見出し画像

第37号 ノンレム睡眠でも夢を見る、将来的にブレインテックに関わるために今からすべきことは何ですか?

// 2022年3月10日 第37号
// 1. 注目ニュース:ノンレム睡眠でも夢を見る
// 2. 質問コーナー:将来的にブレインテックに関わるために、今からすべきことは何ですか?

こんにちは、東京大学の池谷裕二研究室で脳・老化・人工知能の研究をしている紺野大地です。

先日、Newspicksで著書に関連する特集をしてもらいました。
著書では取り上げることができなかったSynchronの話などもしているので、興味のある人はぜひご覧ください😊
(有料記事なのが恐縮ですが…)

では、今週も始めていきましょう!

1. 今週の注目ニュース:ノンレム睡眠でも夢を見る

今回は、
「これまで夢はレム睡眠中に見ると考えられてきたが、ノンレム睡眠でも夢を見る」ということを明らかにした論文を紹介します。
睡眠研究のパラダイムシフトとも言えるこの研究は、いったいどんな内容でしょうか?

背景

ご存知の方も多いとは思いますが、睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠に分類されます。
レム睡眠のREMとはRapid Eye Movementの略であり、速い眼球の動きを伴う睡眠を指します。REM睡眠の特徴は、大脳から身体への信号は遮断されている一方で、大脳自体は活発に活動していることです。
対してノンレム睡眠とはレム睡眠以外の睡眠であり、大脳の活動が低下することから、脳や身体の回復のために重要だと考えられています。

このように、レム睡眠中に脳は活発に活動しているため、夢を見るのはレム睡眠だと長い間考えられていました。

ですが近年、ノンレム睡眠中でも夢を見るという報告が少しずつ行われ始め、レム/ノンレム睡眠と夢の関係性については様々な意見が生まれていました。

そんな中、この論文は

ここから先は

2,896字

¥ 250

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?