CUTBOSS MAGAZINE 2019年1号(1月1日号)

生まれて初めて「中耳炎」を患って、この「眠れない痛み」を不本意ながら体感することとなった。顔半分が激痛で疼き、耳は触れるだけで飛び上がって目覚める痛さ。土曜の早朝に「痛み」と「発熱」で飛び起きて、耳鼻科が休みなので月曜日まで「バファリン」を飲んでやり過ごす。

引いたよね、早めのバファリン

というフレーズが、頭の中で何度もリフレインする。こんなに「バファリン」に感謝したのも生まれて初めてだ……後で気がつくのだが、「引いたよね」ではなく、正しくは「効いたよね」。そして、「バファリン」ではなく、「パブロン」なのだ。

効いたよね、早めのパブロン

が正解。思考能力を奪うほど、中耳炎は恐ろしい病気であった。二週間が経過した現在も、発熱と痛みはなくなれど、耳から水が抜けていない。完治まで一ヶ月は必要らしい。大変だ。

ところで、中耳炎は「水泳」によって患うと思っている人が、未だに少なくないようだ。私は小学一年生の頃から社会人になるまで水泳をやっていて、中耳炎が外耳からの細菌によって発病しないことを知っていたのだが、まさか「鼻炎」による鼻らの細菌で中耳炎になるとは思ってもいなかった。急に寒くなったのもあって、最近、重度の鼻炎を患っていて、その細菌が中耳に侵入したのが原因だろうというのが今回の診断結果だった。私は「アレルギー体質」で、元々一年を通じて強弱あれど鼻炎なので、今回初めて中耳炎になったのは、とうとう加齢で免疫力が低下したのだろうかと心配になった。そうだとすると、今後の老化がさらに怖い。

皆さんも、中耳炎には気をつけてください。

目次
・Google検索の「クチコミ」に助けられた
・「FOLIO」を始めたがタイミングが最悪だった
・お詫びしか申し上げないなら「マイナンバー」やめろ
・「5G」普及でアプリは廃れるのか
・「食費簿」アプリが「2000」ダウンロードを突破
・「UBER EATS」にアカウントをロックされて憤慨
・自慰管理「アイナーノ」アプリの隠れた需要
・2018年、買ってよかった漫画



Google検索の「クチコミ」に助けられた

若い時代に水泳を長年やっていたお陰か、私は殆ど病気にならない。今回の中耳炎で数年ぶりに薬を飲んだので、一回の投薬だけでも頭がクラクラするほどだった。そんな病院初心者なので、十年以上住む家の近所に「耳鼻科」が存在するかどうかすら私は知らなかった。最早当たり前に日常に浸透している「Google検索」で、近所の耳鼻科をいくつか見つけたのだが、「クチコミ」が非常に便利だった。

こういう情報がGoogle検索結果の画面に表示される。「クチコミ」には利用者が感想などを書き込んでいるのだが、その病院のアフターケアや雰囲気などを評価しているので、とても参考になった。昔、結膜炎を患ったときに、見事な「ヤブ医者」に出会ったことがあった。その後、結膜炎が悪化して警察病院に厄介になったときに、「そこはヤバイ病院で有名だから絶対に二度と行くな」と教えてもらうほどだった。

病院の良し悪しは最悪は命に関わるくらい大事なことだから、今回の腕の良い耳鼻科をこの「クチコミ」から見つけ出せたのは、本当に助かった。



「FOLIO」を始めたがタイミングが最悪だった

2018年の好景気を見越して、テーマ投資を扱う「FOLIO」を遅ればせながら始めてみたのだが、最近の暴落ぶりに肝を冷やしている。

10万円前後からテーマ投資ができるので、ニンテンドースイッチが好調な任天堂などを含んだ「ゲーム」株を買ってみたのだが、どんどん下がる株価に慌てて売りを出した。素人が気軽に手を出すものではないなと痛感。投資家のコラムには、今後の展開について「年内はオールキャッシュで」と書いてあったので、素人はそれを信じて静観しておく。

ところで、私の本職は「アプリ・ウェブサービスの受託開発」なのだが、仕事量が国内の景気に物凄く左右される。リーマン・ショックのときは本当に悲惨だったので、来年の景気がとても怖い。こういうとき、自社サービスを展開しているところはとても強くて羨ましい。景気が悪くなると、どの企業も金を出し渋るので、受託を生業としている企業はジリ貧だ。



お詫びしか申し上げないなら「マイナンバー」やめろ

多くの人が薄々予感していた「マイナンバーの漏洩」問題。私は前述の「FOLIO」で口座を開設するまで、マイナンバーは敢えて何年も受け取り拒否していた。

契約に反して別業者に再委託していたという問題は、結局、その契約を遵守しいてるかどうかを検査する手段がない為、どんな業者でも起こり得るし、そんな契約内容は鼻で笑っている。

