見出し画像

フランスのジェネレーションギャップ

 フランスに滞在していて、日本とは違うなと思ったことの一つに、フランス人は割と年寄りと若者が普通に話す、ということがある。
 もちろん日本だって話すには話すが、どこかしら世代間ギャップはあること前提で話していると思う。特に若者の方はそれを強く感じるもので、普段の友達と接するようには話さないと思う。
 フランスでは何が違うかというと、老人と若者でも比較的普段話しているトーンが変わらないで話しているように見える。同じような話をして、同じようなレベルの冗談を言って笑っている。自分がフランス語がそこまで堪能じゃないから、もちろん若者同士で話す時とは違うんだろうけど、まぁでもそこにはあんまり遠慮みたいなものは見られず、家族や親戚でも、たまたまあった知らない人でも、割とフラットに話している印象だ。

 自分が小さい頃や若い頃は、親世代がまだ戦中戦後の世代なので、子供の頃はメンコやベーゴマの世界だった。ところが自分は小学生の時にゲームウォッチやらファミコンができている。これは世界観が同じなわけないよな、と思い、生きてきた環境が違うんだからそりゃ話なんか合わないだろう、と思っていた。

 ところが、フランスだってそういう意味では同じようなものなのに、そこまで世代間のギャップがないように見える。歳の差があっても、対等に話しているように聞こえる。実際、話もすごく盛り上がっている。

 こういうのが文化なのかな、と思う時がある。文化の蓄積が、もしかすると数十年規模では差があるのかもしれない。文化は、ある日急に発展するようなものではなく、また何かの特別な作品に紐づくものでもなく、繰り返し紡がれている人々の意識なんじゃないだろうか。

 江戸時代とか、もっと前はどうだったんだろうなと思うことがある。勝手に、年長者を敬っていて父親が強くて。。みたいなイメージがあるけど、意外とその場にいたらそうでもないかもしれないな。昔の方が女性も強かったというし。。
 わからないけれど、やはり一度壊滅的に破壊されてしまうと、修復に時間がかかったり、暮らしを発展させることにエネルギーが向いてしまうのかもしれない。

 ただ、まぁわからないけれど、自分達が子供の頃に思っていた大人との隔絶よりも、今の方がまだ差は縮まっているようにも見える。少なくとも、いいおじさんと若者が同じアニメやゲームにはまったりすることだってあるわけだから。昔は、例えば漫画も悪いもの、くだらないものと決めつけられていたが、今ではそんなことを言う大人も誰もいない。

 自分達の世代が老人になる頃には、もうちょっと世代間で同じ話題で盛り上がったりできるような文化になるといいなと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?