偏屈音楽講評②浜崎あゆみ

どうも皆様お疲れ様です。大爆発焦げ男です。

前回の記事からちょうど2週間が経過しましたね。皆さん前回の記事は読んで頂けましたか?(実は少し期限を過ぎております。すみません。)

前回は皆さんお馴染み、国民的ロックバンドであるRADWIMPS様について書かせて頂きました。こうして改めてアーティストの分析を自分なりにやってみるというのは面白いですね。この連載はほぼ自己満足に近い感覚でやってますので、他人の脳内を覗いているというテイで読んでみるのが良いのではないでしょうか。

それにしても前回の記事、投稿するタイミングが悪かったですねー...皆さんご存知ですか?あの記事公開した途端にRADWIMPSのサブスク配信が始まったんですよ。

もちろんめでたい事ですし、僕も嬉しかったんですが、もう少し公開を遅らせていればもっとたくさんの曲を聴きこんだ上で講評を書けたのに...と悔しい気持ちになります。はぁ。まぁ後々気付いた事や、書き足したい事があれば追記という形で書いていこうと考えてます。修正したらどこかの記事に書いておきますね。

さて、クヨクヨしてても仕方がないのでそろそろ今回の本題に入っていきたいと思います。クヨクヨなんて表現今日日なかなか聞きませんが。

今回取り上げさせていただくアーティストの方は、「浜崎あゆみ」様です。

近頃ネットで大変話題になっているドラマ「M 愛すべき人がいて」のモデルとなっている人物でもあります。あのドラマなかなか面白いらしいですね、いろんな意味で。千鳥にちょっと待てボタンを持たせて副音声に据えたら面白いのではないか...とか考えてしまいます。ノブさんもツッコませてくれ!と言っていましたし。

余計な脱線が多いですが、今回はそんな浜崎様が売れているアーティストとして相応しい実力を持っているのだろうか、という事を考えていきます。

ここで改めて宣言しておきますが、私はフツーの一般大学生です。そんな立場の人間が「売れているアーティストがその状況に見合う実力を持っているのか」を考えていくのがこの企画の趣旨です。あらかじめご了承ください。ですので本格的な解説はもっと詳しい方のものを読んだ方がいいと思っています。(でも全力で頑張る気持ちはあります)。

酷く心許ない保険をかけたところで、早速浜崎あゆみ様の経歴について調べてみましょう。

浜崎様は幼いころから母子家庭で育ち、小学生の頃からキッズモデルとして活動されていたそうです。小さいころから芸能界で活動しているわけですから、芸歴は相当なものですね。その後はアイドルや女優として活躍し、エイベックスの勝浦さんという方との出会いにより歌手を目指す事となったようです。歌手デビューして間もない初期の活動でまず驚くべきポイントは、1stシングルである「poker face」が多くの企業とタイアップした事だと思います。宇多田ヒカル様の「Automatic」ほどではありませんが、やはり大手のプロモーション会社から売り出されているというのは、ビジネス的な成功という面では大きい影響力を持っているという事実を痛感せざるをありません。とはいえ、曲は普通にいい曲です。サビのメロディーが良い感じです。その後発売した1stアルバムでオリコン1位獲得、10thシングル「A」がミリオンセラー、さらに紅白出場...まさに飛ぶ鳥をぶっ叩き落とす勢いで一気にスターダムに登り詰めています。そりゃカリスマになるわ。

その後も浜崎あゆみ様の活躍は衰えることを知らず、レコ大を3連覇したり、アジアツアーで海外に行ったり、2006年には女性シンガー初のシングル総売り上げ2000万枚達成、さらに2012年にはB`z、Mr.Childrenに並びシングル・アルバム総売り上げ5000万枚を史上3組目の達成と、売り上げだけで見れば国内最高峰のアーティストとなりました。そして現在もアーティストとしての活動を続けています。

経歴をまとめて見てみると、マジでとてつもないですね。個人でこんなに売れてるのは素直に凄いです。ランキング掲載サイト、らんらんランキング様が掲載している「歴代女性アーティストシングル売り上げランキング100」(https://ranranranking.work/utahime100/)というランキングでも、AKB48様に次いで国内2位の売り上げだそうです。個人でというのを含めて考えると、その人気、カリスマ性がどれほどのものなのか分かります。ビジネス的に成功しているアーティストが、必ずしも良い作品を作っているという確証はありませんが、売れているものの大半が良い作品であるということも事実です。

