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セレクション 35

セレクションとは、スポーツ関連の選考実地試験のことを言います。
 野球のケースでセレクションを説明しますと、各大学の硬式野球部が高校を卒業する入部希望者を対象にして行なう練習会のことをいいます。
 練習会と言うよりも、実際には野球の実技試験・オーディションと言っても良いのかもしれません。
 甲子園や地方大会で注目された有望な選手の中には、すでに3年生の夏休みまでに大学から声がかかり、進学する大学が決まっている人もいますが、そのほかにも大学で引き続き硬式野球を頑張りたいという高校球児はたくさんいます。そんな野望に満ちた高校球児たちが、希望する大学の練習会に参加し、
大学の監督や野球部に関わるスタッフたちの前で、
これまで頑張ってきた野球の技術やマインドを見てもらうオーディションが「セレクション」なのです。
 セレクションで大学側に実力を認められた選手は
実質「スポーツ推薦合格者」となり
大学合格の内定を受け取ることができます。
残念ながらセレクションで合格できなかった選手は、
次の進学先候補のセレクションを探すことになりますが、ほとんどの大学の硬式野球部が一般生徒に向けて行う練習会は8月の夏休み中に実施するところが多く、セレクションの日が重なる可能性も高いのです。甲子園の選手権大会に出場しながら、その間にセレクションを受ける選手もいます。
 高校で野球をやっていて、大学でも野球を続けたいという選手の多くはセレクションを受けますが、
セレクションを受けなくても、一般入試やAO、推薦試験で受験する方法もあるのです。
 しかしながら、明治大学や法政大学のように一般入試で合格し入学した学生でも正式な硬式野球部員として入部できない大学も多いのです。選手寮のキャパシティや施設に対して人数制限があり、効率的な組織運営をしなくてはならないからなのです。
 監督や部長などの責任者の裁量で、部員数が決められて、大学側から野球の実力と将来性を認められた人しか入部できないのが現実なのです。
 また、セレクションにも大学系列の付属高校出身者のセレクションや一般の野球部のセレクション、
特Aクラスのセレクションなどさまざまなタイプがあります。
 大学の野球部関係者と高校の監督の間で話が進み、
高校の監督から選手に直接、
「セレクション受けるか?」と打診があります。
監督から声を掛けられたならば、パイプが有ると言うことなので、是非参加するべきだと思います。
いずれにしても、自分が希望する大学のセレクションを受けるには監督や部長先生にお願いをして手配してもらわなければなりません。
 スポーツの世界も人脈(パイプ)で動くので、選手と親が勝手に大学を探してセレクションは受けられませんので、注意してください。
 セレクションを受ける前に、決まっている合格者の方が多いので、受かればラッキーと思ってください。 
 セレクションの内容は大学によって種目が違うことがあります。
 基本的には野球の技術(テクニック)と野球に対する姿勢(態度)か試されます。
野球の技術(テクニック)
全員…基礎体力測定、ランニング、
50メートル走、遠投、20メートル走
野手…ポジション別の守備、バッティング
投手…ピッチング
実践形式のシートバッティングで投手と打者の対決
50M走6.5秒以下、遠投90M以上など
最低基準が設けられていたり、甲子園出場が有る無し、もしくはそれに準ずる形で地方大会ベスト8位内を目安とするという条件が大学内部で決められているケースが多いです。
 実際のセレクションを見学した私の感想からは、上記の基準をクリアした、優秀な選手ばかりが集まって挑戦しており、能力に難がある選手は1人も参加しておりませんでした。
 また、シートバッティング及び紅白戦では、野球の技術だけで無く、野球への取り組み方もチェックされています。
挨拶の仕方、先輩に対する言葉遣い、選手同士の会話、道具の片付け、グランド整備、アップでの行動、
試合中の声かけなど、野球に取り組む姿勢が問われます。日頃から、いかに真面目に熱意を持って野球に取り組んでいるかが問われるのです。
もし行きたい大学があれば、先ずは大学野球部の公式ホームページをチェックしてください。
