Zoomのリモート会議で美少女として参加する
ここにきて「Zoom」というリモート会議サービスが急速にシェアをのばしている。
私もこの機会に初めて触ったけれど、とてもよくできている。操作がだいぶスムーズでわかりやすい。
家のPCにウェブカメラがない
ただ個人的には少し問題がある。家のモニターにカメラがついていないため自分の顔を映し出せない。別に顔出しする必要はないのだが、自分だけアイコンで参加しているとなんとなく仲間外れ感がある。
スマホやタブレットのZoomアプリを使えば解決するが、家のPCがあるのにそれはあまりスマートな解決ではない気がする。慌ててWEBカメラを買おうとしたら、需要高騰にともない手頃なものは軒並み品薄状態だった。
LonelyScreenでタブレット→PCに
そこで、タブレット(iPad)のカメラで自分を映し出し、その映像そのものをPCに転送すればいいのではと考えた。
探してみたら「LonelyScreen」というWindowsソフトを使えば、iPhoneやiPadの映像をAirPlayで映し出せるらしい。iPadでやってみることにした。
接続は簡単で、まずPCのネット回線とiPadを同じWi-Fiにつなぐ。
そしたらiPadの画面ミラーリングから「LonelyScreen」が選べるようになるので、接続する。
無事、PC画面にiPadの画面を共有することができた。無料版はたまにアップグレードを勧める表示が出るがそんなに邪魔ではない。
仮想WebカメラでZoomにカメラを認識させる
しかしまだ問題がある。この映像をどうやってZoomに表示するかだ。
Zoomには映像を表示する機能が2種類ある。ひとつはカメラからの映像で、もうひとつは画面共有だ。LonelyScreenはカメラの映像として認識されないから、普通にやったら画面共有機能を使うしかない。
しかし、画面共有機能が少し厄介だ。これは本来、資料とかをみんなに見せるためのものだから、起動すると会議メンバー全員にそれが全画面表示される。これでiPadの自撮りを流すと、ものすごい自己顕示欲の強い奴みたいになってしまう。
そこで、仮想Webカメラという概念が登場する。
仮想Webカメラは、ソフトウェア上の処理で映像をWebカメラだと認識させる。これがあればLonelyScreenの映像をカメラで撮ったものとして、全画面表示させずに使えるはずだ。
つまり、
① iPad(iPhone)でなにかを映す
↓
② LonelyScreenでPCに表示する
↓
③ 仮想WebカメラソフトでLonelyScreenを表示する
↓
④ Zoomで仮想Webカメラソフトをカメラ映像として設定する
という4ステップだ。
仮想Webカメラソフトとして使えるソフトで一番有名かつ多機能なのは「OBS Studio」だ。「VirtualCam」という拡張機能を追加すればカメラとして認識される。
すでに用例もあるのだが、現在(2020/04/07)の時点で、OBS StudioとZoomの相性が悪くなっており、OBSをZoomが認識しない状態になっている。アップデートのせいなので、ダウングレードしてバージョンを下げればいけたりもするようだが、ちょっと不安なので別のソフトを使うことにする。時間が経てば解決するかもしれない。
(2020/04/09 追記)
ZoomとOBSのアップデートにより、OBSを仮想カメラ化してZoomに反映することができるようになりました。
今回は「ManyCam」というソフトを使った。機能豊富なバージョンは有料だが、基本的には無料で使える。
「App Window」という、ウィンドウを表示できる項目がある。これでLonelyScreenを選べばよい。
あとはZoomを起動して、カメラの一覧から「ManyCam Virtual Webcam」を選ぶだけだ。
これでPCにカメラがなくても、タブレットやスマホを介してZoomに映像を出すことが可能になった。
カスタムキャストを通してアバターで会議に参加する
しかし考えてみれば、せっかく手元のタブレットの画面を流せるのだから、カメラを通した映像をそのまま出す必要はないだろう。いま使っているアプリの画面ならなんでも出せるわけなので、たとえば「Snow」を使って顔を猫にした状態で会議に参加したり、いきなり10連ガチャを引いて挑発的にサボったりすることもできる。
せっかくなので私は「カスタムキャスト」というアプリを通じた自分で会議に参加することにした。
カスタムキャストはキャラメイクで生成したキャラをアバターとして使った配信などができるアプリだ。
カスタムキャストはリアルタイムで頭や表情の変化を読み取って同じ動きを返してくれる。これを通せば、成人男性がビートたけしの動きのマネをしても愛嬌のある感じになる。
これで21世紀的なリモート会議が実現した。
特に断りもなくセーラー服を着て会社の重要な会議に参加したが、特に支障はないまま進行することができた。また、心理的なソーシャルディスタンスが無言のうちに生まれているのを感じたので、公共的な意味も大きい。のちのち飲み会などに誘われる機会が減れば、そのぶんリスク軽減に繋がるからだ。
みんなも許可なく好きなアバターを着てZoomの会議に乗りこんでみてはどうだろうか。
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