2024.10.12,13vs大阪 生みの苦しみ
第2節アウェイ大阪に乗り込んだ我らがFEは、なかなか厳しい戦いを強いられ、どちらも10点差以上離されて敗れてしまいました。今後どうすればよいのかの一考察です。
苦戦を強いられる理由
なぜここまで苦しい戦いを強いられているのか。以前よりFEを応援している諸兄はご存知でしょうが、予期せぬ選手構成に端を発しています。特に外国籍/アジア・帰化枠は、ヘンリー(SF)、オマラ(C)が残留し、JJ(SF/PF)の代わりにマイヤー(SF/PF)、ルーク(PF/C)の代わりに曾(PF/C)と、ポジション的には全くと言っていいほど昨シーズンからは変わらない選手構成のはずでした。
しかし、ヘンリーの怪我のために獲得したのがバッツ(C)、マイヤーの契約解除のために獲得したのがハーパー(PF)と、当初の構成より大型化はするものの、正直スピードにおいてはダウンしたと言って差し支えないでしょう。
しかし、本来川辺HCが志向している戦術は強固な守備からの速い攻撃。当初の目論見からはズレてしまったと言えるわけです。
問題点
では、この予期せぬ選手構成の変更からどんな問題点が生まれてしまったのか。守備・攻撃両面から考察します。
【守備】…スイッチディフェンスができない
スピードのあるビッグマンがいることで大きく利が生まれる場面の1つが、相手のスクリーンプレーに対してスイッチをして守ることができることです。例えば下のプレーでは、JJが河村にマッチアップすることでドライブを阻止し続けることができました。
ところが現状の守備構成では、単純なスイッチをしてしまってはスピードのミスマッチと高さのミスマッチができてしまいます。
なので現在は、ガードが後ろから追いかけ(=チェイス)、センターは少し下がり気味(=ドロップ)に守るようにすることで、ガードに自分のマークマンに戻る時間を稼いでスイッチをしないで済むようにするのが基本線ですが、大阪は素早いハンドオフを繰り返すことで下がったセンターを吊り出し、得点を狙おうとしていました。(1:42~)
【攻撃】…セットが崩れた後のオプションが少ない
今の攻撃の中心は、まず間違いなく並里です。しかし、この並里が止められてしまった場合、次の攻め手が薄いことが大きな問題点となっています。
例えば名古屋D戦では、坂本や佐藤を並里にぶつけ、スピードや高さで並里に簡単にはプレーをさせないようにしていました。また今回の大阪戦では、オマラに入れてうまくいくシーンもありましたが、中を固められて決め切れないシーンも多くありました。オマラや佐土原が笛を吹いてもらえないシーンがあったようにも思いますが、それはもう仕方のないことです。
昨シーズンは恐ろしいほどの得点能力をもつアーロンに預ければ何とかつないでもらえたのですが、ここを何とかしなければなりません。
解決策
ではどうすればよいのか。そんなものは、私のような素人が考えるよりもコーチ陣がもっとレベルの高いものを考えてくれるわけですが、今だっていろいろ対策は垣間見えるわけで、我々もそこを見付けて讃えていきたいと思います。
【守備】…他3人が脚を動かす
他3人とは、相手のPnRに関わっていない残り3人の守備のことです。
例えば下のシーンをご覧ください(1:40~)。
大阪は例のごとくハンドオフを繰り返し、最終的には木下ーゲルンでPnRを敢行。スピードのあるPnRにオマラはやはり吊り出され、ゲルンがフリーになりかけます。しかしここで佐土原がゲルンに体をぶつけて侵入を阻止します。
もちろんこの時、佐土原がついていたパークスが左コーナーでフリーになっており、木下もそこへパスを狙います。この時はオマラがパスをカットできていますが、実は笹山が佐土原に声を掛け、佐土原はパークスへのマークに戻ろうとしています。長い距離のスキップパスは当然時間がかかりますので、この守り方でもなんとかパークスのスリーにコンテストするくらいはできたと思います。(個人的には、ここは走ってきた笹山がそのままパークスに行った方が、スピードに乗っているので間に合うようには思います。)
【攻撃】…破壊神バッツの降臨
こう書くとバッツが悪者のように見えますが、越谷時代FEのプレーオフの勝ち上がりを2度にわたり阻止したバッツ。彼の実力は、まだまだこんなものではないはずです。彼がゴール下で支配力を発揮すれば、アーロンにも匹敵するほどの得点を挙げられると信じています。
そのためには、ダックイン・シールしているゴール下のバッツをどんどん狙ってあげて欲しいです。今はクリアアウト掃除機となってにゴール下をきれいに掃いてくれていますが、彼にシンプルにパスを入れて「バスケットってこんなに簡単に点が取れるんだ!」と我々に思わせてほしいです。
まとめ
確かに大型ビッグマンのスピード不足は欠点かも知れません。でも、裏を返せばそのデカさが強みにだってなりうるはずです。現代バスケとは逆流しているかも知れませんが、そんなことは知ったことか、です。3ポイント全盛からディフェンスもノースリーを徹底する様になって、そこから今はミドルレンジが再び注目される様になってきていると聞きます。いつだって流行は揺れ動くもの。敢えてのポスト勝負で新しい風を起こすのもよいのではないでしょうか。
それではご唱和ください。「そのデカい体はそのためにあるんだ!」(ムリ)