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「違うこと」はやっぱりしないこと

✳︎今日のひとこと

気ままに文章を書いて、それで食べていけるなんてすごいね〜、うらやましい、とたまにほんとうにのんきな人に言われるのですが、こんなにきつい仕事もなかなかないんですよ、24時間自己と向き合い続けて、小さな違和感に気づき続けて、しかも休憩時間はなし。
現実的にも、1年かけて全てをしぼりだした結果が100万ちょいだもん、と思います。
もちろんきついのはお金のことよりずっと、自己と向き合うほうなんですけれど。
あれだけ向き合って、これしか書けないなんて、と毎回絶望するんですけれど、かたつむりくらいの歩みで、ゆっくり進歩しているのです。
先日、とある人と飲んでいたら、「もちろん全部のお仕事を全力投球してないのはわかります」って言われたんだけれど、そう思わせるように書くっていうのも、テクニックのうちなんですよね。だって、本を一切読まない人に向けた広告のコラムと、小説とを同じ文体で書いていたら、ダメですもん。初級向けの文体にしてあるんだけれど、それをちゃんと騙されてくれてるってことは(?)、自分のテクニックがちゃんとしてるということです。日々、そういうところで自己と闘ったり、力を抜いているように見せたり。武士のような毎日ですが、それは楽しいのです。
むしろ小説のほうがつたない文体だったりするときは、主人公が子どもだったり。

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吉本ばななです。やがて書籍になるときにはカットされる記事も含めています。どくだみちゃんは散文、ふしばなはブログ風です。コメントはオフですが…