そして、自分に受験資格が有りそうならば、監督や部長先生に今直ぐにお願いをしてみましょう。
 次に少年サッカーのケースを説明します。
セレクションと言っても、
①クラブチーム入会のための選考試験もあれば、
②地域、支部、県、日本代表等の選抜チームメンバーを決めるための選考試験もあります。
 クラブチームのセレクションは、そのクラブで今後プレーしていくことが条件となります。途中からの入会の場合は、今あるチームにプラスアルファになるような能力が求められます。
 クラブチームにはスクールがあるところがほとんどなので、外部から受験する場合には、選考担当監督はある程度「こんな子がほしい」という具体的なイメージを固めていることが多いです。
まだカラダも出来ていない段階なので「伸びしろ」を期待して合格にする場合もあります。特に、ジュニア年代のうまい下手、足の速い遅いは体格によるところも大きいので、「今は小さくても将来的には伸びるかもしれない」という期待を込めて選手を探しているクラブチームも多いのです。
 募集は、公募によって行われ、通学圏内の選手ならだれでも受験することができます。
ただし、セレクションに申込みをする際に、現所属チームの監督に許可を得ることが条件になっている場合もありますので、募集要項をしっかり確認しましょう。
 選抜チームのセレクションは、今までの大会での実績や、地域での評判が大きな決定材料になると同時に、実際に采配する監督コーチの考え方や方針によって決定することが多いようです。
 公募でない場合は、該当チームのコーチや監督に直接連絡が入り、そこからコーチや監督の推薦によってセレクションを受けに行くことが多いようです。
 たとえセレクションに合格する可能性が高く無くても、セレクションを受けることにはメリットがあります。
セレクションを通じて、意識が高く本気で受けに来ている選手たちは、声出しひとつを取っても、その迫力は半端ではありません。その雰囲気を味わうだけでも、その後の人生にとって大きな転機となることが多いのです。
 セレクション会場では、選手達は普段のプレー以上の力を発揮出来ることがあります。まわりのレベルに必死になって対応しようとするからなのです。 
 今までよりも数段レベルの高いサッカーを体験することが好じて、「サッカーって楽しい!」という気持ちが芽生える選手達も多いのです。
 野球のケースと同様に、セレクションではサッカーのテクニックだけを見ているのではありません。
人間力やコミュニケーション能力をフルに発揮しなければなりません。
また、ゲームで自分をどう活かすかが重要なのですから、声を出さなければ、自分にボールは回ってきません。完全アウェイの厳しい状態の中でゲームを組み立てる能力を要求されるのです。
セレクション当日の流れ
①受付
グラウンドに行くと、名簿と照合し、背番号と所属チームが確認されます。ユニフォームが指定される、もしくはビブスが配られます。
②準備体操を経て、セレクションが始まります。
③メニューはチーム地域によってそれぞれ違います。
※短距離走、30メートルダッシュのタイム測定(事前の調査書にも記入欄有り)
※リフティング
午前、午後と1日がかりになっているセレクションは、午前に短距離走やリフティングの計測を行い、昼で午後に残る一次合格者を発表するところもあります。
④実践ゲーム
セレクションのメインは、ゲームです。4対4、8対8などの少人数によって行われるケースが多いようです。ポジションは希望制なので、アピールができない場合は空いているポジションに回されてしまいます。
⑤講評
監督から「本日の講評」があることがほとんどで、結果は1週間~2週間位で発表されます。
今は指定サイトに直接合格者の番号が発表されるケースがほとんどになるようです。
 スポーツには、挑戦し続ける精神こそが大切ですので、合否に関わらず、セレクションはお子さんを成長させるきっかけとなるに違いありません。
セレクションは、年にそう何度もチャンスがあるものではありません。日頃から情報をしっかりと集めておいて、セレクションの機会があったら、迷うこと無くチャレンジしてみましょう!
 何もしないで後悔をするのでは無く、やってみて、失敗した方が絶対にプラスになるからなのです。

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