世界の環境教育〜ドイツ・デンマーク編〜

こんにちは!Climate Youth Japanです。
今回はメンバーがそれぞれ調査した、ドイツとデンマークの環境教育について紹介していきたいと思います。いずれも環境先進国と謳われる国々ですが、どのような取り組みがなされてきたのでしょうか。

○ドイツ
ドイツでは、基礎学校という国民共通の4年制初等学校に入学する際に配られるパンフレットに、環境教育の一環ともいえるポイントが隠れています。
そのパンフレットの特徴として、ランドセルや文房具といった備品は環境に配慮した素材やサイズのものを要請しているそうです。学校生活において必須であり、常に身の回りにある備品だからこそ、自分だけでなく環境にもやさしい設計が求められますよね。また、使っている身近なものが本人の意志とは関係なく環境に配慮したものであるため、環境に配慮したものを使うことが「あたりまえ」になりやすいかもしれません。

また、2000年以前の基礎学校では、ザッハウンターリヒト(Sachunterricht)と呼ばれる週4回の授業を通して、環境に関する様々な知識が教えられていました。
その内容はかなり網羅的で、例えば動植物の保護、大気汚染、ごみ、世界の食料、水質汚染、景観保全、騒音、原子力発電の建設などであったようです。


○デンマーク
デンマークはコペンハーゲンにあるインターナショナルスクールについて調べました。生徒の年齢は3-19歳と幅広く、80ヶ国を超える国籍の生徒が在籍しているそうです。

この学校の大きな特徴かつ環境教育の一環ともいえるポイントは、珍しいデザインの建物にあります。4つの棟に分かれていて、年齢や学年に合わせたデザインになっていますが、外壁は12,000個ものソーラーパネルで覆われているのです。このソーラーパネルによって、学校で必要とされる電力のうち半分をまかなっています。
建物内部においても、至る所で環境に配慮した設計がなされています。照明は全てLEDパネルです。また、全てのインテリアがナチュラル素材で作られています。例えば床にはオイルドオーク材、学校のトイレには再循環水が使用されています。
その他、生徒はゴミ拾いや室内ガーデンなどの活動を行っているようです。


○日本と比較して...
これらをもとに話し合い、私たちは日本の環境教育に照らして以下のような感想・疑問を共有することができました。
ドイツでは、頻度や内容の面から環境教育に比重が置かれていることがわかりました。初等教育ということもあり、周囲の友達との共通の話題にもなりやすいと思われます。
デンマークでは、レクチャー形式ではなく、身近な物や主体的な活動を通した環境教育が行われていることがわかりました。

一方で、日本では環境教育は理科や総合的な学習の一部として扱われるのみであることが一般的です。加えて、日本の里山学習などの環境教育において、田植えをする、魚をとるなどの行為の意義や、地域や地球レベルの自然環境との関連性を教えられることが少ないことに違和感を覚えます。そうした行為が自然環境にどのような良い/悪い影響を及ぼすかを知ることで、環境配慮意識や総合的な視野を獲得しやすくなるのではないでしょうか。


ここまで読んでくださりありがとうございました!
次回の記事もお楽しみに!

○参考文献・URL
・鈴木善次, 「世界の環境教育(Ⅰ)」 (https://shinko-keirin.co.jp/keirinkan/csken/pdf/53_03.pdf)
・大髙泉, 1991「ドイツにおける環境教育(Ⅰ)ードイツの初等学校段階における環境教育の扱いー」『日本科学教育学会 第15回年会』561-562
・CF MOLLER ARCHTECTS
(https://www.cfmoller.com/g/Denmarks-largest-and-most-sustainable-international-school-has-opened-i16686.html)


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