エルサレムのイチゴ

【第24回】今週のアルジャジーラ〔日本〕

今週も早いもので金曜日だ。そして金曜日といえば、もちろん「今週のアルジャジーラ」である。

ところで、この「今週のアルジャジーラ」もそうでありたいと理想を掲げているのだけど、「毎週◯曜日の楽しみ」というのがあるのはいい。インターネットの記事はだいたいが毎日もしくは不定期に更新されるけども、週刊で「毎週火曜日に更新します」とかにしてくれたらいいのに、と思う。毎週月曜日の楽しみと、毎週火曜日の楽しみと、毎週水曜日の楽しみと、(中略)毎週日曜日の楽しみがあれば、一週間毎日楽しく生きられるのではないか。もしかしたらテレビ番組がその役割を担っていたりするのかもしれないが、私の家はテレビがないのであった。

さて、今週私が気になった記事はこちらだ。

Sexual assault in Japan: 'Every girl was a victim'

3月8日が国際女性デーということで、今週は日本のメディアでも女性問題を取り上げた記事が目立っていた。カタール・ドーハのアルジャジーラも例外ではなかったらしく、女性問題に関する記事は多くあがっていた。その中でも私が注目したのは我が国・日本についての記事だったのだが、アルジャジーラが日本をどのように見ているのかを知るのはなかなか興味深いのではないだろうか。我ながら今回はなかなか真面目な切り口である。

取り上げられている内容は、日本の女の子が遭う性暴力、主に痴漢の問題である。識者の1人として名前が出ているのは、noteなどで知っている人もいるかもしれないが、プレスラボの小川たまかさん。アルジャジーラに出るなんてすごい。

内容はもちろん考えさせられるものになっている。痴漢被害や性暴力はどうしたらなくせるかという視点で話が進んでいくが、ある女子高生の話で、制服を着なくなった日からパタッと痴漢が止んだなんて話を読むとけっこう気分が重い。特にロリコンというわけでなくても男性は女子高生(という記号)が好きだという人がけっこういるし、制服愛好みたいな文化も根強い気がする(ナースとか)。あれって海外にもあるフェチシズムなんだろうか? 他にも、痴漢防止バッジやJKカフェの話や職場でのセクハラの話などが出てくる。私は風俗には詳しくないのだが、やはり「JKカフェ」なんてのは日本独自の性風俗なんじゃないかという気がする。ところで、記事とは関係ないが、「ひざ枕で耳かきをしてくれる」なんて風俗はよく行く気になるな、と話を聞いたとき思った。棒を耳にぶっさされたらどうするんだ。私はお金をもらっても相手がイケメンでもひざ枕で耳かきはイヤである。これも、ちょっとわからないが日本独自の風俗という感じがする。

ところで、痴漢防止やセクハラ防止のために女性から声が上がるのは当然のことであるが、個人的に効果がありそうだなと思うのは、女性より男性の声である。被害者の声というのももちろん大切だが、加害者の声というのもそろそろ出てきていいのでは、などと思う。たとえば、以前痴漢をして捕まったけど今は改心した人などが自らの体験を語り、痴漢はやめろと声を上げるとか。男女というのは悲しいかな対立してしまうことがあるので、どうしても「女がキーキーうるせえな」という目線で見てくる人がいるものである。しかし、元痴漢犯罪者が痴漢防止のために名乗り出るなんてことがあったら、けっこう抑止力に繋がるんじゃないかなどと思った。当然その人が社会的なバッシングを受けることは免れないと思うので、完全匿名という立場をとることになるだろうが、もし実現すれば普段はこういう話題に耳を傾けない男性だって話を聞いてくれるんじゃないかという気がする。あと、これはいささか思考実験的ではあるんだけど、痴漢防止のポスターにジャニーズを出したらどうなるんだろうなんてことも考える。私が痴漢をしようとしている中年男性だったら、若くてカッコいいジャニーズの前で年端のいかない女子高生の尻を触るなんてのは、あまりにも自分が惨めでみっともないのでやる気が失せる。もしくは、痴漢防止のポスターに舘ひろしを出すとか。舘さんにいわれたら絶対に痴漢なんかできないという気がするのだが、これは私の考えが甘いだろうか。

いずれにせよ、性犯罪防止のために実は同性である男性の声こそ必要なのではという私の考えは変わらない。被害者である女性の声がもっと増えたほうがいいのはもちろんであるが、男性にもこの周辺のことについてよくよく考えてみてほしいし、なんなら声をあげてほしい。やっぱ、男は男の話をいちばん聞くんじゃないかという気がするのだ。

そんなわけで、いつにも増して真面目だった「今週のアルジャジーラ」、また来週の金曜日に。


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