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2023年5月締め請求書のお手紙

私たちデザインモリコネクションは、陶磁器デザイナー・森正洋さんのデザインした製品の卸売を主な活動としていて、毎月、お取り扱いいただくショップのみなさまへ請求書をお送りしています。
ふと思い立って、2021年9月分から、請求書を発送する際、お手紙を同封するようにしました。その時々に思ったことなどを書いています。何を書いたか保管しておく意味もあり、noteに置いておきます。
請求書をデジタル化した方がいいんだろうけど、その場合、こういうお手紙をどういう形でつけたら良いのか、悩ましいところ。


いつもありがとうございます。
2023年5月末締めの請求書をお送りいたします。

先日、以前にもこのお手紙(2022年9月)で書いた「近所のおばちゃん」から電話がありました。昨日から背中がとても痛くて病院に行きたいからタクシーを呼んで欲しいとのこと。同居する娘さんもいるのですが、ちょっと遠くで仕事中のため、すぐには来られないようで、私に電話をしてくれたようでした。とりあえず、娘さんに連絡した後、私の車で病院に向かい、救急の診察室へ。少し問診して、ベッドで横になりながら娘さんの到着を待つとのことで、私はおばちゃんにひと声かけて帰りました。後から娘さんに聞いたところによると、圧迫骨折をしていたようで、それは痛かっただろうと思います。

病院での、医師・看護師とおばちゃんとのやりとりを見ていて気になったことがあって、なんというか、おばちゃんを「背中の痛い人」ではなく「人の背中の痛み」みたいに見ている感じがしました。「人」ではなく「痛み」という現象として見ているというか。どんどんやってくる患者を仕事として治療しないといけないですし、ひとりの人間同士として応対するのはどうしても負荷がかかるので、しょうがないのかもしれませんが、なんとなくひっかかりました。

普段から関わりのある、家庭医、かかりつけ医あるいはコミュニティソーシャルワーカーみたいな人が近くにいて、なにか異変があればその人にまず相談し、必要であれば専門医へ、という形ができていれば、人間全体を見る医療・ケアができるのかもしれません。「あれ、○○さん、どうした?」「背中が痛い?転んだりした?内科か整形外科か、どちらだろう・・、娘さんはいま仕事かな?」というような、やりとりがあるだけで、「背中の痛い人」としてのおばちゃんの安心感も違ってくるのかなと想像します。

なんでも相談できる専門職の人たちが近所にいるということでいえば「暮らしの保健室」を思い出します。秋山正子さんという訪問介護をされている人から始まった活動で、サイトによれば「地域の人たちが気軽に相談でき、適切な情報や必要な社会資源と早期に繋がることができるような場」とのこと。

実は私は、認知症の症状があった祖母のケアをきっかけに「精神保健福祉士」というソーシャルワーカーの国家資格を10年くらい前に取得していて、「暮らしの保健室」みたいなこともできたら良いなと思っています。いまはデザインモリコネクションの業務で忙しいのですが、持っている大量の本と資格を活用して「地域の図書室」「暮らしの保健室」みたいな活動をしてみたいですね。

2023.5.31

デザインモリコネクション有限会社
小田寛一郎

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