
組織とチーム 〜ペルシア戦争
成長している個人事業の方や、企業経営者の方とお話することがよくあります。
そういう方々に共通する悩みが
「この先、どんな体制を作っていくか」
ということ。
人を雇うかどうか
現場をどうするか
お客さんの反応はどうか・・・
などなど、個々の事情はあれ、概ね共通しています。
どの企業・事業もそうですが、一定程度成長すると選択を迫られる時が来ます。
人を雇い、自身はマネジメントに移行し、「組織」を構築していくか
自身はプロフェッショナルとしての成長をさらに志向し、少数精鋭&外部パートナーとの「チーム」を組むか。
もちろんプロフェッショナルでありながら組織を作ることも可能だとは思いますが、時代は中途半端なあり方・やり方を認めなくなってきています。
GAFAのように、機能と価値を極め大規模化していくか
宮大工のように職人としてプロフェッショナルを極め、チームを都度結成するか。
どちらが正解、というわけではないですが、事業をやっていく以上、早晩決めなければいけない時期は来ます。
古代ヨーロッパ文明といえばギリシア・ローマ文明ですが、古代ギリシア文明を名実ともにヨーロッパ文明の基礎たらしめるできごとがありました。
そのできごとが
組織か
チームか
を考える上で、よい事例になります。
ペルシア戦争 — 組織vsチーム
{目次}
・大帝国ペルシア、諸ポリス連合ギリシア
・ギリシアの勝利
・ペルシアの巻き返し
・組織かチームか
大帝国ペルシア、諸ポリス連合ギリシア
紀元前6世紀に古代オリエント文明を統一したアケメネス朝ペルシア。
オリエント諸民族を服属させた、まさに世界帝国として地域に君臨しました。
※帝国=複数の地域や民族に対して君臨し、大規模で歴史にも残る国家
一方の古代ギリシア諸ポリスは、城壁をめぐらした都市国家をその単位とし、領土・人口その他の規模はペルシア帝国とは比較にもならないくらい小規模なものでした。
ただ、進取の気性に飛んでいて、地中海を所狭しと船で行き来し、高度な文明を築いていきます。
現代でいうとまさにGAFA並の大企業とプロフェッショナルな個人・小規模企業が対峙していたと言えるかと思います。
ギリシアの勝利
そのペルシアとギリシア諸ポリスがぶつかったのが、紀元前5世紀のペルシア戦争。
よく知られているようにペルシアがギリシアに侵攻するも、結束したギリシア諸ポリスに撃退され、ギリシア側の勝利で終わります。
当初はポリス間の連携が不足し、ペルシア帝国軍がギリシアの奥深くまで侵攻。ギリシアもペルシアの一部になるかと思われました。
しかし、アテネ・スパルタの2大都市を筆頭にしてポリスが連携した結果、強大なペルシアを撃退に成功します。
アテネは強大な海軍力を持ってペルシア海軍を撃滅し、スパルタは陸軍大国としてペルシア相手に存在感を示しました。
大企業に対して、プロフェッショナルが結束しチームを作り、横暴に対抗した。
池○井さんの小説やドラマっぽい展開だったかなと思います。
ペルシアの巻き返し
ペルシア戦争後、アテネがギリシアでは覇権を握って古代ギリシア文明の極盛期を迎えましたが、やがてスパルタなどの諸ポリス間との争いが起こります。
すでに古代オリンピックが始まっていましたが、オリンピック期間の休戦以外は戦いが起こっているという有様で、その機を逃さずペルシアはギリシアに干渉。
あるときはスパルタと同盟を結び、あるときはアテネ側に資金援助を行うなどして、直接間接にギリシアの支配を狙いました。
結果、ギリシア諸ポリスはその力を徐々に衰えさせ、マケドニアに屈服することになります。
大企業の巻き返し、といったところですね。
ただし、美味しいところは新興ベンチャーのマケドニアに持っていかれるわけですが・・・
組織かチームか
強大な組織としてのペルシアは、やがてマケドニアのアレクサンドロス大王の手によって滅亡します。
そして、チームとして戦って大組織を撃退したギリシアの諸ポリスも、各個撃破という感じでマケドニアに屈服。
アレクサンドロス大王の大帝国がギリシア〜オリエントを支配することになります。
そのマケドニアもすぐに分裂し・・・
と、国家の盛衰は続くわけですが、それはまた別の話。
組織がいいか、チームがいいか、と考えたときに、一概にどちらがいいとは言い切れないのが、ペルシアとギリシア諸ポリスの顛末を見ていればよくわかります。
それぞれにそれぞれの長所があり、短所があります。
組織には
トップダウンで素早い意思決定ができる、同じ方向を向いて一斉に動くことができるというメリットが有る一方
多様性に欠け、硬直化しやすいという短所もあります。
一方、チームには多様性が活かせる、柔軟に動くことができるという長所の代わりに、規模の勝負では勝てないし、単独で組織相手に戦うのが難しいというデメリットがあります。
ある程度成長し、次の段階を目指すとき
組織にするか
チームづくりをメインにするか
それはあくまでトップである自分の意志次第。
だからこそ、慎重に判断したいですね。
それでは今日はここまで。
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