ライダーベルトは転売目的で大人が購入? 業界の名物書店員が語る小中高生が“本当に読む雑誌”

――情報はインターネットで収集……というのが、今どきの小中高生だろう。だが、その中でも、彼らに向けた“雑誌の市場”はあるはずだ。ここでは、廃れつつある雑誌ビジネスにおける、子ども向け雑誌の市場を見ていきたい。

「セブンティーン」2017年04月号(集英社)

 従来、「雑高書低」と言われていた出版業界の構図が逆転し、雑誌が書籍の売り上げを下回っている。つまり、「雑誌離れ」が決定的な流れとなりつつあることが明らかになったわけだが、そんな中でも、若年層、特に小中高生の雑誌事情はどのようになっているのだろうか?

 言うまでもなく、これらの世代は物心ついたときからPCやスマホが身近にある「デジタルネイティブ世代」。情報はネット空間からタダで仕入れることが当たり前の中で、雑誌を買うという行為は特殊な趣味になっているのではないかという懸念が浮かぶ。吉祥寺の書店「ブックスルーエ」の名物書店員・花本武氏も、こんな実感を述べる。

「小中高生でも当たり前にスマホを持っている時代ですから、その中であえて紙の雑誌を選んでいただくのは難しいところがありますよね。確かに、雑誌というビジネスモデルが曲がり角にきているのは、店頭に立っていてもひしひしと感じます」

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