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電動キックボード等の基準を間違わないで!


|未だに周知されていない構造基準

残念なことなのだが、未だに電動キックボード等で歩道を走行する場合には
 時速6km以下で走行すればよい = 特例小型原付になる
と考えている人がまだまだ多い。

購入者や使用者が勘違いしているのかもしれないが、その原因となるのは、正しい情報を見聞きしていないことだ。

マスコミ報道等内容でも要約した内容でしか報道していないし、限りなくあるWebサイトやnote、XなどのSNSで流れている情報も、間違った内容であったり、説明不足のものが多いためかもしれない。

特に一度流れた(掲載した)誤った記事などが修正されないまま、いつまでもWebの世界で生き続けていることもその理由のひとつかもしれない。

|正しい情報を確認しよう

道交法関係法令や道路運送車両法の保安基準などは、警察庁や国土交通省のWebページ掲載の情報を参考にしていただきたいと思う。

販売業者なども十分な知識を持っているわけではなく、またWebで海外製を販売している業者などの中にはいい加減なものも多いし、国内事業者でも特定原付の保安基準等に適合しない製品が6割以上あるという抜き打ち検査結果があるのだ。

|特定原付の基準は

特定原付となり得るのは、
道路交通法施行規則や道路運送車両法の保安基準によって、車体の大きさや構造上の基準などが定められており、
・ 最高速度が20km/h以下、車体の長さ190cm以下・幅60cm以下
・ 原動機の定格出力が0.60キロワット以下であること
・ 走行中に最高速度の設定を変更することができないこと
・ 保安基準で定める最高速度表示灯が備えられていること
などが要件として規定されている。

ここでいう
 最高速度20㎞/h以下
というのは絶対条件であり
 アクセル操作で20km/h以下で走行すれば良い
というものではない。
車両の構造上、性能として最高速度がそれ以上は出ないものでなければならないのです。

ブレーキや前照灯などの基準も満たさなければならないことは言うまでもない。

|特例特定原付の基準は

通行可能な歩道を通行することができる「特例特定原付」になり得る基準としては
 ・最高速度が6km/h以下であること
 ・時速6km以下の速度であることがわかる標識灯(最高速度表示灯)が
 付いているもの
ということになるが、これもアクセルを調整することで6km/以下で・・・というわけではなく、
 車両の構造上、最高速度が6km/h以下
 つまり6km/hを超えないような構造でなければならない
のです。

特定原付の区分にある電動キックボード等でも、スイッチにより切り替えることで走行モード、つまり歩道を走行するために6km/h以下の速度しかでないようにすることで「特例特定原付」となり得るのです。

(筆者撮影)

|購入する際、運転する際の注意

この基本的なことを理解した上で電動キックボード等を購入したり、運転してしまうと、無免許運転や通行区分違反など道路交通法違反や強制保険に加入しないで運行していると「自動車損害賠償法違反」などに該当し検挙される可能性があるし、万が一にも交通事故を起こすと大きなリスクを負うことになります。

|性能等確認済証を確認すること

私が奨めるのは、「性能等確認済証」が貼付されてる製品を購入または運転すること。
このマークは、製品の電動キックボード等が法令に定める性能等基準に適合していることを国土交通省が審査をし確認したことを証明するシールなのです。

海外製などのWeb販売している製品は、ほとんど日本における性能等確認審査を受けていません。

販売事業者の中には「道路交通法に適用」などと広告しているものもあるが、道路交通法のどの規定に適合しているのかを明確にしていません。
口コミや事業者への質問などにも、「原付の基準に適合しているという趣旨だ。」などと書いているものも見受けられるので要注意だ。

|自己責任である

特定原付や自動車、二輪車でも、基本的には使用する本人が、その車等がどの運転免許で乗れるのかなどを確認すべきですね。
疑わしい、または不安な場合には、関係行政機関などにしっかり確認することが必要です。
法律の無知は免責にならないのです。
もちろん悪徳事業者はこれまでに検挙されている例もあるのだが・・・

|レンタルなどを使用するときも注意

レンタル事業者などの電動キックボードも基本的には同様です。
社会実験などの経過措置でちょっと緩和されているとこはあるが、基本的には同様。
レンタルの電動キックボード等を使用中の違反で検挙されている人もいるので良くルールを理解して運転しましょう。

(筆者撮影)

特定原付として車道を走行する場合と、特例特定原付として通行可能な歩道を走行する場合では、交通のルールが異なるなど複雑です。ルールをよく確認して運転することが必要です。
電動キックボード等を利用する人はルールを学んでから運転してくださいね。

以下これまでに書いた電動キックボード等関連記事です。参考になれば幸いです。


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