戦争の負け組が逃げてきた国

　日本の歴史を調べて行くと、ある特徴的な事実に気が付くのです。
それは、ユーラシア大陸で大きな戦争が起こる度に、その戦争を回避する為に大陸から日本へ逃げ伸びて来た民族が多くいた痕跡を発見できることなのです。
ユーラシア大陸から東へ逃げる場合の最終地点が日本になるからなのだと考えます。
言わば、日本はユーラシア大陸からの難民の駆け込み寺となっており、古代の縄文人らはそれらの民族を暖かく受け入れてこれまで発展して来たのでした。
　そして戦争を避けて逃げて来る決心をする上での一番大きな動機が「宗教弾圧」だったのではないかと考えられるのです。
　例えば、呉越の時代、秦の始皇帝時代等、ユーラシア大陸で大きな勢力が暴れると、必ずと言っても良いように大陸から日本へと難民が逃げ渡って来たのでした。
　始皇帝の時代には、万里の長城建築の為に、多くの労働に駆り出された人々がその苦役を逃れる為に大陸から脱走して日本まで逃げて来たらしいのです。
始皇帝の命を受けて日本に不老長寿の薬を探しに来た徐福も、最終的には3000名以上の船団を組んで、日本へと脱出をして来たのでした。
　また１８４年に中国で起こった黄巾の乱では、それまで4千万人いた人口が十分の一になるくらいまで殺し合うひどい戦乱だったことから、多くの人々が中国から脱出してきた事が推定されるのです。
　日本語はトルコ語と形態的によく似通っており、同祖の言語の可能性があることや、旧ソビエト連邦に所属していたキルギス共和国では「キルギス人と日本人がもともと兄弟で、肉が好きな者はキルギス人となり、魚が好きな者は東に渡って日本人となった。」という言い伝えが今でも現地では語り継がれているらしいのです。
そしてチベットについては、日本人の約４０％が持つＤ型遺伝子と同一の遺伝子を持っている民族なのです。
　また飛鳥時代の正倉院にはペルシャの宝物や、当時の建築様式にもペルシャからの技術が使われていることからも、ペルシャとの密なる交流が有ったことを偲ばせるのです。
　ペルシャという国名についても、何となく懐かしい響きを感じてしまうのは私だけなのでしょうか。
これらの事から考えると、日本人の親戚がいる可能性の高い、トルコ、ペルシャ（イラン）、キルギス、チベットの人達とは手を取り合って、もっともっと文化交流や平和事業を進めて行く価値があるのだと考えます。
さて母親の先祖を探るのに適している「ミトコンドリア・ハプログループ」は日本人では９つのタイプに分けられるのですが、そのなかで最も多いのが、
１）Ｄ型「東アジア最大集団」で、誕生時期は約4万年前、誕生場所は中国大陸中部だったのです。
移動地は朝鮮半島、中国中央〜東北、中国南部地方からで、日本人全体の約35％がこの遺伝子を持っているようです。
２）Ｍ７型は、二番目に多い「太平洋を渡った日本最初の移住民」で、幻の陸地スンダランドの末裔らしいのです。スンダランドとは、現在タイの中央を流れるチャオプラヤー川が氷期に形成した広大な沖積平野の呼称で今では水没してしまった陸地のことなのです。
誕生時期は約5万〜4万年前で誕生場所は東中国です。移動地は台湾、沖縄、北海道、インドネシア、フィリピン。日本人全体の約15％がこの遺伝子を持っているようです。
３）Ｂ型は、太平洋を渡った日本最初の移住民で、
誕生時期は約5万〜4万年前で、誕生場所は東南アジアです。移動地は台湾、フィリピン、ハワイ、南太平洋の島々、南米の山岳地帯からで、日本人全体の約10〜20％がこの遺伝子を持っているようです。
４）Ｇ型は氷河期を超えた北方民で、誕生時期は約3万年前で、誕生場所はシベリア高原です。
移動地は中国東北部、朝鮮半島、中央アジアからで、
日本人全体の約7〜10％がこの遺伝子を持っているようです。
５）Ａ型はマンモスハンターと呼ばれた狩猟民で、誕生時期は約3万〜2万年前で、誕生場所はバイカル湖周辺です。移動地は朝鮮半島、中国中央〜東北、中国南部からで、日本人全体の約7％がこの遺伝子を持っているようです。
６）Ｆ型は東南アジアの冒険者で、誕生時期は約4万年前です。誕生場所は東南アジアで、移動地はベトナム、中国南部、台湾からで、日本人全体の約5％がこの遺伝子を持っているようです。
７）Ｍ9は険しき道を超えた山の民で、誕生時期は約4万〜3万年前です。
誕生場所はヒマラヤ・チベットで、移動地はインドネシア、中央・東アジア、沖縄、北海道からで、日本人全体の約3％がこの遺伝子を持っているようです。
８）Ｍ8型は北方漢民族の系譜で、誕生時期は約4万〜3万年前です。
誕生場所は中国東北部で、移動地はシベリア、ベーリング海峡、アラスカ、南アメリカ、フィンランドからで、日本人全体の約3％がこの遺伝子を持っているようです。
９）Ｎ9型はアイヌの祖です。中国起源渡来人で誕生時期は約4万〜3万年前です。
誕生場所は中国広東省付近で移動地はインドネシア、フィリピン、中国中央、朝鮮半島からです。
日本人全体の約7％がこの遺伝子を持っているようです。その他として、残りの約５％が日本人少数派に所属します。
ですから日本人の約95％は9種のハプログループに分類されてしまうのです。
ちなみに世界中では約35種のハプログループが存在しています。