D3 LLC | D3バイオヘルスケアファンド

バイオヘルスケアに特化したベンチャーキャピタルです サイエンスxビジネス双方のエッジを…

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バイオヘルスケアに特化したベンチャーキャピタルです サイエンスxビジネス双方のエッジを持つグローバルスタンダードなプロフェッショナルによるハンズオン支援を提供 日本発で、世界の医療健康への貢献を志します https://www.d3growth.com/

最近の記事

ファクトベースで読み解くドラッグ・ロス

こんにちは、D3 LLC ベンチャーパートナーの長谷部です。今回はいつもと視点を変えて臨床開発、ドラッグ・ラグについての話題です。 2000年代のドラッグ・ラグといえば、日本の当局の審査期間が長いことが原因で話題にとりあげられることが多かったですが、PMDA近藤理事長のリーダーシップのもと、2006年には2.4年だったラグは2016年には1.0年にまで短縮され、一時期紙面からは消えていました。 しかしながら、近年、ドラッグ・ラグに加えドラッグ・ロスという言葉が改めて紙面を

    • 世界に貢献する日本発創薬へのヒント2/2-独ATAI Life Sciences

      こんにちは。D3LLCの永田です。 前回話題にした、「千葉大生まれNY育ちのR-ケタミン」。日本の研究の可能性と、米(独)ベンチャーのビジネスのうまさ、見せつけられました。 2018年に千葉大からR-ケタミンのライセンスを受けたPerception Neurosceincesは、2018年創業のドイツのATAI Life Sciences(以下、ATAI社)に買収されており、そのATAI Life Sciencesは、2021年に、2,000億円以上の時価総額で200億円

      • 世界に貢献する日本発創薬へのヒント1/2-「千葉大生まれNY育ちのR-ケタミンさん(既に百億円プレイヤー)」

        こんにちは。D3LLCの永田です。 日本発、世界の医療健康に貢献へ、を標榜する弊社ですが、出資先のサイアス社皆様の努力の結果、素晴らしい北米バイオVC様をリードに、21.3億円のシリーズB調達を実現致しました。京大CiRAの金子教授の世界最先端の研究とその可能性を信じ世界の患者さんに一日も早く可能性を届けたいという強い覚悟をもった経営陣の胆力の賜物です。これまで弊社からは取締役を出させて頂いており、今回もフォローオン出資は致しましたが、今後は実績豊富な北米投資家チームにバト

        • 日本を抜いたか?韓国バイオテック・K-bio(アペンディクス:『Kバイオ投資指針書』が取り上げた20社の概要)

          1. メドファクト ー キム・ソンジン代表 TGF-β関連論文200、引用4200 ー ベクトソティプ TGF-β阻害剤。キートゥルーダーやグリベックとの併用療法 ー 胃がん、すい臓がんの創薬を狙う 2.ティウムバイオ ー SKケミカル新薬開発部署のスピンオフ ー キム・フンテク代表は1990年から新薬開発に従事。血友病治療剤アップスティーラーを導出経験あり ー Phase 2までやって導出を狙う戦略 ー TU2218  肺線維症 導出済み 7400万ドル ー TU2670

        ファクトベースで読み解くドラッグ・ロス

          日本を抜いたか?韓国バイオテック・K-bio [後編]

          D3LLCベンチャーパートナー(中国担当)の鈴木です。 マクロ環境を概説した前編に続き、今回は、Kバイオ主要プレイヤーを個社別に見るくことにより、Kバイオ勃興の背景を探ろうと思います。 5.注目される個社 Kバイオの中で特に注目すべき企業は、財閥系のサムソンバイオロジクスとSK傘下の各社の中のSKバイオファーマとSKバイオサイエンス、新興系のシージェンとセルトリオンである。この5社で、創薬だけでなくCMO、ワクチン製造、診断、バイオシミラーなど幅広い分野の代表企業をカバー

          日本を抜いたか?韓国バイオテック・K-bio [後編]

