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第一章の13◎「生命の樹」が息づく国


「生命の樹」とは、旧約聖書の『創世記』に登場する、エデンの園の中央に植えられた木のことなのです。
カバラ哲学の根幹と構造を象徴する木であり、命の木とも訳されます。
そして生命の樹の実を食べると、神に等しき永遠の命を得るとされているのです。
私は、世界の宗教や思想が全てここから始まったのだとの理解をしています。
そして、日本の哲学、文化、建築、習慣等も、知らないうちに「生命の樹」の哲学をもってデザインされて来ていたのだと考えます。
 聖書のエゼキエル書37章15から23には「ユダの木にエフライムが接ぎ木する生命の木」の話が載っています。そこには、ユダ族とエフライム族と他のイスラエル族が一致団結し、やがて人類が再生されるような暗示が述べられているのです。
 七世紀の聖徳太子の飛鳥時代には、日本はシルクロードの終点と位置付けられており、東欧州、中東から日本までがシルクロードを経由し繋がっていたのです。
そしてDNA分析でもはっきり分かるように、日本は先住民の縄文人をベースに、ユーラシア大陸からの渡来人との混血でなりたっている民族なのです。
大きく3つのY遺伝子D、O1、O2のY染色体で成り立っています。
Y遺伝子は男性だけが引き継ぐ遺伝子ですから、日本人の男性はその他を加えて大きく4タイプに分けられるのです。
もしこの4タイプを正確に分析できれば、日本の歴史及び日本人のルーツの答えが極めて正確に解明出来ると信じており、今後のDNAの研究に強い期待ができると期待をしているのです。
まずD型遺伝子は、先住民の縄文人に加え、日本から東欧州、中東へ移民し、再び日本に戻って来た渡来人だと推測されます。同じD型の遺伝子を持つチベット人は、日本に戻って来れなかった民族なのかもしれません。
詳細は今後のDNA研究で明らかとする事が期待されるのですが、おそらく新羅秦氏系がこの遺伝子を持っていたのではないかと推測されるのです。
O2遺伝子は中国からの古漢族が直接、もしくは「呉越同舟」で有名な中国の呉や越民族が、直接もしくは朝鮮半島を経て日本に渡って来たようなのです。
 彼らは、稲作を日本に本格的に伝えた弥生人で、おそらく百済物部氏系がこの遺伝子ではないかと推測されるのです。どういう訳なのか、O2の遺伝子の持ち主たちは、混血を嫌がりO2遺伝子を守り続けたように遺伝子研究者側からは見えるようなのです。その理由を解明する為の、この先の研究結果も楽しみになります。
O1遺伝子は、南方や朝鮮半島からのツングース系混血の渡来人であった可能性が強いのです。
 おそらく、金管伽耶藤原氏系がこの遺伝子ではないかと推測されるのです。
日本には、それらの民族が移住してきたのです。
 多くの移民があった事が歴史書や各地における伝承から分かっています。
主に秦氏系の渡来人が多いのですが、これらに加えてペルシャ系、漢民族系、北方女真族系の渡来人がいたのだと推測されます。
それらの人々は、同時にミトラ教、ゾロアスター教、仏教、道教等のさまざまな宗教や、文化、言語、文字を持ち込んだ事は間違いないのです。
 おそらく日本は、唐の影響を最も強く受け、また独自の宗教や文化、出自を隠すためにもあえて漢字、仏教を導入して行ったものと考えられます。それがカバラの奥義でもあるのです。
 日本の良い所は、良いモノを取り入れしっかりと伝承して行くことだから、人類全体が共有して来た古代の文化、宗教、伝統の大本が今の日本には力強く流れ続けているのです。
日本に渡来人が入ってきたであろう歴史の記録に注目してみると。
1)BC220年頃の徐福二度の来航   
3000人規模の移民
 秦の始皇帝から課せられた土木事業において、奴隷的な労務、焚書坑儒に耐えられずに脱出して来たと言われています。
2)西暦250年頃に神武天皇の渡来に同伴  
朝鮮半島南部から千人規模の移民
中国は戦闘激化、朝鮮半島南部の倭の内乱?
3)西暦370年頃の神功皇后もしくは応神天皇に同伴  数千人規模の移民
 朝鮮半島を平定した応神天皇のお供で、大規模の移民。
4)西暦475年頃の雄略天皇の時代  
1万8千人規模の移民
 騎馬民族エフタルに関係する雄略天皇が朝鮮半島を征し、日本に凱旋しました。
5)西暦530年頃の欽明天皇の時代  
3~4万人規模の大移民団
朝鮮半島を支配した欽明天皇と一緒に日本へ移動したか
6)西暦660年に白村江での敗北  
唐600人、百済1400人の侵入
敗戦に伴い、唐の命令で日本へ移住してきた。
百済人は述べ一万人に達する人数に上るとも言われています。
以上の歴史が日本の文化に残っているので、現在ユーラシア大陸に住む人々が、一度日本を訪れれば、日本に残るユーラシア大陸の文化と歴史や祖先の匂いを懐かしく感じることが出来る筈なのです。
 ですから日本を訪れて、それらの痕跡を是非発見して先祖の功績と歴史を懐かしんでもらいたいと切に願うのです。
 ところで、地球上には様々な生き物が存在していますが、改めて観察してみると植物ほど生命力を感じさせるものが他に無い事に気がつくのです。
 なぜなら、ほとんどの生物が10年程度から長くても100年で一生を終えるのに対して、樹木だけは何千年も生き続ける事が出来るからなのです。
 多くの寺社にあふれるエネルギーの一部は、樹木が生みだすモノなのです。千年を優に超える樹木が茂る神社においては、強烈なパワーが宿っている事を体全体、五感を通じて感じる事が出来るのです。
 だからこそ神社に参拝すると、千年を越えて維持され続けて来たエネルギーに満たされて、とても清々しい気持ちになれるのです。


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