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「ナアナア」と言われる『吉本興業』という環境がどれだけ恵まれているか

2019年7月15日 『性弱説』

闇営業問題についての大崎会長のインタビューは、『女の子にモテたい男子』必見の内容だと思っているキングコング西野です。
あれは、モテる。やばい。

さて。
このサロンには、経営者の方が数千人いらっしゃいますし、これから経営者になられる方や、各部署のリーダーを任せられている方、さらには一家のリーダーもいらっしゃると思うので、今日は、その方に向けての話をしたいと思います。
僕自身、時には本当にたくさんのスタッフさんを率いる立場に立つことがあって、本当にまだまだ未熟で、理想とする姿に精神が追いついていないことが多々あるのですが、「リーダーとして、こうありたい」という姿があります。

話は少し飛ぶのですが、少し前に、YouTubeで『GPSのついた鞄を置き引きさせて、追跡して、問い詰めてみた』という動画が話題になりました。

GPSを入れた鞄を横に置いて、眠ったフリをして、鞄を置き引きさせるわけですね。
その後、犯人をとっつかまえて、犯人を問い詰めているところを放送しているわけですが、コメント欄では犯人がタコ殴りに。

まぁ、鞄を盗んだのだから、当然の報いなのかもしれませんが、YouTubeの企画の面白さは度外視して、『チーム』を設計する目線だけで見ると、今回のガンは「盗んだ人」ではなく「盗ませた人」だと僕は思いました。

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性弱説
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人間の本性は基本的に善であるとする『性善説』と、人間の本性は基本的に善であるとする『性悪説』とは別に、もう一つ、人間はそもそも弱い生き物だとする『性弱説』というものがあります。
鞄を盗んだのは“悪いから”盗んだわけではなく、
弱いから(誘惑に負けたから)”盗んだというのが『性弱説』です。

リーダーとしての経験を積めば積むほど、僕は、この『性弱説』がシックリきて、究極、殺人犯に対してもそういう目で見てしまい、「社会的に悪とされる行動を起こしてしまった『弱さ』を引き出してしまった原因」を突き止めたくなります。

人はそもそも弱さに走るのだから、そこを突きとめないと、また『悪』が生まれてしまいます。

少し話題になりましたが、立川志らく師匠の「死にたいなら一人で死ね」という結論は、次の殺人犯を生んでしまっていて、チーム設計目線で見たら、あまりにも思慮が足りていません。
(※ワイドショーのガヤとしては100点だと思います)

リーダーの仕事は、「『ヒューマンエラー』は存在しなくて、すべてはスタッフの「弱さ」を引き出してしまった『システムエラー』である」という現実を受け止めることだと思います。

部下を怒鳴る前に、子供を怒鳴る前に、たった3秒だけでも、「そもそも、この弱さを生んだ原因は何だ?」と考えられるようになれば、いいチームができると思います。

とかなんとか言いながら、差し入れを持ってくる迷惑なファンにはブチぎれる西野でした。

現場からは以上でーす。





2019年7月16日 時代を乗りきる普遍のルールは「否定から入るヤツは、出遅れて、死ぬ」

おはようございます。
「かき氷」を売る才能に目覚めたので、映画『えんとつ町のプペル』の公開後は、かき氷屋さんに転職するキングコング西野です。

さて。
吉本興業の大崎会長のインタビューが話題になっております。


このインタビューを受けて報道番組や何やらで、吉本芸人が「ナアナアでやってきた時代もあったかもしれないが、今は、(口頭ではなく)キチンと契約書を用意するべきだ!」と非難していましたが、もう少し冷静になって、「ナアナア」と言われる『吉本興業』という環境がどれだけ恵まれているかを知った方がいいと思います。

僕の友人で、「キチンと書面で契約を結んでいる事務所」に所属しているタレントがいるのですが、「クラウドファンディング」一つも自分の意思で始めることができません。

当時交わした契約書にクラウドファンディングに関する記載がないものですから、“クラウドファンディングをしようと思ったら、契約変更の手続きをしなきゃいけないんです。”

一方、吉本ナアナア興業に所属している僕は、今、「クラウドファンディングをしたい!」と思ったら、今夜にはスタートすることができます。

時代が猛スピードで変わっていく中、都度都度、契約変更の手続きなんてしていたら、いつまでたっても時代に追いつくことなどできません。

そんなことは少し考えれば分かりそうなもんですが、それでも「契約書を~!」「ギャラを~!」と言ってしまうのは、『仕事を自分で作る人』ではなく、『仕事を貰う人』の脳ミソで判断しているからでしょう。

でも、考えてみてください。
YouTuberに代表されるように、今、時代が求めているのは「選手」ではなくて、「選手兼監督」で、自分で企画立案…なんなら資金調達をして、企画を実行していくプレイヤーが幅をきかせています。

この時代の芸能事務所の在り方は、いわゆる「芸能事務所」ではなくて、選手兼監督にとって使い勝手の良い「プラットフォーム」です。

「誰でもおいで。基本は口頭契約で、書籍や映画の時だけ別途、キチンと契約書を交わそうね。なんなら直営業もいいよ。ただ、直営業の話がきたら、一旦ウチに相談してね。反社チェックをしときたいから」
という吉本興業のスタンスが、どれだけ優秀なプラットフォームで、どれだけ今の時代に合っているかを、吉本芸人および社員は全員知っておいた方がいいと思います。

3年くらい前に大崎さんと喋った時に、大崎さんの口から「17Liveおもろいなぁ」という言葉が出てきたのですが、当時、吉本の人間は誰一人として『17live』を知りませんでした。

今回の大崎さんの判断と、吉本芸人の反応もその時と似ていて、「大崎さんのスピード(ていうか時代のスピード)に吉本芸人がついていけてない」という印象を受けました。

世界のエンタメから大幅に遅れて、日本のエンタメ業界にも「広告収入→ダイレクト課金」の波がきて、今は、その大転換期にあります。

これまでのルールや道徳が一変するので、当然、摩擦も起こりますが、時代を乗りきる普遍のルールは「否定から入るヤツは、出遅れて、死ぬ」です。

そして今は『失敗(物語)』の価値もあがっておりますので、いずれにせよ「最高っすね。やりましょう」を口癖にしておくといいと思います。

現場からは以上でーす。

【追伸】
本日24時にクラウドファンディング(SILKHAT)を立ち上げます。
深夜の東京タワーに入れるリターン(返礼品)は、2日あるのですが、それぞれ【10名限定】となっております。
設営&撤収作業を手伝わされますが、自由時間もあります。
僕だったらプロポーズの場に使います(*^^*)

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