エルサレムのイチゴ

【第36回】今週のアルジャジーラ〔ミャンマー〕

今日は……土曜日? いえいえ広義の金曜日。というわけで、おなじみの言い訳から「今週のアルジャジーラ」を始めたいと思います。

まず、私が今週気になった記事はこちら。

Why are Rohingya refugees stranded in no-man's land?

さて、ミャンマーのロヒンギャ問題である。こちらの話題が「今週のアルジャジーラ」に登場するのは実は2回目だ。

【日記/86】今週のアルジャジーラ〔ミャンマー〕

簡単にいうと、「ロヒンギャ」とは、ミャンマーに住むイスラム系の少数民族である。しかしミャンマーは仏教国なので、イスラム系の民族であるロヒンギャを差別・迫害の対象としてきた。ゆえに、ロヒンギャが難民として近隣諸国に流れ込み、問題が多発している……というように私は理解している(間違ってたらすみません)。1日、治安当局とロヒンギャの間の衝突で、死者が400人をこえたという。

アルジャジーラの記事にもあるように、ロヒンギャが多く流れ込むのは隣国のバングラデシュだ。ミャンマーとバングラデシュの国境にあるナフ川を、粗末な船でわたろうとしたため水死した人もいるらしい。国際社会からミャンマー政府はかなり厳しくロヒンギャ問題を追及されているようだけど、ミャンマー側はロヒンギャを自国民とは考えておらず、「違法滞在している外国人」と見なしているらしい。話が通じないわけである。アウン・サン・スー・チー氏に現地視察を要求しても、スー・チー氏は「事態は沈静化している」との姿勢を崩さないのだとか。

ところで、ミャンマー側がロヒンギャに対して抱く差別感情の根幹にあるものは何なんだろうと考えた。以下の記事がけっこう詳しかったので貼っておくが、①容姿(ビルマ人よりも肌が浅黒い)②言語(ビルマ語がしゃべれない)③宗教(ロヒンギャはかなり保守的なムスリムであるらしい)の3つが要因となっているようだ。でも、やはりそれだけというわけでもない。

ロヒンギャ問題はなぜ解決が難しいのか根本敬 / 東南アジア近現代史

背景には、第二次世界大戦期において彼の地がイギリス領になったことも関係している。そして、日本軍によって武装させられた仏教徒と、イギリス軍によって武装させられたムスリムとが、この時期に対立を繰り返していた。この時期に形成された憎悪が、今のロヒンギャに対する差別感情の元になっているみたいだ。

「宗教がちがうと分かり合えない」というのはけっこう嘘っぱちで、ジャカルタにあるイスティクラル・モスクからはすぐ隣にあるジャカルタ大聖堂が丸見えだけど、モスク内を案内してくれたムスリムの女の子は「別に気にしてない。宗教がちがっても互いを尊重することはできる」と言っていた。何か対立があるのだとしたら、その中身にあるものはけっこう丁寧に紐解いていかねばならない。

【6】灼熱のジャカルタと信用できない警官

というわけで、今週はこのへんで。また再来週〜。


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