ムックビジネス、ウェブ化も頭打ちの中で…dマガで億単位の売り上げも!? 低迷中雑誌業界の救世主は誰だ?

――低迷続く雑誌業界だが、いつまでも嘆いてばかりはいられない。各社新しい収入源として、ついにウェブ展開に本腰を入れ始めている。そして現在のところ、定額制電子雑誌読み放題サービス「dマガジン」が売り上げを補填するメディアとして、注目を集めている。混迷続くこのサバイバルレースで生き残るのはどこだ!?

渡辺直美が宣伝するdマガジンのCM。サイゾーも取り上げて欲しいです !(切実)

 出版業界の調査・研究を行っている「出版科学研究所」の調べによれば、2016年における国内の雑誌の推定販売金額は、月刊誌が前年比5.3%減(337億円減)、週刊誌が同8.5%減(123億円減)で、前年比5.9%減の7339億円だった。雑誌が書籍(販売金額7370億円)を41年振りに下回るというこの結果は、出版界に大きな衝撃を与えた。また広告費も、インターネットが10年7747億円→15年1兆1594億円と上り調子なのに対して、雑誌は10年2733億円→15年2443億円と、やはり減少傾向にある(電通調べ)。

 雑誌不況と言われて久しいが、単発とはいえ大きなヒットを飛ばす雑誌がないわけではない。また、紙の雑誌が売れなくなる一方で、「dマガジン」を始めとする定額制雑誌読み放題サービスが着実にシェアを伸ばすなど好調な面も。

雑誌不況が生んだムックバブルの功罪

 雑誌の推定販売金額がピークを迎えたのは97年のこと。その額1兆5644億円。しかし、これを境に減少に転じ、00年には9706億円と早くも1兆円を割り込み、10年には8213億円にまで落ち込んでしまった。雑誌の低迷とクロスするように台頭してきたのが、ネットと携帯電話である。さらに10年代に入るとスマホのユーザー数が飛躍的に伸び、可処分時間の使い方はさらに多様化、雑誌に割く時間は相対的に減少していったと言われる。

 また、ネットの普及によって、タイムラグなくニュースを発信できる即時性や、さらにはSNSによる情報共有も進んだことで、ある種の雑誌は苦境を強いられることになった。例えば、映画・音楽・演劇などに関する情報を扱っていた雑誌「ぴあ」(ぴあ)の休刊(中部版・関西版は10年、首都圏版は11年)は、ネット以降のメディアのあり方を考える上で象徴的な出来事だった。しかし、情報を扱う雑誌の「機能」に関しては、まだまだニーズがないわけではないという。

「ネットにはさまざまな情報が上がっていますが、玉石混交でもある。近年問題になっている『まとめサイト』的なものにニーズがあるのも、かつて雑誌が担っていた『情報の取捨選択』『網羅性』といった機能が必要とされているからです。人員やコストをきちんとかけて作られている雑誌には、まとめサイトなどは足元にも及ばない精度の高さがある。そこを担保していけば、まだまだ生き残る可能性はあるはず」(出版関係者A)

 ラーメン店や日本酒などを紹介する、いわゆるワンテーマ・ムックが大量に刊行されるようになって久しいが、これはそうした雑誌の強みを、多くの出版社が生かしたことの結果だったと言えなくもない。しかし、こんな声も聞こえてくる。

「大量に刊行されるムックの中には、クオリティ面で難があるものも少なくありません。取材された店から話を聞くと、『明日行きます』と突然取材に来たうえに、記事には間違った情報が……なんてこともあるとか」(出版関係者B)

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