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古代遺跡見学 29

 日本三大遺跡の吉野ヶ里遺跡(佐賀県神埼市,吉野ヶ里町)、平出遺跡(長野県塩尻市)、登呂遺跡(静岡市駿河区)および、三内丸山遺跡(青森県青森市)には、子ども達とぜひ訪問してみてください。
 日本人の素晴らしい歴史に気が付き、自信を持つ切掛けになるからです。
特に縄文時代から、日本にいち早く文明が存続してきたことに気がついて欲しいのです。本当は縄文文化は、世界最古の文明である可能性が極めて高いのです。なぜならば、1万4千年前の縄文時代に既に日本には高度な文明が存在していたことが発掘された土器等から明らかになっているからなのです。
なかでも、古代文字や壁画がハッキリ残っている北海道の2遺跡は、それらの証拠を実際に見学できるとても面白い遺跡となります。
 まずひとつ目が、小樽市の手宮洞窟です。
4〜5世紀頃、北海道に暮らしていた続縄文文化の人々が、日本海をはさんだ北東アジアの人々と交流をしていたことを示す大変貴重な遺跡です。
世界各地の洞くつ壁画や、手宮洞窟の時代である続縄文文化の生活の様子を知ることができます。
 次に余市市のフゴッペ洞窟は、手宮洞窟とともに現在日本国内において対比されるものがありません。800を超す刻画があり、人が仮装したようなものから舟、魚、海獣、4本足の動物のようなものがあります。角や翼で仮装した人像が多く、これはシャーマンを表したものと推察され、何らかの宗教的儀礼の場であったのではないかと考えられています。
洞窟は堆積土層から発見された土器や骨角器の分析から、およそ2000~1500年前の続縄文期に属する遺跡であることがわかっており、各国から学者や研究者も訪れています。   
 さて日本政府は2020年1月16日、「北海道・北東北の縄文遺跡群」の 2021年の登録をめざし推薦書を提出しました。
諮問機関による現地調査、勧告を経て、2021年に開催されるユネスコ世界遺産委員会で登録の可否が審議されるはこびとなりました。
もし登録されると、日本では20件目の文化遺産になります。
 登録をめざす資産は、縄文時代の各時期(草創期、早期、前期、中期、後期、晩期)における、人々の生活跡の実態を示す遺跡(集落跡、貝塚、低湿地遺跡)や、祭祀や精神的活動の実態を示す記念物(環状列石、周堤墓)など以下の17資産です。
北海道(6)
大船遺跡(おおふねいせき)
垣ノ島遺跡(かきのしまいせき)
キウス周堤墓群(きうすしゅうていぼぐん)
北黄金貝塚(きたこがねかいづか)
入江貝塚(いりえかいづか)
高砂貝塚(たかさごかいづか)
青森県(8)
三内丸山遺跡(さんないまるやまいせき)
小牧野遺跡(こまきのいせき)
大森勝山遺跡(おおもりかつやまいせき)
是川石器時代遺跡(これかわせっきじだいいせき)
田古屋野貝塚(たごやのかいづか)
亀ヶ岡石器時代遺跡(かめがおかせっきじだいいせき)
太平山元遺跡(おおだいやまもといせき)
二ッ森貝塚(ふたつもりかいづか)
岩手県(1)
御所野遺跡(ごしょのいせき)
秋田県(2)
大湯環状列石(おおゆかんじょうれっせき)
伊勢堂岳遺跡(いせどうたいいせき)
 日本の縄文時代の文化が世界から見直されるきっかけになりそうですので、良い結果を楽しみにしたいです。

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