織)として超絶優秀です。

そして、2日~3日前にもチラッとお話しましたが、『ASAYAN』と同じように、次は、一部の『オンラインサロン』が広告代理店化していくでしょう。

《今日のポイントはココです!》

あらゆる商品が出尽くして、「機能」ではなく「物語」で差別化を図らないといけなくなった時代に入った今、「物語」を売ることを生業としている『オンラインサロン』は、今の広告代理店に求められている機能を兼ね備えているわけですね。
「名前を聞いたこともない広告代理店にお願いするのであれば、すでに影響力も、ファンも抱えている有名オンラインサロンに広告・プロモーションをお願いした方が遥かにコスパがいい」というオマケ付き。

僕が本屋さんなら箕輪サロンに広告費を払って、宣伝・プロモーションしてもらいます。
サロンオーナーに、お金以外の+αのメリットを用意できれば、自分事として一生懸命やってくれるので。
そんな中、僕のところにポテトチップス『わさビーフ』のパッケージデザイン&広告・プロモーションの依頼が舞い込んできました。
CM出演ではなくて、「パッケージデザイン&広告・プロモーション」です。

こういう仕事は、これまでタレントではなく、広告代理店案件だったのですが、オンラインサロンを持っていると、こういう仕事が舞い込んできます。

迷わず「やる!絶対に、やる!」と答えた僕に(#エッフェル塔の個展直接)、まわりのスタッフはビックリしていましたが、やる理由はただ一つ。
「普段、食べているから」です(*^^*)
お酒のツマミに、シンプルに好きなんです。

今年の春はTOYOTAさんのデザイン&広告もやりましたが、今後、オンラインサロンの広告代理店化は加速していくと思います。
リアルな話をすると、広告代理店業はサロン記事のネタにもなるので、(株)NISHINOの事業の一つになっていきそうだなぁと思っております。
現場からは以上でーす。





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普通に生活費のかかる個人ですから。お金をいただけるのは嬉しいことです。 ありがとうございます。先にお礼を言ってしまいました。返礼の法則って知ってますか?さあ