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【児童虐待】熊本県の慈恵病院に【こうのとりのゆりかご】(通称・赤ちゃんポスト)の視察に行ってきました。〜後編〜

こんにちは。日本維新の会・板橋区議会議員の大森大です。

慈恵病院の視察の後編になります。

前編はこちら

施設内を見学させていただいた後で蓮田院長からお話をお聞きしました。

先代の院長である蓮田先生のお父様が設立されましたが、設立当初は脅迫電話などが頻繁にあったそうです。

預ける親御さんは保護責任者遺棄罪、そして病院は遺棄幇助罪になるのではないかと言われたそうですが、当時の熊本市長の幸山政史市長の尽力もあり、その罪にはあたらないと解釈されたとのことです。

当然ですが児童相談所と本庁の健康福祉局関係、そして警察との連携が重要とのことです。

24時間いつでも看護師がすぐに駆けつける受け入れ体制を作り、室内はエアコンなど稼働していつでも快適な室温を保ち、もしもの時のために電気系統も二基用意されていて、片方がトラブっても安全なようになっているそうです。そして、6時間ごとに看護師さんがシステムの安全を確認しているそうで、維持費は年間で2500万円以上の高額になるそうです。

蓮田先生が視察に行かれたドイツのベビーボックスなどは杜撰な管理だったそうです。『ここまでしっかり管理している施設は世界的にも珍しい』と語られていました。

半年に一回の検証委員会に膨大な量の報告書などを提出するそうで、制度設計をガチガチに固めないと出来るものではない。そして、先代の院長と幸山市長。病院と行政のトップがそれなりの熱量でしっかりしていたので出来たとおっしゃられていました。

子どもを預けに来る人は元被虐待児(虐待サバイバー)で、親が過干渉であるために妊娠などを親に知られるのを極度に恐れているケースが多いとのことです。

そして、発達障害傾向の人も見受けられると・・

ですので、周囲の方に相談したりせずに自宅出産(公衆便所などで出産)まで追い込まれてしまうケースが多くみられるそうです。

【こうのとりのゆりかご】を設立するためには既存の産婦人科・小児科で24時間やっているところでないと厳しいとのこと。

そして、妊娠相談業務も併設されていないと厳しいとのことです。

話を聞いて思いましたが、この【こうのとりのゆりかご】を設立するのは、これをキッカケに孤立妊娠女性を周囲と繋げることが主眼なのだと思います。

子どもの権利条約には出自を知る権利というのがあり、この【こうのとりのゆりかご】はそれに違反するのではないか?と議論になったことがあるそうですが、出自よりまず生命ということで国際司法裁判所でも違反には当たらないと判決は出ているそうです。

現在、東京都では墨田区と江東区の団体が設立に向けて動き出しましたが、江東区は断念し、墨田区は来年に設立される見込みとのことです。

蓮田先生曰く『熊本はアクセスが良くないので現状の件数だが、東京で設立した場合は殺到してしまう可能性もあるのではないか?』とおっしゃられていましたが、私もその可能性は高いのではないかと思います。

ですので、墨田区の動向を注視していきたいと思います。

私の中でも整理出来ていない部分は多々ありますが、いろいろと勉強になり考えさせられる視察でした。

慈恵病院の皆さまありがとうございました。

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