しかしこの企画において売り上げなんかは別にどうだっていいのです。その人が売れてる前提で扱ってるんですから。問題は売れ方なんです。特に重要なのは最初期です。私が注目しているのはデビュー曲の「poker face」です。自身が作曲していない、しかもデビュー曲で企業とのタイアップ。自分で曲を作っているわけでもないですし、以前に目立った活動があったわけでもないので、これについては事務所が無理やりにでも売り出そうとしているからこそ得ることができたビジネスチャンスと言わざるを得ないのではないでしょうか。本当に実力がある人というのは別に事務所が売ろうとしなくたって売れちゃうものなのではないかと思います。モンゴル800然り、Suchmos然り。その点については少々実力を疑わざるを得ないのではないかと思います。

では経歴もなんとなーく分かってきたところで、次は浜崎あゆみ様の技術、つまり歌唱力について考えていこうと思います。

ぶっちゃけてしまいますと、実際私はシンガーに歌唱力なんてものは別に必要ないと思っていますし、上手くても売れるかどうかは結局どれだけいい曲を提供してもらえるかという運にかかっている部分が大きいと考えています。歌手なんてほとんどギャンブルです。パチンコ打ってた方が100倍マシです。

私は浜崎あゆみ様の歌唱力は、高く見積もっても中の上くらいのものだと思っています。少し辛辣な事を言うようですが、素人でも浜崎様よりも歌が上手い人なんてざらにいるはずです。

ですがさっきも言いました通り、歌唱力なんてものは大して必要じゃありません。個人的にはね?これは私の意見なのですが、歌手が評価される上で最も大事なのは業界における独自性、唯一性だと考えています。この歌声は浜崎あゆみ以外の誰にも表現できないという個性です。

浜崎あゆみ様の声にそういった個性があるのかと聞かれれば、もちろんあるけれど、それほど強力なものではないかな...と私は思います。歌の技術、独自性に関してはそこまで優れた実力を持っていないかな、というのが私の意見です。

ここまで見ると少々批判的な意見が多いように感じますよね(実際そう評しているので仕方ありませんが)。

ですが、ここまでの評価を大幅にひっくり返す加点要素を浜崎あゆみ様は持っています。

それは、『全てオリジナル曲の作詞を自ら行い、加えて「CREA」という名義で作曲もおこなっている』という点です。

私は最初、「浜崎あゆみなんて自身は曲作りに関わらないで、ただ事務所のゴリ押しで売れたアーティストだ」と思っていたのですが(どこまで失礼なのか)、しっかり調べてみたところ、御自身でオリジナル曲の全てに詞を提供し、別名義で作曲も行っているという事を知り、もう申し訳なさと恥ずかしさで死にそうになりました。すみませんでした。

曲を構成するパーツの中で、歌詞というのは実はそんなに重要な要素ではあ無いと考える方も多いと思いますし、僕も最重要とされる部分ではもちろんないと考えています。理解できない外国語の曲でも曲が良ければ好かれますし、歌詞をじっくり読んでみると理解不能なポップソングなんてチャートにいくらでも溢れています。

ですが、歌詞というのは曲の語感や韻、メロディーのリズムを決めるという性質も持っており、言葉の意味よりもそちらの要素が大切です。そういった点を加味して考えれば、歌詞というのは重要なパーツの一部とすることができます。

もちろん後世に受け継がれる数多くの名曲には、詩単体で評価しても素晴らしい作品が数多く存在するのもまた事実ですから、歌詞の意味を考えることには価値がないということはありません。僕も椎名林檎さんの歌詞世界に影響を受けた価値観を持っていると自覚していますし。

音楽というのは非常にポピュラーな芸術ですから、マスで考えると「歌詞重視」で音楽を選んでいる方も少なからずいらっしゃいます(もちろんあいみょんやOfficial髭男dismなどの有名ポップアーティストが、歌詞そのままでメタルやカントリーみたいなマイナージャンルの曲調の曲を作っていたら、絶対に今ほど売れていないのは明らかなので、「歌詞重視」派の皆様も曲の方を無意識に重視しているのではと私は思いますが)。

また、「歌詞重視」派の方々は主にポップスのリスナー層に当てはまる事が多く、浜崎様の曲のジャンルにも合っています。

歌っている本人が曲の歌詞を書いているという事実は、浜崎様のカリスマ性や世界観を構成する上で非常に重要なポイントであると言えます。どれだけ感動的な歌を歌っても、それが歌い手本人の思想だった場合とそうでない場合では、伝わる感動は全く違うものになるのではないでしょうか。

このように、オリジナル曲の作詞をご自身が行っているというのは非常に大きなポイントです。しかし、個人的に最も評価したいポイントは作詞ではありません。

私が最も評価したいのは、作詞の対となる作曲を、別名義で浜崎様自身が行っているという点です。それを初めて知った時は、なんだ、自分で曲作れるんじゃん!と思いました(とてつもなく失礼)。私は作曲を行っているかという点がアーティストを評価する上でめちゃくちゃ重要な評価点だと考えているので。このあたりが偏屈たる所以です。

