【自己紹介】会社を辞めて起業した僕が、ホームページ制作で売上200万円に到達するまで
はじめまして、株式会社connect 代表の清野大輔(せいのだいすけ)と申します。2016年に会社を立ち上げ、現在、企業の工場システムの受託開発や、AR・VR・MR・AI技術を使用したシステム開発を行っています。
今でこそ幅広い案件をいただいていますが、独立したての頃は、「ホームページ制作」というとてもシンプルな仕事から始まりました。
これまで、発信下手でほとんどSNSなどをやってこなかった僕ですが、
会社でやっている事業をわかりやすくして発信したい
役に立つ面白いシステムを世の中に知ってほしい
という気持ちがあり、月に1回ほどnoteを更新していくことにしました。
今回は、はじめてのnoteということで、僕が起業に至るまでの話を書いていきたいと思います!
■会社員時代
大手ゼネコンへの技術提案営業・PM
会社員の頃は、工事現場で使う測量機器レンタルの会社で、機械とソフトウェアを組み合わせてシステム化し、現場に導入する仕事をしていました。
12年間勤めていて、工事現場への技術提案は300件以上行いました。
大手ゼネコンに「この現場ならこんなシステムが使えます」というようなプレゼンをして数千万円の案件を受注してくれることもあり、やりがいは感じていましたが、労働環境は決していいとは言えませんでした。
後先考えず退職届を提出
週の半分は出張で、朝3時〜4時に現場に行くのは当たり前、年数を重ねるにつれ責任と仕事量は増える一方、しかし営業成績をいくら上げても給料は上がらない。
過酷な環境に、ある時突然心身ともに限界に達し、後先をまったく考えずに退職届を出しました。
■退職後
独学でのサイト制作に限界を感じる
会社をやめて、とりあえずアフィリエイトをやってみようと、独学でサイトづくりを始めました。
自社のホームページや動画投稿サイトを自分でつくろうと試行錯誤していたのですが、調べても単語すらわからず、知識の限界を感じました。
スクールを探し始める
自分が全部作れなくてもできる人にお願いすればいい、とも考えていましたが、とはいえ自分に知識がないと、お願いもできないし、クライアントに対して何をヒアリングしていいのかわからない。
自分でもホームページくらいは作れるようになろうと思って、オンラインスクールを探し始めました。
これは通っていくうちに思ったことですが、土木や建築業界のシステムだけだと、関わる人がすごく限られてしまうため、独立した後に幅広い業界に関わっていくには、みんなが親しみやすいコンテンツを作れるようにならないといけないな、という気持ちもありました。
■スクールで学ぶ
オンラインスクールに入会
検索してスクールを見つけ、半年間のコースを受講しました。
基本的に週1回のマンツーマンレッスンがあって、次週までの宿題が出る繰り返しです。
まずは直接ユーザーの目に触れるフロントエンドから。
HTML、CSS、Pythonの基礎、環境構築などを学びました。
3ヶ月位学んだ時点で、もともとやろうとしていた動画サイトをつくるのは非現実的なのがわかったので諦めることにして、今後使いまわせそうなコードを学ぶ方針に切り替えました。
余談:スクールの講師を2回も変えてもらった話
オンラインスクールあるあるなのかもしれませんが「講師と合う合わない問題」があり、3人の先生と関わることになったのが印象的なので書いておきます。
【先生1人目】若くて感じがいい先生
カリキュラムを組んでくれた方です。はじめは問題なかったのですが、3週目くらいでレッスンに遅刻してきて、「画面オフでいいですか?」と聞かれたのでいいですよ、と続けると、ファミマのドアが開く音が聞こえました。
完全にレッスン忘れててコンビニいるやん!ということで、先生の変更を依頼しました。
【先生2人目】親身になってくれて知識もある先生
いろいろな知識を教えてくれる方だったのですが、話がいつも長くなってしまう人で、普通のレッスンは90分くらいのところ、最長で4時間やったこともありました。
ありがたいのですが、雑談が多くて本題がすすまない。
1ヶ月ほど我慢しましたが耐えきれず、変えてもらいました。
【3人目】優秀で端的に教えてくれる先生
最後は大手企業でエンジニアをやっていた方で、このAPIがあれば今後も使い回せますよ、といろんな便利機能を吸収させてくれました。「自分で書いたら時間がかかるし外注に頼んだらお金がかかるので、この場で実装できるコードが欲しい」と正直に伝えて、その人から3〜4つコードを吸収させてもらえました。
学ぶのにかかった費用
スクールにかかった費用は67万8000円でした。
