綺麗好きの彼女
綺麗好きの彼女の爪の白い部分に土みたいなのが挟まっているのが気になった。
爪土。
それを見て僕は、彼女はきっとフォアボールか何かで塁に出て、牽制され、ヘッドスライディングで帰塁したんだろうな、と思った。
もしくは、大きな体の選手が三塁打を放ち、同点のチャンスが訪れた時、三塁ランナーの代走で出場し、打者のセーフティースクイズでヘッドスライディングでホームインしたんだろうな、と思った。
綺麗好きの彼女が今日は料理をしてくれていた。
トマトやきゅうり、キャベツといった野菜たちも綺麗にしてから調理したいらしく(このあと調味料でビシャビシャになるのに…)、彼女は一旦洗濯機で洗濯する。
買ったばかりの洗剤と柔軟剤を多めに入れて。
2、3回に分けて。
3回目は今日来ていた泥だらけのユニフォームと一緒に。
僕は気がついた。
そうだ、
塩胡椒入れて洗濯機回せば味付けもできるじゃん。
明日にでもノーベル賞受賞しそうだ。
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