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【ARI】年内2件のトレードをまとめる #ガラガラヘビの喉の奥【あり担①④】

年の瀬の忙しい時間、少々貸していただいてよろしいでしょうか。

2022年シーズン振り返りもロクにせぬまま、オフシーズン、そして年明けへと進んでおります。
年内にまとめたトレード2件を振り返っていきましょう。

11/18 Hummel⇔Lewisのトレード


Cooper Hummel

21年7月のトレードにてMILより獲得した選手。
ポジションが外野と捕手ということで後述のDalton Varshoと役割がダブっていました。
28歳という全盛期を迎える年齢で役割が被ってしまい出場機会が減ってしまうのなら、求められるチームへ移籍して試合に出ることが選手にとって何よりの幸せ。
卓越した選球眼と捕手&外野のユニークなポジション適正でチームにとって役に立つ選手となるでしょう。

顔がめちゃくちゃ似てるMitch Hanigerとは、ドラフト指名MIL、トレードでARIへ、その後SEAへ移籍と球歴も全く一緒。
(Hanigerはその後SFへ移籍)


Kyle Lewis

獲得したのは20年新人王のKyle Lewis。外野手で右打ち。
この右打ちというのが今のARIにとって非常に価値が高いです。なぜなら40人ロースターに登録されている外野手が全員左打者だから。

高い身体能力は折り紙付きですが、欠点は怪我の多さ。20年の新人王受賞後は2年間でわずか54試合の出場にとどまっています。
Lewisのパフォーマンスを最大限に発揮させるため、豊富に抱える外野手候補たちを総合的にうまく併用と休養を使いつつ…というところでしょうか。




Corbin Carroll、Alek Thomas、Daulton Varsho、Jake McCarthy

に加え、先のトレードで獲得したKyle Lewis
若くて優秀な外野手を5人も抱えることになったので、この後の展開として彼らを放出するトレードを計画していると言われていました。
Corbin Carrollはトッププロスペクトなのでアンタッチャブルとして、
手軽に済ますならJake McCarthy、大きな見返りを求めるならDaulton Varsho、この2人の中間Alek Thomasという位置付け。

「トレードするぞするぞ」「トレードしそうしそう」な雰囲気でなかなか成立がしなかったので、足元みられて安売りするくらいならDHも含めた4ポジを5人で回すスタイルでも問題なし、と感じていました。

新人王候補として来季ポジションを与えられるであろうCorbin Carrollは試合経験を積まなければならない年齢の2020年がコロナの影響でマイナーリーグ全休。一年間でたくさんの試合に出る経験がなく、来季レギュラー格として通年体力が持つかどうか未知数。同い年のThomasもそう。
McCartyは彼ら2人とは違い期待値が高かった訳では無く今年が出来過ぎ感あり、Varshoは捕手との二刀流で162試合使うのは体力的に酷。Lewisは怪我が多い。
それぞれの置かれてきた環境や能力を総合的に判断すると休養を入れつつ4ポジを5人で回すでも良いのではないかと考えていた時期もありました。
これで不利益を被るのはFantasy Baseballerだけで結構。リアルと幻想は別物なのです。

12/24 Varsho⇔Moreno Gurriel Jr.のトレード

Daulton Varsho


結果として、選ばれたのはDaulton Varsho。捕手と外野手をこなした異質な二刀流。
Fantasy Baseballでは150試合以上の出場と20本のHRと10個のSBを計算できる稀有な捕手として識者の間で有名でした。
21年の後半戦でAVG.290 OBP.349 SLG.530 OPS.879と覚醒の兆しを見せるとその勢いそのままに22年は151試合で27HR/16SBとパワー&スピードのスキルセットを遺憾なく発揮。
「守備に誇りを持っている」と自ら語るよう、彼の一番の長所は守備力で、今季のUZRは18.8、MLBで1位。DRSは19、MLBで1位。RngRは14.1、MLBでダントツ1位
22年ARIのCarroll Thomas Varshoの外野陣も鉄壁の要塞を築きましたがKiermaier Springerと組む外野陣も高い守備力を誇りそう。



Ultimate Zone Rating
Defensive Runs Saved

range runs 打球処理による貢献
グラウンドのどのゾーンの打球をどれだけアウトにしたか、守備範囲(range)の広さを表す


そんな選手を放出したわけですから、チームには大きな出血が伴いました。Zac Gallenはこのトレードに対し「見つけ始めたチームのアイデンティ(優れた守備力+ベースランニング)の中心にいたVarshoの放出は非常にタフな出来事」とコメント。だがしかし、チームの変革には決断をしなければいけません。

そしてその決断を下したヘイゼンGMは以下のように語りました。

I think there’s a respect and understanding of the situation we were in relative to our division and what we may need to do and the risks we need to take and the bets we need to make to put the best team on the field in aggregate.
私たちのディビジョンに関連した状況、私たちが何をする必要があるのか​​ 、リスクを取る必要があるのか​​ 、全体として最高のチームをフィールドに配置するために必要な賭けについて、理解があると思います

https://www.azcentral.com/story/sports/mlb/diamondbacks/2022/12/24/arizona-diamondbacks-lose-part-of-identity-in-daulton-varsho-trade/69755372007/

やはり目線はもう少し先を見据えており、このオフに連発した10年規模のメガディールに影響されることなく地に足を付けて着々とチームつくりを進めています。


Gabriel Moreno

中長期的な計画の下、獲得したのはGabriel Moreno
今季メジャーデビュー済みのトッププロスペクト。25試合の出場ながらOPS.733を記録。
2021年にAVG.367 OBP.434 SLG.626 OPS1.060と豪打爆発で評価爆上げしたプロスペクト。かつては将来像をSalvador Perezと比較する媒体もありましたが、14BB/25SOを記録しアプローチの良さを示し、2022年はMLBレベルでも高いコンタクト能力を見せました。

まだ22歳と若いため、そして守備面でも評価が高く、今後長くホームを守ってくれるでしょう。
傘下にめぼしいプロスペクトがいなかったチーム状況、Carson Kellyに続く2番手不在問題、そもそもKellyにも正捕手らしい存在感が見られないの捕手三重苦問題を一発で解消しうるGabriel Morenoには大きな期待がかかります。

Lourdes Gurriel Jr.

ユリエスキ・グリエルのバーターとして横浜DeNAに一瞬だけ在籍。
TORでは20年からレギュラー格として活躍し、その3年間すべてOPS+で100オーバーを記録。
これまたいまのARIには貴重な右打ちの外野手でプロスペクトのCarroll  Thomasのサポートをしつつ、出場機会を分配する起用法が見込まれそう。

一年間を振り返って


今年のチームを振り返ってみると、内容は非常に充実したものでした。
Zac Gallen、Merrill Kellyの2本柱確立
・K/BBの鬼と化したJoe Mantiplyオールスター
Dalton Varsho、Josh Rojasシーズン完走
・鯖真っ赤ながら低BABIP+GG賞のChristian Walker
Corbin Caroll、Alek Thomas、Jake McCarthyのプロスペクト組の躍動

なお勝敗は74勝88敗.457の地区4位。来年はチームの成績が伴ってくるといいですなぁ

へび

それでは皆様よいお年を!
2023年の干支は🐍です!嘘

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