スクールレッスンだけではわからない部分を噛み砕いて知りたいことを調べるための補助教材代(プロゲート、ユーデミーなど)、ココナラで環境構築頼んだ費用等は別途かかりました。
■スクール卒業後
リスティング広告を打つ
スクールを卒業しても、待っているだけでは仕事はこないので、仕事獲得のためにリスティング広告を打ちました。
ネットで広告運用会社を見つけて、安いキャンペーンをやっていたのでそこにお願いすることにしました。
広告の初期設定にかかった費用
そのときにかかった費用は、
アカウント設定費用 5万円
月間広告費用 5万円
でした。なんと、この価格でLP制作もやってもらえて、しかもYahooの広告費用10万円分プレゼントという破格でした。
(現在はそのキャンペーンは終了していると思います)
最初に出した広告は、「会社のホームページを1ページ5万円でつくります!」という内容です。
はじめての依頼は「被害者の会」のホームページ
2020年3月。
リスティング広告を数ヶ月回した頃、はじめての依頼がありました。
一発目からヘビーな案件で、とある企業の「被害者の会」のサイトをつくりたい、ということでした。
数多くのリストラ被害者がいたのにトラブルが力でねじ伏せられて裁判になったりもしていて、裁判記録を公開したいとのこと。
すごく変わった人で、打ち合わせしていてもキレていました。
思いはわかったけど、僕にキレてもしょうがないので……と毎回なだめながら打ち合わせしていました。
サーバーはあるとのことで、デザイン・コーディングだけの案件となりました。裁判記録のpdfを埋め込んだり、名前をモザイク加工したり。
ページ数が結構あったので、最終的には税抜12万1000円をいただき、無事納品しました。(下層ページは1ページ1万円以下など、安くしていました)
広告からホームページの依頼が続々と
数カ月後、また広告から問い合わせ。
今度は一般的なのコーポレートサイトの依頼でした。
その後もちょこちょこと依頼が入り、退職代行をこれから始めます、という個人事業主の方や、生花教室の先生のサイトなど、合計7件依頼がありました。
広告費用と売上
ここまでで、リスティング広告にかけた費用は総額19万円ほどです。
売上は合計57万円。
(そこから外注費を払っているので全部利益ではありません)
広告を回し続けても利益が減るので、回すのをやめました。
しばらく問い合わせがないときは、納品したお客さんからの修正依頼に対応していました。
■つながりでお仕事をいただくように
会社員時代にお付き合いがあったゼネコンさんから、「各工事現場ごとにホームページをつくりたい」という依頼をいただいたこともありました。
退職後にも一時期だけ高知県の現場をお手伝いしていて、ホームページ作れますがどうですか?と聞いてみたら、「ちょうどつくりたいと思っている」とのこと。
「ただでやります!」と土日休みの2日間で作成して持っていくと、「いいじゃん!」と言っていただけて、その型を使って別の現場も制作するという流れでした。
3件の現場のホームページを作成し、税込43万円をいただきました。
友人の旅館のホームページ
友人が補助金でホームページを改修したいということで依頼をいただき、約36万円で制作しました。
広告を回したときに出会ったお客様
はじめは広告で依頼されたお客様から、その後何度もリピートして依頼をいただきました。
その方はいろいろな事業をやっていて、そのうちのひとつのホームページを任せてくださったり、ほかにコンサルしている会社のホームページも3〜4つ依頼してくださりと、この方の依頼をすべて合わせて約150万円の売上となりました。
このあたりで、ホームページ制作だけで、2年間で合計200万円以上の売上に到達しました。
■技術があるだけでは、仕事は来ない
ここまでいろいろと体験を書いてきましたが、これから独立を目指す方に伝えたいのは、ただ単に「エンジニア」の動き方だけでは仕事はいただけなかったということです。
「提案」が前提
会社員時代に営業・PMとして働いたからこそ、「制作する」だけでなく、お客様に「提案する」ということが前提で動けたのは大きかったと思います。
他社と「差別化」する無償のサービス
加えて、お客様にメリットになることをやらないと受注できないという前提をもとに、他社との差別化を考えていきました。
どうやって差別化したかというと、広告を打っていたときからずっと、お見積に「無償サービス」をつけていました。
1ページ5万円のホームページ制作費用として、デザイン、コーディング、内部SEO、レスポンシブなど。