しかも調べてみたところ、浜崎様の代表曲の一つである「M」も浜崎様ご自身が作曲を担当されたそうで、なんだ、めちゃくちゃ良い曲作れるんじゃん...と素直に感動いたしました(失礼極まりない)。

ご自身で書いた歌詞に、ご自身で曲を書く。アーティストとしては多くの方が当たり前にやっている事ですが、浜崎様にそのようなイメージを持っていなかった自分にとっては、これは評価を決める上で非常に大きな情報でしたし、調べて良かったと感じています。勝手な勘違いで間違った印象を持ったまま生きていくのは自分としても心外です。

上記の2つのポイントを加味して評価をさせていただくと、浜崎様の才能は十分に売れるに値するものだとは思います。ですがここまで紹介したポイントだけで考えてみると、もちろんそこそこ売れるのは不思議ではありませんが、国内トップレベルの売上を誇るまでに至る要因が見当たりません。

つまり僕はまだ浜崎様の最たる才能に触れていないということです。それでは最後に、浜崎様の魅力の最も大きな部分に触れていきます。

僕が思うに、浜崎様が持っている最大の魅力は、歌唱力でも作詞作曲のセンスでもなく、「比類なき圧倒的カリスマ性」に他ならないと思います。

曲を最重要視する僕ですが、こんな持論を持ち合わせています。

「フロントマン(Vo.)がカリスマでなければ、アーティストは売れない」

近年の邦楽界隈で言えば、前回取り上げさせていただいたRADWIMPSの野田洋次郎さん、SuchmosのYONCEさん、ゲスの極み乙女の川谷絵音さんetc...ここで紹介させて頂いている方はみなバンドマンですが、この持論は個人で活動しているアーティストや、ユニットのセンター等にも当てはまる事です。

歌の上手い下手や、曲の良し悪し、演奏技術。アーティストの売れ行きを左右する要素はいくつかありますが、フロントマンのカリスマ性というのは、それらと並ぶ、時には上回ってしまうほど、人を引き付ける上で重要な要素です。

アーティスト自身のパーソナルな部分。つまり容姿やファッション、言動などがその人の評価に大きく関わってくるというのはざらにある話です。

かのシド・ヴィシャスも、圧倒的なカリスマによって伝説となった人物です。独自のファッションセンスや過激で暴力的ともとれるパフォーマンス、ヴィヴィアン・ウエストウッドから寵愛されるほど優れた容姿、派手な死に様。そんなカリスマ性溢れるパーソナルな部分が、後世のパンクというジャンルに多大な影響を与えたのは確かですし、音楽界にとっても非常に大きな功績です。

浜崎様とシドを比べるのは少しおかしな話ですが、2人とも売れる理由は同じです。優れたカリスマ性が備わっているだけで、それ以外の要素を度外視して考える事さえ可能にしてしまうのです。それが本人の元々の性格やセンスから来るものなのか、プロデュースされたものなのかは分かりませんが。

これが私が考える浜崎様の最も大きな魅力です。この点においてはファンの方々も納得していただけるのではないでしょうか。

では批評はこのくらいにしておいて、そろそろまとめに入ろうと思います。

浜崎あゆみ様は売れるに値するアーティストなのか否か、個人的には売れるのは理解できるが、多少過大評価されているも部分あると思いますので、

「ここまで売れるほどの実力は持ち合わせていない」

という評価とさせて頂きたく存じます。

ファンの皆様はきっとお怒りでしょうが、ここは私も譲れないところですので、心を鬼にしてはっきりとこの評価を下させて頂きます。その評価に至る経緯は説明させて頂いたつもりです。もちろん至らない点もありますので、その部分に関してはご批判いただきたく思います

では、評価も決めさせていただきましたので、第二回の偏屈音楽講評を終了させて頂きたく思います。

今回は前回とは違い、少し厳しい結果とさせて頂きました。ですがこれで私が単にアーティストを紹介して媚びているわけではないと分かっていただけたのではないかと思います。これからも自分の判断を信じ、納得できる評価を下していけたらと思います。

次回は「ONE OK ROCK」様を取り上げさせていただこうと思います。

それではまた次回お会いしましょう。最後までご覧頂き誠にありがとうございました。


※この企画は、特定のアーティストに対する誹謗中傷を目的としたものではなく、取り上げさせていただくアーティストの方々には最大限の敬意を持った上で製作させて頂いております。また、アーティストの方に対する厳しい評価は「批判」であり、「誹謗中傷」とは異なるものであることをご了承ください。

※この企画で「アーティスト」と称させていただいている方には「ミュージシャン」や「シンガー」としての意味合いも含まれることをご了承ください。あくまで広義の音楽家を指す言葉として「アーティスト」という言葉を利用させて頂いております。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?