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【愛用品リスト/4】ル・クルーゼの鍋

愛用品リスト、2週連続の更新だ。なんだ私、やればできるじゃないか〜!

実際はそんなこともないのだけど、私のなかでは、この【愛用品リスト】を読んでくれている人はめちゃ少ないという設定に勝手になっている。だからか、いつにも増して自由気ままに書いている。30記事、30記事を目指すんだ。

ところで今週、渋谷の歩道橋の階段でけっこう派手にすっ転び、左足に真っ赤な擦り傷を、右足に青(ていうか黒)痣を作ってしまった。あー痛かった。春であったかいからといって、ボケーっと歩くのはやめましょうね。

それはいいとして、第4回目に選んだのは、ル・クルーゼの鍋である。これは2年前に買ったのだけど、なぜ買ったのかというと、試してみたかったのである。何をって? こいつの実力をだ。

私が購入したのはココット・ジャポネーズという、定番のココット・ロンドよりも浅い鍋である。ジャポネーズというからには、和食系の煮物を作るのに適している。もっとも、私がこのジャポネーズのほうを買った理由は、和食を作りたかったからというよりは、そんなに深さがあっても大量にカレーを作ったりしないし別にいらねーだろと思ったからである。そして、この推測は当っていた。

私が検証したかったのは、普通の鍋で作った肉じゃがと、ル・クルーゼで作った肉じゃがとでは、本当に後者のほうが美味しくできるのかということである。私は「絶対鍋なんかで変わるわけない」と頑なに信じていた。だけど実際に自分でやってみないと、本当のところはわからない。鍋で味は変わるのか? 放っておくと、ふとした瞬間に気になって気になってしょうがない。痺れを切らせた私は、「上等じゃねえか」とおしゃれな店内に似合わず半ば喧嘩腰で、このお鍋を買い求めに向かったのである。

我が家へやって来たのは喧嘩など望んでいない素直で真っ赤なココット・ジャポネーズだったが、「お前本当に肉じゃが美味くできるんだな? 本当だな?」と私はなんだかイライラしながら料理をした。結果、できあがった肉じゃがの味は、うちにもともとあった普通の鍋で作ったものと、か、変わらなかった。私が疑いすぎたのがいけなかったのだろうか。

なんだ、やっぱり変わらないのかーと、実はどこかで期待していた私は落胆した。だけど、これバカ舌の人の判断なので、他の人の舌の上では味は変わっているのかもしれない。そういう細かなちがいが一切わからない私は、自分が幸せなのか不幸なのかわからない。

というわけで、料理の味を変えることには失敗したル・クルーゼさんであったが、意外な活用法があった。こいつで料理をすると、洗い物が減るのである。鍋の見た目がいいので、作ったものをそのまま食卓に出してもそんなに侘しいかんじにならない。これに味をしめた私は、ル・クルーゼさんで作ったものをお皿に盛らずにそのまま鍋から食べるライフハックを身に付けてしまった。

ル・クルーゼさんは重いので、そのうち戸棚の奥で埃をかぶるんじゃないかと買った当初は心配していたが、そんなこともなく、今でもうちの洗い物を減らすためにけっこう活躍してくれている。買うときに店員さんが「頑丈だから100年でも使える」といっていたので、それを信じるのであれば今後も長い付き合いになるのかもしれない。

ところで、渋谷の歩道橋ですっ転んだ話は冒頭でしたが、階段を転げ落ちた私が真っ先に心配したのはポケットに入っているiPhoneだった。私の体はツバつけときゃ治るが、iPhoneの画面が大破してしまうとツバつけても治らない。修理に1万円くらいかかるとけっこう困りものだ。結果iPhoneは無傷だったので良かったが、それもそのはず。階段を転げ落ちる私はとても冷静に頭をはたらかせ、ポケットのなかのiPhoneをかばうような形の受け身をとりながら、順当に階段を落ちていったのである。緊急事態に陥ると、人間にはすべてがスローモーションに見えるという大変貴重な知見を得た。

「ル・クルーゼは頑丈だから100年でも使える」といった店員さんの言葉を私は素直に信じているが、もし誤って派手に落とし大破させると、このホーロー鍋ちゃんなかなか厄介なことになりそうである。その重みを両腕にずっしりとかんじながら、今後も丁寧に扱っていきたいところだ。

شكرا لك!