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世界の中心はどこ

 天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)は、古事記の日本神話において最初に登場する神のことです。
天地開闢の際に、別天津神・造化三神の初めの1柱として宇宙に生成された存在であるとされています。
 斎藤一人さんが、YouTubeで「天之御中主様(アメノミナカヌシサマ)お助けいただきまして ありがとうございます。」という呪文を唱えると本当に奇跡が起きる、と紹介されたことでも有名になりました。
「天」は大地を覆う宇宙・天空、「御中」は尊意をこめた真ん中、「主」は主人・主君を意味します。
つまりこの神名は、宇宙の神聖なる中央におわす宇宙最高神・至上神であることを意味するのです。
 宇宙の中心に位置する最高神でありながら、その神を祀る神社が少ないことはとても不思議なのです。 
 天之御中主神を祀る神社には3タイプがあります。
造化三神として普通に祀る神社、北極星や北斗七星を祀る北辰(妙見)信仰の神社、水天宮なのです。
 東京で言うと、水天宮は有名なのですが、東京大神宮は「東京のお伊勢さま」であり天照大神と豊受大神の他に天之御中主神も祀られているのです。
 そして私にとって最もご縁があるのが、箱根神社元宮なのです。
 箱根神社元宮は、標高1356m駒ヶ岳山頂にあります。富士山噴火の影響なのか、神社に必ずある杜が無く殺伐とした風景で、2400年も前から山岳修行の地となっておりました。私が初めて呼ばれたのは大学一年生の冬休みに箱根神社でアルバイトをした際に、どう言う訳なのか1人だけ元宮の出張勤務に呼ばれた時でした。
 大晦日の夜にロープウェイで山頂に移動し、日出の早朝まで元宮で仮眠を取り、朝になると素晴らしい初日の出を拝むことが出来ました。その時には、天之御中主神の名前さえぞ知りませんでした。
 その後も箱根神社は度々訪れることがありましたが、それから30年後に久しぶりに元宮を訪れる機会がありました。どういう訳なのか宮司さんに捕まってしまい1時間半くらい話こむ事になり、なかなか帰して貰え無かったのです。何とも不思議なご縁を感じながらも、また捕まりたく無いと言う気持ちも有り、その後は箱根神社には行っても駒ヶ岳迄足を伸ばすことが無くなってしまいました。
 ところが、今回のウィルス問題もあり、今更ながら天之御中主神の重要性が強くなって来たことを感じる毎日となりました。箱根神社元宮の祭神についても諸説があるので、本当のところを逆に宮司さんにしっかりと伺ってみたい気持ちになりました。現在はロープウェイも休業中のようなのですが、もし規制が解除になったなら真っ先に訪れて、「天之御中主様(アメノミナカヌシサマ)お助けいただきまして ありがとうございます。」と申し上げたいと思うのです。
『世界の中心で、愛をさけぶ』と言うタイトルで片山恭一氏の青春恋愛小説が有りました。2004年には映画化されて話題となりました。その時にも私には世界の中心って何処なのか?が思い当たらずに、それは私にとっての永遠の謎かと思われたのでした。
 それは私がかつて観たことがある、ニューヨークマンハッタン五番街の摩天楼ペントハウスから見下ろす風景でも無く、標高3千メートル超ロッキー山脈の頂から見下ろす風景でも無く、ジュネーブのレマン湖を見渡す風景でも無く、東京スカイツリーの展望台から東京の街並みを見下ろす風景からも世界の中心は感じられませんでした。
しかしながら、今から思い出してみると、当時は実感こそありませんでしたか、駒ヶ岳山頂から観る日出や富士山を見渡す風景は、ひょっとするとすると世界の中心だったのかもしれません。

 皆さんも是非、駒ヶ岳山頂からの素晴らしい世界を一度自分の眼で確かめて観てください。

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