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技術というのは、秒速で模倣され、価格競争が始まる

2019年5月13日 
シナジーマップを丁寧に描く


ハイサイまいど。

僕のライブに来たことがある少年YouTuberが炎上したことについてコメントを求められるのですが、「『ワンピース』の読者が炎上したことについて尾田栄一郎さんにコメントを求められるぐらい知らねーよ」と思っているキングコング西野です。
彼の活動を肯定しているわけでも、否定しているわけでもなく、マジで知らねーのです。

さて。

自分の活動にしか興味がない世界的ナルシストである僕は、今日も僕の話です。
15日間に渡ってお届けした『チックタック ~光る絵本展と光る満願寺展~ 』が、ついに幕を閉じました。

クリエイティブスタッフの皆様、田村Pをはじめとした運営スタッフの皆様、そして今回の個展のすべての関係者の皆様に深く感謝いたします。

今回は制作費に3000万円か4000万円をブチ込んでおこなったわけですが(見事なドンブリ勘定)、このサロンには経営者の方や、クリエイターの方も少なくないので、「これぐらいの予算をブチ込んで、これぐらいの熱量で向き合ったら、どれぐらいの結果(数字)が出るのか?」ということを明らかにして、共有しておいた方がいいと思うので、後々、明確な数字が出ればサロン内で発表させていただきたいと思います。

ちなみに15日間の動員数は約3万人です(料金をいただいている『夜の部』の大人の数しか数えていないので『約』です)。

もっとも、何万人動員しようが、入場料を「大人500円、子供無料」にしている時点で、地獄的な赤字であることは間違いありません。

今日は、その辺の話をしたいと思います。

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シナジーマップを丁寧に描く

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『シナジー』というのは「共同作用」や「相乗作用」を意味する単語で、ここでいう『シナジーマップ』というのは、僕がやっているあらゆる活動において、「『個展』で人を呼んで、『絵本』を売る」や「『ビジネス書』を出して、『オンラインサロン』の会員を増やす」といった矢印(目的)を可視化したものです。

今回の個展も、制作費を入場料で回収するモデルにしていると、そりゃあもうベラボーに赤字ですが、3万人を動員した個展で、絵本がたくさん売れて、その絵本のファンになってくださった方が、その先にある絵本のイベントや絵本のグッズにお金を落としてくださるところまで設計すると、3000~4000万円ぐらいは簡単に回収できます(たぶん!)。

んでもって、ここからが重要な話なのですが…
たとえば今回の個展はお客さんの数を少しでも減らす為に入場料(500円)を頂戴しましたが、お金を落としてもらう場所を「絵本」や「グッズ」や「オンラインサロン」にしているので(※今回の個展の入場チケットは、オンラインサロンのフライヤー)、べつに「入場料0円」でも良かったんですね。

一方で、『チックタック 光る絵本と光る満願寺展』をやっている裏で、大阪城公園を舞台に『サクヤルミナ』という、チックタック展と同じように森を光らせるイベントが開催されていますが、あちらは入場料(約3000円)を削ることはできません。

『シナジーマップ』が描けておらず、「入場料で回収するモデル」だからです。


「森を光らせる(デジタルアート系)」の技術というのは、秒速で模倣され、価格競争が始まることは目に見えていて、その時、入場料だけで回収する『サクヤルミナ』みたいなエンタメは確実に淘汰されていくだろうなぁと見ています。

あ。くれぐれも「『サクヤルミナ』が面白くない」というクオリティーの話じゃないです。

「ビジネスモデルとして破綻するんじゃないかなぁ」という予想です。

価格競争時代に「体験型イベント」を継続していくには、入場料以外の収益である「おみやげ」の開発は必須で、もっと言うと“おみやげが売れるように体験をデザインすることが極めて重要になってくると思います。

ちなみに『チックタック 光る絵本と光る満願寺展』の「おみやげ用」に作った絵本『チックタック ~約束の時計台~』(満願寺限定バージョン)は、用意していた5000冊が完売。

お客さんは満願寺の山門(入場ゲート)で写真をとるわけですが、その写真と同じショットが表紙の絵本がその先で売っているわけです。
驚異の「そりゃ、買うしかないじゃんシステム」です。

生々しい話をしますが、1冊につき400円ぐらいの利益が出るので、この「おみやげ」一つだけで200万円の利益になります。

この積み重ねが入場料をゼロ円にしてくれるので、入場料だけで回収する体験型イベントは、今後、かなり厳しくなってくると思います。

今後、技術で差別化が図れなくなればなるほど、『シナジーマップ』の重要度は上がってくるので、要チェックです。

現場からは以上でーす。

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2019年5月14日 今回のイベントの改善点


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【これまでのあらすじ】
兵庫県の山奥の寺に3万人を動員した西野亮廣史上最大の個展『チックタック ~光る絵本と光る満願寺展~』は、オンラインサロンメンバー(ボランティアスタッフ)の鬼のような活躍により、大成功の末、幕を閉じた。


