HIROは阪急・小林一三になれるのか? EXILEタウン化する東京・中目黒を歩く

――EXILEは所属事務所のオフィスのみならず、ダンススクールもアパレルショップもグッズショップも、経営する居酒屋もすべて東京・中目黒に集結させている。かつては渋谷系・文化系の街であった中目黒は、今やEXILEタウン化しつつあるのだ。宝塚歌劇団を作り上げた阪急・小林一三を手本に、なぜLDHが中目黒に根付きつつあるのか、未来予想図を考える。

ここ数年、中目黒の街には、アパレルショップ、グッズショップ、居酒屋などEXILEの関連施設・店舗が次々と誕生し、いつの間にやらEXILEに占拠されつつあるのをご存じだろうか。

90年代末のカフェブームを牽引したオーガニックカフェ、古着屋のパーグラムマーケットといった店に代表されるサブカルチャーとファッションが同居する街の中目黒は、かつては渋谷系の王子様・小山田圭吾が住む街として知られていた。それだけでなく多くの芸能人、文化人らを見かける街だった。だが、いつしかそれらの店はなくなり、小山田君もこの街を去り、玉川地域の桜新町に引っ越してしまった。そして、気がつくと大きなドン・キホーテがこの地に本店を移していた(2009年)。このあたりから、ヤバい感じは始まっていたのだ。
 
で、EXILEである。彼らの母体、HIROが代表を務めるLDHは、中目黒のEXILE化を進めている。コンビニエンスストアや居酒屋チェーンが、物流の効率化を図るため、同じエリアに店舗を集中させることを、ドミナント戦略と呼ぶ。これと同じように、EXILEは中目黒に集積したドミナント戦略を発動し、この街をEXILEカラーに染めつつあるのだ。

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