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秋場所おわり

大の里が勝って2度目の優勝、 そして大関昇進確定。史上最速の初土俵から9場所、負け越し経験なしの大関となる。異例なことで異常ともいえる。快挙だが手放しで喜んでいいか。このまま大の里時代が到来ともいえるがいったい誰が壁となるかも重要だろう。


と思ったが千秋楽阿炎戦。阿炎がのど輪からはたくと大の里バッタリ。阿炎は勝ちにこだわるタイプで形振り構わないのだが…締まらない終わりとなった。阿炎は10敗力士。やっぱり脆さが残る。大関で大の里3連敗!とアナが連呼するような場面を想像してしまう。不穏だ。腰の高さと脇の甘さが直らなければどこまで快進撃が続くか…

大の里を追走した力士は錦木、高安、若隆景、霧島といったところだった。琴櫻も序盤は食いついたが中盤以降崩壊。錦木はもはや降下するだけと思われたが意外。上半身の力を生かした力相撲が目立った。高安も終盤崩れたが立ち合いを変え突き押しに徹していた。若隆景は大の里に唯一黒星をつけた。攻防の激しさは今場所どころか今年一番のベストバウトにしてもいい相撲だ。

やはり中に入ってパワーを封じるのが対大の里には効果がある。 霧島は組んで離れてと以前の自由な相撲ぶりが戻ってきた。

ただ大の里の圧勝ぶりから序盤で優勝は大の里の空気が強かった。今後、大の里の立ち合いからの圧力をどう対応するかが課題だろう。逆に大の里からみると組まれた際にどう出るか。現状体を浴びせて勝つことが多く技能はない。師匠譲りのおっつけといってもさほど目立たない。体力で圧倒するだけ技能はお留守だ。

大の里はハワイ力士を現代に持ってきたような取り口ともいわれる。曙のもろ手突きに似るが、曙の場合リーチが長く相手は潜ることも容易ではなかった。見返しても単純な突進力は大相撲トップクラスではないか。ただ足腰がもろく四つに転換。大の里も圧勝のわりに軽さが目立つ。


のど輪で出ると吹っ飛ばされた


なすすべない

大の里は新入幕から5場所連続三賞。というよりも幕内在位のすべての場所で三賞受賞となった。空前のことで今後更新は難しいだろう。豊山が3場所連続殊勲敢闘の受賞で大関昇進というのも更新不可能ともいわれたが、ある意味それ以上のことである。


秋場所全体見ると休場が多かった。延べ11人休場。十両が7人休場で勝ち越し自体9人という低水準だった。尊富士の優勝で目立たないとはいえ問題である。全休も多く不戦勝で得もあまりいないが、木竜皇は2不戦勝ながら4勝と逆戻り。巡業だけのせいにしたくないがやはり休養も必要では。



木村庄之助が引退。個性派行司だったが、転落転倒に始まり毎場所のようにミスが重なる土俵だった。最後の一番は豊昇龍琴櫻。庄之助は前の山のファンから高田川に入門したが、前の山は琴櫻戦の無気力相撲から大関を陥落した。そして今回の一番はその琴櫻の孫の相撲。豊昇龍が7敗ということでどこか無気力さを感じた。不思議な縁である。


あとはつづきに。

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