メンバーは、ここらで一休みしたいところだが、「世界の鬼畜」こと西野亮廣はそれを許さない。
疲れて休んでいるサロンメンバーを叩き起こし、さっそく改善会を始めるのであった。。
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おはようございます。

昨夜の品川・中田・西野の合同交流会で誰よりも先に酔っ払って眠ってしまって、もう絶対に死んだ方がいいキングコング西野です。

さて。
【あらすじ】にもありますとおり、『チックタック ~光る絵本と光る満願寺展~』は無事に幕を閉じましたが、僕たちはこれからさらに大きな挑戦をしていくわけですから、今回のイベントの改善点をメンバー全員で共有していきたいと思います。

改善点だけにフォーカスしますが、決してダメだったわけではなくて、全体的には「もう本当に最高!120点!スタッフ大好き!ありがとう!!」なので、ご安心ください(*^^*)

前向きな話し合いです。

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①地元住民のケア

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渋滞が見込まれることや、少し騒がしくなってしまうことに関しては、事前に警察に届けを出して、地元住民の皆様にもお伝えさせていただきましたが、やっぱり地元の方に応援してもらってナンボなので、もっともっと徹底するべきだと思いました。僕のミスです。

改善案としては、「挨拶まわりの徹底」の他に、地元住民の方を対象にした『プレオープン』を初日の前の日におこなうのがいいかも!
これは『えんとつ町のプペル美術館』でも同じですね。

とにもかくにも、地元の方のケアを更に徹底しましょう(僕も頑張る)。

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②渋滞問題

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4000人が押し寄せた最終日前日は満願寺前に1キロの渋滞ができてしまいました。

こうなることを見越して、ポスター等には「駐車場アリ」の案内を出していなかったのですが、読みが甘かったですね。これも僕のミスです。

今後は、ポスターには「駐車場はありません。交通機関をご利用ください」という案内を出しておくぐらいがいいかもしれません。

良かれと思って用意した駐車場が、お客さんの不満を生んでしまう場合があるので、次からは「駐車場を用意するか否か」はキチンと議論した方がよさそうです。

とはいえ、今回の個展では『渋滞問題』をたった一日で改善してくださったスタッフの皆様に感謝感謝です。

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③音響問題

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昨日と同じボリュームで会場に音楽を流していても、お客さんが数や天候によって、耳に入ってくる音楽のボリュームは変わってきます。

(※話し声や雨音にかき消されるわけですね)

なので、音楽のボリュームは状況に応じて調整するべきで、今後は、会場で(その日その時間帯の)音楽のボリューム調整の判断を下すスタッフを一人つけた方が良さそうです。

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④行列問題

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今回の個展は入場制限がかかるほどの行列ができ、入場まで「1時間~1時間半待ち」という事態になりました。

これに関しては「時間制チケットを販売する」という手もありますが、一方で、「行列=ストレス」を逆手にとったエンタメを用意しておくという手もありそうです。

最終日前日。

僕は渋滞にハマり、途中でタクシーを降りて、歩いて満願寺に向かったのですが、その道中、渋滞にハマっている車一台一台に声をかけてまわったんですね(時には写真撮影も)。

すると、まさか向こうから西野が来るとは思ってないもんだから、「渋滞にハマってラッキー」とメチャクチャ喜んでもらえたんです。

本来、行列はストレスなので、『行列を作らない』という結論になりがちですが、『行列ができた時にしか発動しないエンタメ』を用意しておけば、ストレスからの落差でかなりの満足度を獲得できると思います。

(※もちろん地元住民の方に迷惑がかかる行列は作らない方向で)

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⑤迷子問題

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今回の個展でも何件か迷子が発生しました。

ファミリーエンターテイメントをやる以上、切っては切れない問題ですね。

幸い、僕が会場にいる時だったので、子供は僕が抱っこをして、「会場にいる皆でお母さんを探す」というエンタメが生まれたのですが、僕が会場にいない日もあるわけなので、迷子発生時のオペレーションは整えておいた方が良さそうです。

『迷子センターを設ける』という解決方法がベターですが、せっかくなら迷子もエンタメにしてしまった方が面白そうなので、「迷子になってしまった子供を探す迷子探しのプロ」が出てくる絵本『迷子ハンター(仮)』を作ってしまって、今後のイベント会場には迷子ハンターと迷子ハンターのオフィスを用意しておくと、「迷子ハンターが助けてくれた」という親子の思い出が生まれて良いかもしれません(*^^*)

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…以上です。

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ま、ザッとこんな感じです。

また何か気づいたことがあれば、あらためて、お伝えしますね。

現場からは以上でーす。

【追伸】
小橋賢児さんとのトークイベントがあります。

面白いと思いますが、当日、酔っ払っていたら、ごめんなさい!




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