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最後から2番目の「恋物語」じゃなくて「挑戦物語」です。40

そういえば、去年の今頃は何をしていたんだろう・・・
思い出そうとしても、何も浮かんできません。
あれ?やばい?認知来たかなあ?

ブログはまだ影も形もなかったはずです。
ノートパソコンも部屋の隅で荷物に埋もれほこりをかぶっていたと思います。

なにしてた?

二女はまだ同居していました。
テレワークをしていたはずです。
くうちゃんはもういなくて、私は何をしていたんだろう・・・

スマホの写真を見てみました。
なんだか手抜きの定食のような写真しかありません。
妄想シェアハウス同居人の夫の夕食です。
このころはまだ同居人ではなく、定年退職後に何もすることがなく家でゴロゴロしている世の中にはよくいるような夫でした。
なので、私はいつもイライラしていたような気がします。

スマホのカレンダーを見てみました。
書かれている予定は、二女が出かける予定ばかりです。
私の予定はリハビリ2回、お盆のお墓参り、美容院の予約のみです。

あ、思い出しました。
この美容院の後に1人でショッピングセンターへ行き、手動式の車いすであちこち見て回ってから、隣の映画館へぐるっと外を車いすで通っていって、ミッションインポッシブルを一番前の車椅子席で観ました。

映画館を出て、帰り道は上り坂だったんです。
行くときは下り坂で楽に進んでしまったから気が付きませんでしたが、けっこうな上り坂でした。
必死で車いすを漕いでいる時に、リュックを背負った若い女性が1人私の横を追い越していきました。
「すみません」
私は声をかけたのです。
「すみません、ちょっと車いす、この坂のところだけ押してもらえませんか」
な、なんという図々しさ!
いやいや、これは世の中のため、こういうことが必要なのだ、などと自分を言い聞かせます。

決して楽をしたいわけではなくと(いや、楽するためです)

私は、「あ、ハイいいですよ」と笑顔で車椅子を押してくださり、会話が弾んで・・・と思って疑っていませんでした。

ところがどっこい!

その若い女性は首を横に振って立ち止まらずに行ってしまおうとするのですえ?え?え?ちょ、ちょっと待って、この車いすの私を置いていくの?

「あ、あのすみません!」ともう一度言うとその人は困ったように、「日本人じゃないです。日本語わかりません」というようなことを言ったのです。

な~だ、そ~なんだ!了解です。

私はジェスチャーを交えて「OK!プッシュ、プッシュ」とお願いしました。
すると彼女は私のそばに来て車いすを押してくれました。
「サンキュー、サンキュー」とカタコトの英語と日本語でやっと会話ができ、彼女はこのショッピングセンターで働いていて、今から仕事に行くところだということでした。

坂が終わり、道が平らになったので、「サンキューサンキュー」とお礼を言って、彼女は笑顔で手を振って職場へ向かっていきました。
そしてその数日後、私は両親のお墓参りをした後肩を痛めて車に乗れなくなってしまったのです。(肩の使い過ぎです)

愛車の真っ赤なポルテ、車検切れが近くて「もう乗れないし、手放してしまおう」と思っていた車椅子おばあちゃんでした。


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