その他の無償サービスで、サーバー・ドメインの取り方、SSL化、SEOアドバイスをつけました。
いろんな方と話す中で、自分でサーバーを持っていない人がほとんどでした。他社に任せっきりのせいでサーバーの場所がわからない人もたくさんいました。
しかし、仮にサーバーを提供している会社が潰れたらIDもパスワードもわからず、ホームページは使えなくなってしまいます。
それなら、こっちでレクチャーしてあげよう!と思いました。
だいたいの会社は保守代金で月に5000円〜1万円払っています。そこを、教えながら自分でサーバー契約してもらって、月1000円で済むようにしてあげて、もしうちの会社にが何かあっても、この情報があれば引き継げる、という状態までレクチャーしました。
多くの場合、追加で注文をくださる方は、ここのサービスの良さを評価してくれて、リピートで連絡してくださっています。
始めは広告でもOK、その後リピートしてもらえる関係づくり
ホームページをつくれる会社は、世に数え切れないほどあります。
まずは知ってもらわないといけないので、破格で広告を出し、そのあと、リピートや紹介で仕事をもらえるように関係づくりをしました。
内部SEOくらいはコーダーが整えれば済む話なのですが、やらない会社はたくさんあります。
こういった細かいところでの差別化や、自分ができることをしていかないと、確実に他社に取られてしまいます。
こうした流れで、約2年間で売上200万円を達成することができました。
外注先を活用
加えて、うちの会社には社員がおらず固定費がないため、利益率を保つことができています。
自分だけでは忙しすぎるので、デザインもコーディングも、できる人にお願いしていました。
スクールに通っていたときから、ココナラ、ランサーズなどを使って個人とマッチングして相見積もりをとり、試しに頼んでみたり……を繰り返していました。
企業に委託すると、経費ものってくるため30万円〜50万円とる会社もあるなかで、デザインができる人を自分で探してみると、LP1枚15000円〜3万円で募集している人がたくさんいます。
コーディングも、レスポンシプ対応で1ページ2万円ほどで頼める方もいます。
しかし、頼んでみないことには、仕事の質は完全にはわかりません。
デザイナーさんもコーダーさんも今まで4〜5人ほどへ依頼してみて、安定して依頼できる方々をみつけました。ちゃんと仕事してくれる方で、いまではその方々がいないと成り立たないほどお世話になっています。
■現在の仕事
システム開発
現在は、引き続きホームページやLP制作も請けてはいますが、割合としてはそこまで多くなく、10%にも満たないです。
工場で使うシステムなど、ホームページ以外のシステム開発は、ほぼ前職でつながったお客さんからいただきました。
もし、いま会社員で独立を考えるなら、独立してもいまのお客さんがついてくれるような生活態度をとるのも必要だと思います。
その他には、ものづくり補助金でアプリを作ったり、銀行からお金を借りたりもしていたので、千葉県のホームページか地方誌の「頑張っている企業」コーナーにたまたま掲載されていたようで、地元企業に大きな案件をいただけた、というラッキーな話もあります。
エンジニア育成
エンジニア時代の経験を活かして、一社だけですが、エンジニア育成の仕事もしています。
プログラミングスクールに通っても、実践レベルのことはあまり教えてくれないし、卒業してすぐに受注できるわけでもありません。
そういった実践部分のフォローをしたり、会社目線で考えて「若手がここまで育ってくれればECサイトもつくれる」など、どこまで社員に育ってほしいのか、会社に必要なスキルを打ち合わせして、そのゴールを目指した育成をしています。
AR
企業のプレゼンで使うVRシステムや、ARを活用したイベントのフォトスポットの開発もしています。
こういった案件は、ビジネス交流会に所属することでいただきました。(交流会に年会費は払っています)
結局は、いろんな人と会って行かないと仕事は広がっていかないし、営業マンを入れるにしてもお金がかかるので、継続的な関係ができる交流会であれば所属するのは有効かと思います。
読んでいただきありがとうございました!
長くなりましたが、僕が会社を辞めてスクールに通ってから、さまざまなお仕事をいただけるようになった今までのお話を書いてみました。
もしこれからエンジニアとして独立したい、起業したい、法人を立ち上げたいという方の参考になりましたら嬉しいです。
株式会社connect 代表
清野大輔
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?