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子供が話を聞いてくれないとき

 子供との会話が続かない、子供が話を聞いてくれない時というのは、要するにこちらの話がつまらなかったのだなと思うようにしている。

 自分の子供時代を振り返ってみた時に、親や親戚に
「学校は楽しい?」
「友達できた?」
 と話しかけられて、なんとも答えに窮した記憶はないだろうか。そりゃそうだ。
 だって、そんなの世界一どうでもいい質問じゃないか。答えだって、「うん」「そうでもない」とか以外に答えようもないし、そっちだってそれを聞いてどうするというのだ。

 これは何も、学校のことを話したくないわけではない。話して意味があるような面白い話をするのが難しいのだ。だって、親戚や親はクラスの人間関係やエピソードを深くは知らないわけで、その上でざっくりと学校のことを話せというのは、夢の内容を話して聞かせろというのに等しく、苦行である。
 大人だって、共通の知人の話題とか、共通の趣味の話とか、そういうのを同じ価値観で話すから楽しいんじゃないか。子供だって同じだ。

 じゃあ逆に子供の好きなもの、夢中になっているもの。例えばポケモンがあったとしよう。
 「ポケモン好きなの?ピカチュウでしょ?」
 これはダメだ。浅すぎる。
 この一言で「この人、ピカチュウしか知らない=ポケモンに全く興味ない」というのが丸わかりだ。そんな人に、ポケモンの何を話せばいいというのだ。どうせ好きなポケモンの技の話や、戦い方の話をしたところで絶対広がらないに決まっている。

 やっぱり、同じ目線で、同じレベル感で話ができる同士だから信頼できるんじゃないか。人間、信頼している人の話しか聞かないんだぞ。

 子供に親の話を聞かなきゃいけない義務があるわけではないので、こちらも一人の人間相手として話してほしければほしいなりの人間になって、信頼を勝ち得ていきたいと思う日々である。

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