          日本を抜いたか?韓国バイオテック・K-bio [前編]

          D3LLCベンチャーパートナー(中国担当)の鈴木です。 中国の目覚ましい成長があり、アジアバイオテックの存在感は日に日に増しています。中国に目を奪われがちですが、同時に、韓国・台湾などのバイオテックの成長も著しいです。特に韓国市場(KOSDAQ)は、北米バイオテックが上場するなど、投資家のレベルの向上も示唆するようなニュースも飛び込みます。欧米型の、専門性・ハンズオン能力の高いヘルスケア特化型VCも生まれ、その背景も頷けます。この連載では、韓国バイオテック(Kバイオ)につい

          日本を抜いたか?韓国バイオテック・K-bio [前編]

          FAQ)普通株?優先株?:エコノミクスとガバナンス

          こんにちは。D3LLCの永田です。 今回は、極めて基礎的ではあるものの、意外にも原理原則が理解されておらず、特に初回VCファイナンスで悩むことが多いであろう、優先株式の考え方について解説します。 優先株に関する相談は多く受けます。 特に、周囲に気軽に相談ができる起業経験者や、立場的に”中立的な”投資家(VC)がいないことも多いバイオヘルスケア領域の研究者・起業家さんからは VCの言いなりになってしまった 契約した後から優先株内容の理解が追いついたとき「騙された」こと

          FAQ)普通株?優先株?:エコノミクスとガバナンス

          創薬)前臨床段階でのライセンスアウトディールマクロトレンド定量分析

          こんにちは。D3 LLC永田です。 グローバルでの創薬トレンドを議論する中で頻繁に話題になるテーマに「前臨床(プレクリ)段階での大手製薬への導出(ライセンスアウト)」があります。弊社の投資先でも、トップレベルのサイエンスを武器に、前臨床段階でも十分にグローバルメガファーマのお眼鏡に適うことを目指す、日本的には新しい姿勢の創薬ベンチャーもあります。 私が投資の世界に入った昔は、「前臨床段階でのライセンスアウトなんてありえない」「バイオベンチャーのバリューはFIH(ファースト・

          創薬)前臨床段階でのライセンスアウトディールマクロトレンド定量分析

          【告知】日本ビジネスモデル学会:テクノロジーを梃子とした新しい医療(9/30, 6pm~)

          こんにちは。D3 LLC永田です。今回は、イベント告知です。 永田も執行役員を務めるアカデミア学会の日本ビジネス学会主催で、「コロナ禍を乗り越えるテクノロジーを梃子とした新しい医療のあり方」と称して、データxアナリティクスで新しい医療を実現するツールの開発に挑むMICIN原社長と、医療介護現場の再生・成長を支援のみならず自ら経営するMEDIVA大石社長にご登壇頂きます。 新型コロナウイルスの流行に伴い、テクノロジーを梃子とした医療現場の革新への注目・期待が格段に進んでいま

          【告知】日本ビジネスモデル学会:テクノロジーを梃子とした新しい医療(9/30, 6pm~)

          【寄稿】CMV青木代表:ヘルスケア投資家の矜持を示す「インパクトレポート」

          こんにちは。D3 LLCの永田です。 今回は、ヘルスケア特化のVCで、業界の機微を踏まえたそのご活動に絶大な信頼を誇るキャピタルメディカベンチャーズ(CMV)の青木代表に寄稿を頂きました! 先日、青木さんがFacebookにCMV投資活動の「インパクトレポート」についての投稿をされ、ポストに大変感銘を受けました。是非とも弊社のnoteでも紹介させてほしいと、お忙しい中無理を申して、寄稿を頂きました!(ありがとうございます!) ヘルスケアのイノベーションに賭けるヘルスケア特化

          【寄稿】CMV青木代表:ヘルスケア投資家の矜持を示す「インパクトレポート」

          STATによるヘルスケアに投資するVCトップ10分析(後編:5~10位・総括)

