アイドルの配信とグループライン

アイドルと生配信とは切っても切れない関係にあるのではないでしょうか
ここ半年はコロナ禍ということもあり、余計にそのつながりを強く感じます。
媒体は様々です。インスタライブ、LINELIVE、17 Live、そしてShowroomなどが主でしょうか。

僕はアイドルが好きなので、今回は女性アイドルに限って話しますが、その形態はアイドルが自宅や遠征先などから生配信をし、ファンがさまざまコメントを投げかける、というものです。基本的に無料のコンテンツなのですが、時にはファンが課金をしてそのアイドルを応援する、こともあります。課金した額(ポイントと呼んだほうが適切でしょうか)に応じてファンの順位?も決まり、上位の人はアイドルに名指しでお礼を言ってもらえたりという「うまみ」もあるみたいです。

昨今は配信が盛ん

僕が好きな東京パフォーマンスドール(TPD)というグループも、今年は特にShowroomでの配信活動が盛んでした。コロナ禍のために予定していたライブも延期され、なかなか生でメンバーを見ることができませんでした。
そんな、会えない時間もどうにか楽しんでもらえないだろうか?
そういったメンバー、スタッフの方々の思いを実現するべく、Showroomという媒体での配信企画がスタートしたのでした。

それは「Road to 2020スペシャル」と題した企画で、毎月10日間、メンバー6人それぞれが設定した「やりたいこと」の実現のためにshowroomで個人配信を行うというものでした。5月から10月までの6カ月間それは続き、各月にはメンバーの一人が「フィーチャーメンバー」として割り当てられ、showroom上での目標ポイントが設定されます。その目標ポイントを達成すれば各々の「やりたいこと」が実現可能になります。
そのためにはファンから集まるポイントが必要、ぜひ協力を...!というものでした。

例えば、メンバーの一人、上西星来さんの目標は「オリジナルの香水を作る」ことでした。美容系でも名の知れている彼女らしい目標です。

もちろん、各メンバーの「やりたいことの実現」というのはこの企画の一つの側面に過ぎず、継続的な配信を通してファンとの交流を深めよう、そして目標達成のためにファンとメンバーが協力することで一体感を共有しよう、という狙いが大きいことは言うまでもないと思います。

さて、そんな配信ライブですが、アイドルとファンのコミュニケーションは「一対多」という構図になっています。アイドルが何か話し、たくさんのファンがあれやこれやコメントする。これが基本です。
時には、ファンのほうから何かの話題が振られ、それが起爆剤となって話が膨らむ...なんてこともありますが。

アイドルにとっては、一つでもコメントが多いほうが話題的なことも含めてうれしいだろうし、僕としても何かしらコメントを残して貢献したいという気持ちはあるのですが、もっぱら配信においては「観る人」専門になってしまっています。
ポイントを稼ぐための課金もしないし、貢献できているのは「視聴者数」くらいでしょうか。いわゆる「ROM」というやつですね。恥ずかしい話です。

かといって、そのハードルは高く感じます。
課金の抵抗もさることながら、コメントであってもなかなか残せないのです。

グループラインの難しさ

これと似た感覚を思い出すのが、LINEの「グループライン」です。

LINEのアプリが広まったのは、僕が高校2年~3年に上がるころだったと記憶しています。ちょうどそのころ、ガラケー→スマホへクラスメートの携帯も変わっていっている途中で、御多分にもれず僕もこのころにスマホデビューしました。鶏が先か卵が先か。スマホが広まると同時にLINE人口もポツポツと増え、「クラスライン」という名のグループラインができ始めもしました。

高校の時のグループラインの数はそんなものでした。

翌年の大学入学とともに、グループの数は大幅に増えました。
学科学部、サークルや新歓イベントでのグループなど、いくつものグループラインが乱立していました。僕も、招待されるままにたくさんのグループラインに入っていきました。

大学のグループライン。
一個のグループに何十人もいる、という点ではクラスラインと同じなのですが、高校との大きな違いは、グループラインに入っている人たちのことをほとんど知らない、という点にあります。

