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中東・イスラム 新文化論【2016年3月号第1特集】

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2016年2月の記事一覧

ジャネットのポロリは、もう二度と拝めないの!? キリスト様はセックスがお好き? 文化繚乱“宗教と音楽”

――アメリカの音楽を語る上で、宗教との密接な関係性を除外するわけにはいかない。本稿ではイスラム教をはじめ、ユダヤ教/キリスト教/仏教徒の音楽的特徴や文化的差異を、主にヒップホップを軸に据えて紐解いてみたい。するとそこには、意外な相利共生の事実が……!?

(絵/我喜屋位瑳務)

「メイク・ミー・セイ、ナンミョーホーレンゲーキョー」――「え、今、なんてラップした?」と思って、慌てて聴き直してしまった

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ラマダンを破ってチームを解雇も…――これをやったら即レッド!【ムスリム限定ルールブック】

――フットボール(サッカー)はイギリス発祥のスポーツ。戒律が厳しいムスリムにとっては、活動を制限される面もいくつかあるようだ。ここでは、そんなムスリム限定のルールをみてみよう。

フランス代表のジダンが、ワールドカップ決勝戦で、イタリアのマテラッツィから姉に対する暴言を受けたことがムスリムとしての逆鱗に触れ、事件に。晴れの舞台での苦い退場処分となったが、ジダンは「後悔はない」と語っている。

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試合中に豚肉を投げ入れられる露骨な差別!試合観戦で少年射殺事件も!サッカーを取り巻く金と差別

――日本が優勝を果たしたAFC U-23選手権2016の舞台は中東圏のカタール。さらに2020年のワールドカップも同国というように、今中東圏ではフットボール(サッカー)が熱い。一方その背景には、金と差別、そして宗教的な事情を伴う事情があるようだ。

国際舞台ではなにかと中東諸国と当たることも多い日本と韓国。現在、FIFAランクでアジアトップはイランだ。

 昨年11月に起こったパリ同時多発テロでは

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保守化して逆にファッショナブルになった? イスラム女性ファッションの今を追う!

――禁欲的で宗教的な生活をするイスラム教徒。そうした戒律は民族の衣装にも及び、特に女性は極力肌を見せないような衣装をまとっている……というイメージを持っている人も多いだろう。しかし、最近では、若い世代で衣装をファッション的に着るような動きが高まっているという。

イスラム諸国でも近年、ファッション市場の広がりに合わせて、ファッション誌も続々発売。04年に創刊したエジプトのファッション誌「Hijab

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中東混乱の要因がここに――イスラム世界と【911、 そして イスラム国】

『9/11委員会レポート ダイジェスト』(WAVE出版)2001年9月11日、アメリカ同時多発テロが起きる。以後、米国ブッシュ政権を中心とする西側諸国は、首謀者と目されたビン・ラディン率いるアルカイダとそれを庇護するタリバン政権を攻撃、同年10月のアフガニスタン戦争、そして2003年3月のイラク戦争へと突入していく。そして、イスラム過激派組織IS(イスラミック・ステート、イスラム国)は、そのイラク

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日本には石油を掴むチャンスがあった!?――イスラム世界と【石油利権】

そもそもアラブ世界に対する欧米列強の関与の強い動機となったものは、いうまでもなく石油である。19世紀半ばにアメリカで産声を上げた石油産業は、一次大戦を経て一気に重要度を増し、いわゆる石油メジャーが形成されていく。そんなおりもおり、1931年にバーレーンで、33年にクウェートで、そして38年にサウジアラビアにおいて大規模な油田が発見され、ペルシャ湾岸地域の政治的重要度は格段に増し、それがかの地の国際

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差別と迫害、そして戦乱の歴史を紐解く――イスラム世界と【ユダヤとパレスチナ】

モーセに率いられた出エジプトの物語こそがユダヤ教の起源でもあるように、ユダヤ人の歴史は、そのまま迫害の歴史でもある。現在のパレスチナ地域は、7世紀以降は基本的にはイスラム帝国の支配下にあったが、19世紀末に勃興したシオニズム運動のもと、世界各地から同地への入植が本格化、一次大戦、ナチスによるホロコーストなどを経て、1948年5月、近代国家としてのイスラエルが誕生する。しかしそれは、この地で永く生き

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政治・経済から日常生活にまで引用される神の教え――イスラム世界の【コーランと法】

正確には「クルアーン」。西暦610年頃、預言者ムハンマドがメッカ郊外で受けた神の啓示を、650年頃までにまとめたものとされる。「開端」から「人々」までの全114章から成る「神の言葉」そのものであり、「ハディース」(ムハンマドの言行録)と共に、イスラム教の根幹を成すものである。

世界で16億人ともいわれる信者数を誇るイスラム教の聖典であるコーラン。あくまでも人が書いたものであるキリスト教の聖書と違

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“見る”から“作る”へ── 東京が舞台のアニメも制作中!アラブ世界の日本のアニメ事情

――中田氏のインタビューでは、イスラム社会、特にアラブ社会における日本のアニメやマンガの立ち位置、また、それに絡む著作権や文化的背景について解説してもらったが、では、実際に現地の若者はどうとらえているのか? 現地の様子を見ていこう。

『ゆげ塾の中国とアラブがわかる世界史』(飛鳥新社)

 日本のアニメが、アジアや欧米で人気を博して久しい。では、アラブ世界ではどうか。実は、日本のアニメとアラブ世界

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