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【愛用品リスト/1】牛乳石鹸

このリストは今後、黙々と更新される予定である。できれば100まで行きたい。でも10くらいで挫折するかもしれない。どうなるか見守っててください。3ヵ月くらい更新が途絶えたら飽きたってことです。

意外に思うかもしれないが、20代前半の学生の頃、化粧品にめちゃくちゃ凝っていたことがある。「美的」とか「MAQUIA」みたいな雑誌を買いまくっていた。百貨店コスメが欲しくてしょうがなかったので、バイト代を思いっきりつぎ込んでいた。友人と行った韓国やハワイでも、思いっきり化粧品を買っていた。ちなみに購入した化粧品は、リストを作って、買った場所、値段、使用感などをすべてメモしていた。高校生のときから、観た映画のタイトル、監督、感想などをすべてノートにメモる習慣があるが、自分のこういうところ、ちょっと気持ち悪いと思う。

凝り性なので、それと並行してやっていたのが、化粧品の成分を調べることである。成分表を見て、ラウリル硫酸なんとかっていうのが前に来てるシャンプーはだめだとか、ミネラルオイルという成分は良くないとか、メチルパラベンはいかんとか、コポリマーは良くないとか、なんかそういうことを調べるのにハマっていた。化粧品に使われる成分表リストみたいな分厚い本を愛読していた。

しかし、たくさんの種類の本を読んでいくうちにわかることだが、この業界の人はだいたいいっていることがバラバラなんである。皮膚科の先生によって、パラベンは有害だという人もいれば無害だという人もいる。雑誌も、よく読んでいると半年おきくらいにいってることが変わる。まあ、ああいう雑誌はほぼ広告なので当然といえば当然なのだが、オイルを使えといったり使うなといたり乳液を買えといったり買うなといったり、「なんなんだよ」というかんじである。ちなみに、皮膚科の先生のほうは一歩間違えるとオカルトの世界を案内してくれます。

そもそもよく考えたら、私は肌が超頑丈で化粧品がしみたりかぶれたりすることは20年に1回くらいしかなく、(当時は)乾燥ってどういう状態?ってくらい肌がピンピンしていた。なんで成分表なんてハマっていたんだろう。「凝り性だったから」としかいいようがない。

そして、私は飽きた。21歳から22歳の1年くらいの期間で、飽きた。美容業界の方からすればとんでもない言草なんだろうが、私流にいえば「だいたいわかった」のである。具体的に何が「だいたいわかった」のかというと、細かいことはどうでもいい、ということがわかった。私は、この業界の謎をすべて解明した(という気になった)。

わかってしまうともう面白くない。私は大金をつぎこんで買った化粧品を、必要なものだけ手元に残してガンガン捨てた。韓国で、日本未上陸のブランドのピーリング剤を5個くらいまとめ買いしてきたが、それも未使用のまま捨てた。なんだか頭悪そうで恐縮である。

そんな過程を経て、残ったのは「牛乳石鹸」である。いつもドラッグストアで3個200円くらいの値段で買って、洗顔料とボディーソープの役割をこいつ1つに負わせている。

私はこの石鹸の良さを、特に加点もなければ減点もないところにあると思っている。これを使ったからといって、肌の調子が劇的に良くなるとか、そんなことはない。ただしそれが良くて、使った直後に肌の調子がすぐ変わるようなやつは、すぐ飽きるか後でどうせ効果がなくなるか、どっちかなのである。なんか、そういうめんどくさい加点はいらないと思うようになった。

減点がないというのもいい。牛乳石鹸の成分は、石ケン素地、香料、乳脂、水、ステアリン酸、酸化チタン、EDTA-4Na。2行で全成分の説明があっさり終わる。私があの界隈を調べていてわかったことは、御託をならべてやたら長い名前の成分を10行くらいにわたってダラダラ書いている化粧品にロクなもんはない、ということだ。もちろん個人の感想です。色モノはこの限りではないにしろ、スキンケア商品に関してはいつも、「めんどくせえ御託を並べるな。お前が何者なのか3行以内で説明しろ。」と思っている。牛乳石鹸はこの点、とても潔い。

この石鹸をもう6年とか7年、浮気せずに使い続けている。説明が短く、安く、どこでも手に入る。もったいぶっていないところが素晴らしい。

モノに求める要素と、人に求める要素は共通点があるのかもしれない。

私は、潔いやつが好きだし、自分もそうでありたいと思う。


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