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よなよな26 顔

ばな子

全てが出る

「ラスト・シャーマン」観ました。
冗談のように悪い悪シャーマンの顔。すごく中途半端なちょっとだけできる白人シャーマン。そして真のシャーマン。
いいシャーマン、悪いシャーマン、普通のシャーマン!
欽ドンか(古いか! 笑)!
たしか、最後に出てくる、これから文明化の波に洗われて欲でもめはじめそうなシピポ族のところを、「陸海空」でナスDが訪ねていました。そしてうんと仲良くなっていた。きっと映画に出てくるとおりのいいところなんだと思う。シャーマンにも観てもらっていたなあ。知らなかったら、ググってみてね。今なら無料で全部観ることができるはず。TV業界という恐ろしい世界の真っ只中に、あんなすごい人がいるなんてと思ったけれど、それ以上に、リアルタイムで観ているときに、ナスDのあまりのすごさに、観ている人たちの書き込むコメントがだんだん元気いっぱいになってきて、特に子どもたちがどんどん明るくなっていくのが印象的でした。
そしてナスDも変わっていくアマゾンをあの青年と同じように嘆いていました。
いいシャーマンが現世で幸せになれるとも限らないのが、この現代社会の仕組みの苦手なところです。彼はやはり自然の中にいてほしい。でも都会で働くことを余儀なくされていて、故郷には戻れない。植物たちも悲しんでいるだろうし、長い目で見たらきっと帳尻は合うのでしょう。そう、自然が勝つのです。人間なんてこの世からいなくなってしまうのかもしれません。
「ザ・ファウンダー」というマクドナルドの映画も観たのですが、全く同じ気持ちになりました。とてもいい顔のマクドナルド兄弟が考え抜いて小さく築いたものを、全米展開したのは今のファウンダーとされている人。法律をうまく利用し、搾取し、質を落として薄めて展開する。必ず不動産業とそこはセットになっている。こうやって大きくなった文明社会の中に、私たちはいるんですね。恩恵も受けながら。
普通、映画に出てくる役者さんたちって誇張されていて、マイケル・キートンのほうが悪顔で、実際のマクドナルド兄弟だってもっと狡い感じかと思いきや、最後にほんものたちの顔が出てきて、ギャフンとなりました。だって、本物のほうがよっぽど怖い顔なんですもの。そして本物のマクドナルド兄弟は素朴なんですもの(二度とマクドナルドという名前を使ってお店ができなくなったけど)。

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