【日記】運だけで生きてる男

演劇の高文連の大会で、最優秀賞いただきました。夏休みの終わり、約1週間ほどかけて書いた、人生初の50分目安の台本。それで、最優秀賞。演劇人生、わずか10年ですが、初タイトルとなりました。本当に、応援、助言、苦言いただいた方、全員に感謝したいです。

この快挙は、正直、私がどうのこうのしたということよりも今一緒にやっている演劇の仲間が素晴らしすぎるのです。ここでも、運だけで生きているなって感じです。ある程度の脚本があれば、この人たちは、勝手に最優秀賞をとったでしょう。むしろ、私がいたことによって、多少の遠回りをしたくらいで。

今の部長は、最高にリーダーシップがあります。顧問がいりません。努力もできる。頑張れる。そして、人を惹きつける魅力がある。素晴らしい人物です。もう1人の主役さんは、センスが抜群で、感覚的に演技するだけで人を魅了できる天才型の役者さん。これだけでも、運が馬鹿みたいにいいのに、脇を固める人たちも、抜群の舞台への嗅覚をもっていて、舞台のバランスを決して崩さずに助力する。

そして、何よりも、みんな演劇が好き。さらには、このメンバーでやれるっていうことが楽しくてしょうがないみたいなんです。これがすごく良い。とても良い。演劇は楽しくないと、良いモノができないという持論ですから。人の感情は伝染します。楽しい人がいたら、それを見ている人もなんとなく楽しくなってくる。全員が本気楽しんでるから、それがお客さんにも伝わったのだと思います。

ダイキャスを旗揚げしてから、楽しい演劇、面白い演劇、感動できる演劇を追究してきたつもりでした。時には、ダメ出しを受けて、凹むこともありましたが、全部全部糧にしてきたつもりです。あなたがやろうとしているのは、演劇ではないと痛烈な批判をもらったこともあります。でも、自分のやりたいことを貫きました。どんなことでも、それが好きであれば10年続けたら、いいことあるみたいです。本当に良かった。

初めて、ダイキャスの公演を高校生が見に来たときのこと。今でも鮮明に覚えています。上演中、ずっと何かを書いているのです。そして、終わってアンケート回収したら、両面にギッシリダメ出しの数々。「セリフは暗転中に言わない」「歌詞付きの曲を流すのはダメ」「場転の回数をもっと削って」「脚本はもっとセリフの数を絞ったほうがいい」などなど。おそらく、その高校生は自分が教わってきた演劇の知識を、片っ端から守っていない演劇に腹が立っていたのでしょう。高校演劇というのは、正解がある程度決まっているのだなぁ、とこのアンケート用紙を見ながら、考えてしまいました。

でも、私は今回の公演では、これらのダメ出しを全部無視して、公演を完遂させました。暗転中に喋りましたし、普通に歌手が歌っている曲を盛大に流しましたし、場転だらけでした。ただテンポと感情だけには相当こだわりました。お客さんに伝染するものだけに相当こだわりました。最高のこだわりは熱量です。カロリーと私は呼んでいますが、ドラマでも映画でも伝えられないモノ、その1つの答えはカロリーだと思って、演劇を続けています。生身の人が目の前で必死になってる。それだけお客さんは何か言葉にできないモノを感じ、ゾクゾクする。これが、演劇だけが持っている特権だと信じてやってきました。そして、最高の賞をもらって、やはり、演劇は楽しいモノであってもいいのだと、確信を得ることができました。ただ、初めて参加した高校演劇の大会で、「確かに1つの正解の形はある」と感じたのも事実です。それはまた別の機会に書くとしましょう。ただ、正解の1つの形であって、それが唯一の正解ではない、ということも今回わかりました。私は私なりの新しい答えを、これからも遊びながら見つけていきます。

とりあえず、本当にうれしい。起きて、また10月9日の朝だったらどうしよう。泣く。

ここまで演劇を続けてきて、ダイキャスのメンバー、ゆりいかのメンバー、そして今の仲間。その人たちに出会えたことが本当にうれしい。そして、本当に運がいい。

次に向けて、気持ちを切り替えたいが、今日はどうやら無理そうだ。寝て、起きて。それからだな、次のことは。

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