東野幸治、カンニング竹山、品川祐…etc. 冠・MCを持っても安定できない!アラフォー芸人の憂鬱

――現在テレビでよく見る芸人は、40歳前後がボリュームゾーンになっている。だが、テレビを取り巻く状況の変化や、不動の大御所たちの存在もあり、この世代の芸人のキャリアモデルは揺らいでいる。本稿では、一見売れっ子に見えるアラフォー芸人たちが抱える不安や将来設計を、あらゆるメディアから粘着質に拾い上げ、思惑を分析してみたい。

(絵/沖真秀)

「三十四年間生きてきて、忘れられない日が三日ある」

 そんな書き出しで始まる小説がある。松野大介が1998年に発表した『芸人失格』(幻冬舎)だ。80年代中盤、松野は中山秀征とABブラザーズを結成。『ライオンのいただきます』(フジ/『ごきげんよう』の前身)レギュラーになり、『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)を担当するなど、順調に売れていった。しかし中山がタレントとして頭角を現しだすと、やがてコンビは自然消滅。後に作家に転向する松野が、芸人として失速していく様や不安に苛まれる心中を、『芸人失格』ではほぼ実名で書ききっている。

 しかし今、この小説を読み返すと、ある違和感を覚える。主人公がブレイクするのが20代前半。仕事が減り始めて塞ぎ込むのが20代中盤。小説家という別の道を見つけて、所属事務所を辞めるのが29歳。現在のお笑いシーンの肌感覚からすると、「10歳早い」ズレを感じるのだ。

 90年代以前、売れる芸人は20代で爆発的に売れた。そうでなければ30歳前後で見切りをつけ、足を洗うケースが多かった。つまり“アラサー芸人の葛藤”があったわけだが、芸人が増殖し続ける今、30代の芸人は当たり前の存在に。さらに近年、スギちゃんや永野など、苦節20年前後の遅咲き芸人がブレイクするに伴い、引退の線引き=30歳の時代は終わったといえるだろう。

 そして今、新たに“アラフォー芸人の憂鬱”が誕生しつつある。

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