もちろん、大人数であっても、日を経るごとにお互いを知っていく..というのはあるのですが、それもしばらく経ってからの話ですし、時間が経っても全く関わらない人も居ます。ましてや大学入学当初なんて、何も分かりません。
飲み会で同席していたくらいの関わり度だと誰が誰だか分からないです。本名ではなくユーザー名のように登録している人なんかもいて、より複雑です。

「ゆるい」つながり

それは、グループにいる他の人も皆そう思っていたでしょう。サークルなどゆるーい一つのまとまりとしては存在しているのですが、クラスほど個々のつながりが強くもありません。

そんなグループラインではしかし、日々いろんな会話が繰り広げられるわけです。もちろん全くうごかないようなグループもありますが。
サークルなら業務連絡に始まり、ちょっとした雑談というのでしょうか。LINEを通じて親睦を深められるように何でもない話題も投げかけられたりもします。

大学生はヒマだからそうなのか分かりませんが、会話のスピードも速いし、そのぶん展開も速いです。
「何書こう...」
なんて思っているうちに次の話題に移ってしまいます。

HSPなのかどうかは分かりませんが、僕は少しばかり「気にしい」なので、コメントする内容にも悩んでしまいます。

ヘタなことを言って流れをぶった切らないだろうか?これで意味が伝わるのだろうか?

別に一人のコメントの内容なんかたいした影響はないのに、と仰るのもごもっともなのですが、どうしても気になってしまうのです。
結局、下手に悩むのも疲れるし、と結局何もコメントを残さなかったことも数知れません。

それと同じような雰囲気を、アイドルの配信ライブにも感じてしまうのです。
アイドルの配信でもまた、話題はあっちにいったりこっちに言ったりします。
速く移り変わる話題の中でどんなコメントをすればいいのか。考えるのもめんどくさくなります。結果、見るだけ専門になってしまいます。
皆、同じアイドル(グループ)に興味がある/好きであるという点では共通しているのですが、ファンは結局それだけの、ゆるいつながりでしかありません。そんな人達のなかに飛び込んで、何かコメントを残す勇気も起きないのです。

配信はアイドルも大変

一方、アイドルもアイドルで、配信には苦労が多いと察します。
それは、時間が夜であっても、場所が家であってもメイクをすることの大変さや、一人でカメラに向かって喋り続けないといけない等配信そのものの難しさがあるというのはもちろんなのですが、その「話題」にも困ると思うのです。

あるアイドルのshowroom配信(TPDのひとではないです)を観ていたら、彼女は思いつめたように「何を喋ったらいいか分からない」という趣旨の発言をしていました。
そのアイドルの方は確か毎日配信をしていましたが、毎日していると話題も尽きてきます。
かといって、何を喋っていいわけでもない。見てくれているファンのことを思うと、彼らがついていけるような話題でないと面白くないんじゃないか。彼女はアニメ好きとのことでしたが、大好きなアニメを語っても、マニアックだしそんな話を聞いてみんな楽しいのかな?と悩む心の内を語っていました。
話す内容なんて何であっても、画面に居てくれるだけで良いのに。
真面目な人だなと思ったのですが、少なからず葛藤はあるようです。

一対一の配信サービス

一方、それらの問題を解決してくれるようなサービスもあります。
オンライントーク会というのもその一つでしょうが、showroomのような「一対多」のチャットスタイルを「一対一」に落とし込んだような配信サービスです。

それが「チェキチャ」という配信アプリです。有料ではあるのですが、好きなアイドルが、自分のためだけに配信をしてくれるものです。普通のオンライントーク会と違うのは、ファンは基本的に顔を出さない、showroomのようにチャット形式でコメントを残すという点でしょうか。
時間はたしか一人2分くらいと短いですが、この間は話題は何であろうが、自分が(常識の範囲内で)なにをコメントしようが、ペースがどうであれ自由にできます。
まだやったことはないのですが。

最近好きが再燃し始めた夢みるアドレセンスというグループでもチェキチャは頻繁になされています。そもそも配信にお金をかけることをしてこなかったわけで、心的ハードルは高いのですが、「これなら自分でも楽しめそうかな」という思いもあります。
一回くらいはやってみようかな。こちらも会話内容のレポはするつもりがないですが、やった暁には何か感想でも上げられたらなと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?