エルサレムのイチゴ

【第26回】今週のアルジャジーラ〔パレスチナ〕

「今週のアルジャジーラ」、今週こそちゃんと金曜日に更新である。いつも私のくだらない前置きが長いので、今週はとっととさっさと記事の話に進もう。

私が今週気になった記事はこちら。ガザで行われた、殺害されたハマス党員の葬式に数千人が参列したという内容である。

Thousands attend Gaza funeral of slain Hamas official

「今週のアルジャジーラ」でパレスチナが登場するのは二回目で、以前もパレスチナの政党、ハマスとファタハについて語っていた。実際はもっと複雑で各国のいろいろな思惑や事情が絡んでいてややこしいのだが、ものすっごい表面的に簡単にいうと、ハマスというのはイスラエルとあまり仲良くやっていく気がない保守過激派の政党、ファタハはそれに比べ強調路線をとろうとしている穏健派の政党である(という認識で合ってると思う、たぶん)。

【日記/80】今週のアルジャジーラ〔パレスチナ〕

で、記事によると、ハマスの司令官が一名暗殺されてしまったらしい。これにより、パレスチナとイスラエルの溝は、また一歩深まってしまった。

アルジャジーラの記事の写真を見ると葬儀の様子が伝わってくるが、この地方の人って葬式をまさしくお祭りのように、ものすごい人数でパーっとやる習慣があるのだろうか。数千人が葬儀に参加したというのは、亡くなったのがハマスの司令官だったからというだけではない気がする。というのも、映画『オマールの壁』でも葬儀のシーンがあるが、アルジャジーラの写真と『オマールの壁』の葬儀の様子はとてもよく似ているのである。家族、親戚、友人だけでなく、町中の人がみんな出てきて故人を見送る。遺体は棺桶に入って、遺影とともに置かれるのではなく、担がれて町をまわる。

(※予告編にもちょっとだけ葬儀のシーンが出てくる)

葬儀や結婚式のあり方というのは、けっこうその国特有の事情や民族性が出ていて面白いなあと思う。たとえば、私は昨年の11月、友人の結婚式でインドネシアのバリ島に行ったのだけれど、式場のホテルへと向かう途中で乗ったタクシーの運転手に、「バリ人はホテルでは結婚式をしない」と言われた。そして、「バリ人は、たとえばあんなふうに、結婚式をするときは自分の家を飾る」と、車から窓の外を指さして言われた。指された方向を見ると、確かに、一般の民家の入り口に豪奢な装飾が施してあった。バリの人々は結婚式をやるとき、新郎新婦の家に飾り付けをし、そこに家族や親戚や友人、そして近所の人を招待して祝うらしい。

現代の日本のように、ホテルや神社や専用の特別な式場で結婚式をやるってのは、いったいいつ頃からの習慣なのだろうか。確かに、江戸時代とかの日本は結婚式を新郎新婦の家でやっているようなイメージがある。となると、やはり戦後か。意外と歴史は浅いのである。

……というわけで、全然関係ない話になってしまったが、各国各民族の冠婚葬祭を見るというのは非常に面白い。パレスチナの葬儀は、まあこれがハマスの党員のものだったからというのもあるんだろうが、日本の葬式のように「悲しみにむせび泣き……」みたいな雰囲気よりは「うおー! 司令官は生きた! そして死んだ! イスラエルぶっ殺す!!」みたいな熱気に溢れている(と、写真を見る限り思う)。葬式ってより、デモみたいである。

今週はこの辺りで。新年度から、「今週のアルジャジーラ」は隔週にしようと思うので、次回は再来週である!



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