1億部超え『美味しんぼ』のグルメ的・マンガ的“功罪”――『美味しんぼ』に見る食マンガ金字塔の功罪【1】
(写真/永峰拓也)
――昨年のマンガ界におけるお騒がせニュースのひとつとして、『美味しんぼ』における福島原発事故をテーマにした「鼻血」騒動がある。すでに111巻まで巻を重ねた同作は、これまでにもさまざまな批判を受けてきた。とはいえ、日本のマンガ史に重たい足跡を残した重要作品であることも間違いない。料理・食マンガとしての『美味しんぼ』の功績と、他方積み重ねてきた悪評を、今あらためて振り返りたい。
1983年に連載を開始した『美味しんぼ』(小学館「ビッグコミックスピリッツ」掲載/原作・雁屋哲、画・花咲アキラ)。主人公の新聞記者・山岡士郎と父親で芸術家の海原雄山の対立を軸に、日本のみならず世界中の食材や料理を紹介するマンガとして、これまでに累計1億3000万部を売り上げている。
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