「宙に浮いた仕事」を頼まれやすい人は3つのステップで対処できる
ご相談内容
まずは「宙に浮いている仕事が自分に回ってくる」問題を解決しよう
ぱんださん、ご質問ありがとうございます。ぱんださんのように組織の中で「オールマイティに仕事を引き受けられる人」は、頼もしいですね。
「誰に任せればいいかわからない」という業務をふくめ、さまざまなタスクを処理していなければいけない日々において、オールマイティに仕事を引き受けてもらえるメンバーはとても心強い存在でもありますが、時としてみんなが甘えてしまいがちになるものです。もしかしたらぱんださんも、そんなふうに「頼られやすい」人なのかもしれないな、と思いながら拝読しました。
さて今回、まず最初に着手すべきは以下の問題の解決かな、と感じました。
「宙に浮いている仕事が自分に回ってきており、自分が何屋かわからない」
やらなきゃいけない(もしくはやったほうがいい)んだけど、この人という指名先が見つからない……という仕事は、どうしても発生してしまいます。新しく発生したタスクや、ルーティン化・マニュアル化するほどでもないけれど誰かがケアしなければいけない業務は、どこにでもあります。そして自分が最初に引き受けてしまったがために、誰にも引き渡せず持ち続けてしまう状況が、以前わたしにもありました。
問題を解決するために、3つのステップを踏んでみよう
わたし自身がそういう状況に陥ったとき、うまく解決できたと思うのは、以下の3つのステップを踏んだ場合でした。
まず、< a >のように「本当に必要か?」を再度確認するため自分がやっている作業を明文化し、認識に相違がないかを上司に判断してもらいましょう。明文化してみると「あれ、これって必要ないのでは?」という業務が、意外とあります。その場合に大切なのは「これは何のためにやっているのか?」を確認すること。
その結果、その作業がやはり「やるべき」であり、それは何のためにやる作業なのかが明確になれば、次は< b >のように、効率化や自動化のヒントを探してみましょう。
自動化のためのプログラムを組んでもらう、作業の一部を誰かに引き継いで分業し効率化をはかる、などは「ラクをしている」ように見られがちですが、仕事において「自分がいなくても回る仕組みを作ること」はとても重要です(くわしくはこちらの記事をご覧ください)。自分ひとりで業務を抱え込みパンクしてミスを引き起こすよりは、よっぽどマシではないかと思います。
その上で、この作業はやはりどうしても自分自身がやらなければいけないという結論に至った場合、< c >のように、その業務を引き受けることで、1日のうち何時間、自分の工数が必要になるのかを上司に共有しておくことも重要です。上司の仕事は各メンバーのスキルや適性に合わせて業務を割り振ることであり、もしもあなたがエンジニアなのにPowerPointのグラフを整形する業務を任されているとしたら、それは会社の損失です。
ある程度の損失を覚悟であなたにその仕事を頼みたい、という判断を上司がするのであれば、いったん引き受けても構わないかもしれません。ですが、その判断を受けて、自分の業務の内訳がどのように変化するのか、自分の人件費というコストをかけてまで行う業務なのかどうかを、定期的に共有し、判断してもらうようにしておきましょう。
納得感をもって仕事をするために把握するべき「仕事の全体感」
仕事とはそれぞれが単発の作業のように見えますが、実際には大きな流れがあります。その流れの中で、本当に必要な作業なのか? を常に把握しておくこと。そしてそれを上司が常に判断できる状態にしておくこと。仕事の全体感をつかんだ上で作業の優先度をつけることは、納得感をもって仕事をするために重要なプロセスだと思います。
「仕事の全体感をつかんでおく」という観点では、こちらの記事が参考になるかもしれません。
まずは上記のように「誰に頼めばいいのかわからないような仕事」が本業になっている、という状態を解決してみることから着手する。そしてその実績(状況の整理と、課題を解決した結果)を持って上司に再度、キャリアプランを相談する場を設けてもらうのはどうでしょうか。
目先の課題を解決していく過程も、上司がいままで気付いていなかったぱんださんの能力を知ってもらえるチャンスのひとつではないだろうかと思います。
ぱんださんがのびのびと仕事を楽しめるようになるのを、心から応援しています!
今日はそんな感じです。
チャオ!
※この記事は、サイボウズ式特集「ブロガーズ・コラム」の連載記事として2017年5月16日に公開されたものです。
イラスト:マツナガエイコ
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