          こんにちは。D3 LLC永田です。 前回に引き続き、STATによるヘルスケアに投資するVCのパフォーマンスランキングを見ていきましょう。今回は5位以下についてです。(具体的な分析や数値はSTATレポートを購入下さい:アフィリエイトではないですよ!) 5. The Column GroupThe Column Group は、2007年に起ち上げられ、リーマンショックを直撃した、ヘルスケア特化アーリーステージVCです: The Column Group (TCG) is

          STATによるヘルスケアに投資するVCトップ10分析(後編:5~10位・総括)

          STATによるヘルスケアに投資するVCトップ10分析(前編:1~4位)

          こんにちは。D3 LLCの永田です。 定評のある米国のヘルスケア特化メディアのSTATから、"Ranking biotech's top venture capital firms"とのレポートが発行されました(7/22)。ヘルスケアに限らずVCファンドの横比較は難しいわけですが(なので"no.1ファンド"というコンセプトは存在しない)、真面目なSTATのチームは、統計処理*を使って横比較させたそうです。 *ファンドパフォーマンスは正規分布をとると仮定し、母集団と評価対象

          STATによるヘルスケアに投資するVCトップ10分析(前編:1~4位)

          デジタルヘルスでも同様:専門性が重要?(本編)

          こんにちは。D3 LLCの永田です。 前回はエモい序説になってしまいました。 今日は、本題に入ります。 デジタルヘルスの産声(2011)前回述べたお話の中で、ITxヘルスケアがうまくいかなかった背景の一つに、人の命や健康との向き合いたくない非医療業界と、逆に医療の外の業界へのアンテナが乏しい医薬医療機器業界、のコントラストがありました。 2011年に大きな契機があります。「デジタルヘルス」という概念を生み出した組織です。もともとNPOとして生まれた、Rock Heal

          デジタルヘルスでも同様:専門性が重要?(本編)

          デジタルヘルスでも同様:専門性が重要?(序説)

          こんにちは。D3 LLCの永田です。 特に米国VC分析は、随分とマニアックで、素人には全くおもしろくないであろう記事を公開したつもりですが、多くの方に反響・感想を頂けて驚きました。 さて、誤解を呼びがちだったのは、議論してきた「ヘルスケア」は創薬バイオに限った話ではないのです。いわゆる、「デジタルヘルス」も含まれた分析であります。弊社も、創薬・バイオに加え、デジタルヘルスを投資対象としています。実は、弊社パートナー陣の中でも、私は特にデジタルヘルス分野のイノベーションを追

          デジタルヘルスでも同様:専門性が重要?(序説)

          米国VC調査:ヘルスケアVCの特徴 (3)ファンドパフォーマンス

          こんにちは。D3 LLCの永田です。 前回前々回と、全米主要681ファンド調査の結果より、ヘルスケアベンチャーキャピタル(VC)とテックVCの投資判断実行、投資後支援の違いをみてきました。今回は、それらの結果。ヘルスケアVCはどのようなパフォーマンスの特性があるか、見ていきましょう。 投資先エグジット確率 この分析は、VCへのヒアリング(自己申告)ベースと、客観的なデータベースであるVenture Sourceによる定量化でダブルチェックしています。VCも「人間だもの」

          米国VC調査:ヘルスケアVCの特徴 (3)ファンドパフォーマンス

          米国VC調査:ヘルスケアVCの特徴 (2)投資実行後・投資先支援

          こんにちは。D3 LLCの永田です。 前回は、全米主要681ファンド調査の結果より、ヘルスケアベンチャーキャピタル(VC)とテックVCの投資判断・実行の違いをみてきました。 今回も引き続き、同じ論文をベースに、投資実行後・投資先支援の比較分析を、見てまいりましょう。前提とする論文の背景は、前回記事を御覧ください。 ヘルスケアVCはハンズオン支援を重視する投資の成功確率を高めるために最も重視するVCの活動 ヘルスケアでもテックでも、よいDD・投資判断ができることが最も重

          米国VC調査:ヘルスケアVCの特徴 (2)投資実行後・投資先支援