エルサレムのイチゴ

【第34回】今週のアルジャジーラ〔カタール〕

今週も早いもので金曜日。そして月も8月でございます。皆様お疲れ様でございます。

この前、知人のフランス人が「日本の夏は最悪、湿気ひどすぎ」と漏らしておりましたが、まったく同感でございます。カンボジアの夏とインドネシアの夏もまあまあ最悪だけど、日本の夏っていうか東京の夏って不快指数が世界的に見てもやばい気がします。ビル熱がね。ひどいよね。ヒートアイランド現象です。

というわけで、今週気になった記事はこちら。カタールが一部の外国人に対し、永住権を承認することになったという話題です。

Qatar to approve permanent residency for some expats

カタールといえば、6月のこの回を覚えてくれている人はいるかしら。いたら嬉しいです。

【第30回】今週のアルジャジーラ〔もちろんカタール!〕

この回を覚えていなくても、カタールがサウジアラビアなど中東のイスラム国家から断交されたというニュースは記憶にあるはずで、あれから2ヶ月経つが今はどうなっているんだろうと思い少し調べてみた。

カタールと断交した4か国が外相会合 対立は長期化か

上の記事にあるように、その後、サウジアラビアやバーレーンなど4カ国の外相が会合を開き、「テロ組織への支援と衛星テレビ局の閉鎖をやめない限り断交は続けるよ」ということで合意したらしい。衛星テレビ局、というのは我らがアルジャジーラのことであろう。つ、つまりカタールが各国の条件をのんだらアルジャジーラが、「今週のアルジャジーラ」が終わってしまう……!

……と、まあそう簡単に条件をのんだりしないだろうが、このあたりのゴタゴタは長期化する見込みであり、物流とかの日本企業にも影響が出続けるよということでNHKの記事は終わっている。


話はもどってアルジャジーラのほうの記事であるが、非カタール人と結婚したカタール人女性の子供、あるいはカタールに優れたサービスを提供している外国人などに、永住権をあたえると閣議で決定したらしい。

カタールは昨年、「カファラ」という外国人労働者に対する制度を廃止している。これは外国人労働者が、雇用主の許可がない限り母国に帰ることができなかったり、自由な転職ができなかったりした制度らしい。人権侵害だ、現代の奴隷制だということで、国際社会から批判をあびていたが、これを廃止をしたというわけだ。「カファラ」はカタール以外にも、裕福な湾岸諸国で多く採用されている制度らしい。

サウジアラビアやバーレーンやイエメンの永住権や外国人労働者の扱いがよくわからないので何ともいえないが、カタールはより経済的な自由を獲得できる国家へと成長しようとしているのだと思う。他国との関係や、アルジャジーラがどうなってしまうのかということも含めて、カタールは今後も注目していきたい国である。

ところで、「カファラ」という制度については不勉強な私は今回の記事で初めて知ったのだが、より詳しく知りたい人は下記の記事を読んでみてほしい。ただし、写真・内容ともになかなか過激なので、少々閲覧注意ではある。

虐待の定義を変えるサウジ家政婦の現実

ちょっと日本では考えられない話だが、これも世界の現実なのだということで、閲覧注意ではあるが一読をおすすめする。しかし、「日本では考えられない話だが」といいつつ、我々だって昔は首をちょん切って晒しておいたり、罪人の処刑をエンターテインメントとして面白がっていたりしたことがあったわけで、日本人にそういう残虐性が種も欠片もないわけではない。人間を作り、人間を守るのは「理性」や「思想」ではなく「制度」であり「システム」だ、ということを私たちは肝に銘じておくべきだろう。

ところでこの「今週のアルジャジーラ」、かる〜く入って重く終わるのが常なので、なんか全体のトーンめちゃ掴みづらくない? と自分で書いてて思うのだが、まあいっか。再来週もよろしくお願いしますネ。



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