例えば、アプリ受託開発の場合、大手メーカーが発注している開発会社は、実はエンジニアが一人も在籍しておらず、再委託、再々委託してやっとエンジニアに辿り着くということが珍しくない。発注元のメーカーはそんなことを全く知らない為、何故、開発費用が高額になっているのかに気がついていない。委託先が増えれば増えるほど、マージンが上乗せされ、開発費用はひたすらに高くなる。私の会社は、委託を一切禁止していて、本来のあるべき正当な価格でアプリ開発を請け負っている。なので業界では「格安」で知られていて、大手メーカー各社から懇意にしてもらえている。再委託の悪癖によって、この業界のアプリ開発費用は高くなり過ぎているので、もっともっと安くしないといけない。それは発注側の、適正な新規開発会社を探す努力も必要だ。長年の付き合いから胡座をかいていることは多い。国税庁もそうだったのではないか?



「5G」普及でアプリは廃れるのか

5G」の普及で「アプリが廃れる」という噂が業界内に流れている。そんなことになったら私の会社は大ダメージだ。「5G」はネットワーク通信にほぼディレイ(遅延)がなくなるので、全てウェブサービスとして開発して、それをただスマホに表示するだけになるのではないかと言われている。

ただ、これは私も同意見なのだが、社員4万人を超える大手メーカーの管理職の方は、「サーバ費用が高過ぎる」ので、全てがウェブサービスに取って代わるのは有り得ないのではないかと言っていた。その通りだと私も思う。社員4万人という規模の会社ですら、AWSに支払うサーバ維持費が高過ぎるので、自前でサーバ拠点をせっせと新規に構築しているという話だ。ただ、それでも気軽に維持できる金額ではないので、ヒットしないサービスは半年を待たずに辞めないといけないというのが現状だそうだ。Googleのように、手当たり次第にアプリを乱発リリースできるほどの資産がないと、現実はなかなかに難しいところだろう。

それに、オールマイティな技術者というのはなかなか育たない。アプリ開発しかできない、ウェブ開発しかできない、という偏った人材ばかりになってしまう。それはその時代に一番重宝される技術で成果を集中して上げるからだ。ひとつの技術が廃れると、その技術者の行き先がなくなってしまう。それは会社が強いてきた方針なので、一時代が終わると大企業ほど混乱し大変なのだそうだ。



「食費簿」アプリが「2000」ダウンロードを突破

食費入力に特化したアプリ「食費簿」が、目標としていた年内「2000」ダウンロードを突破した。noteからインストールしてくださった方も多かったので、本当に感謝を申し上げたい。

こうして仕事ではなく個人で細々とアプリをリリースしていると、まだまだ満たされていないアプリの需要が多々あると実感する。大手企業発信のアプリは、どうしても「収益化」が不可欠になり、あわよくばヒットすればいいやという気楽さが失われ、常に最高のパフォーマンスを叩き出さないとならない為、開発現場は殺伐としているし、不発に終わると責任を負わされ悲惨な結果が待っている

だからこそ、サーバ維持費のような高額な毎月のランニングコストは負えないし、サーバレスで工夫を凝らす個人開発者が優位に立てる。企業では実現できないが個人では実現できる隙間を突くような小ブリなアプリが狙い目で、そこから爆発的なヒットも十分に有り得る

今、プログラミング学習ブームだが、その能力をどうやって活かすのか、を特に考えていない人も多い。開発会社は数多あるが、その多くが所謂ブラックな勤務環境だ。プログラミングを学ぶのなら、最終的には自分自身の手で何らかのアプリを開発しリリースできることを目標にしてほしい。IT業界のブラックな体質は一向に改善される兆しがないので、企業に能力と時間を搾取され疲弊して中年になっ頃には何も残らないような結果には本当にならないでほしい。シニア・エンジニアはシビアに冷遇される業界だから。

シニア・エンジニアの現実については、この小説に綴っている。



「UBER EATS」にアカウントをロックされて憤慨

そもそも「食費簿」を開発した動機は、「UBER EATS」での膨大な浪費だった。大阪に登場し、その手軽さで毎日デリバリーを利用していたのだが、食費だけで月13万円の出費に陥ってしまった。

食費簿」によって私の月々の食費は早々に改善されたのだが、最近になって一切「UBER EATS」で注文ができなくなってしまった。サポートに問い合わせすると、「アカウントがロックされている」という返事だけで、その原因を何度尋ねても全く教えてもらえない。結局、一ヶ月近くもやり取りして、ようやくロックを解除してもらったのだが、結局、ロックした理由は一度も教えてもらえなかった。

私は「UBER EATS」経由で数十万円という注文をしていて、頻度はほぼ毎日なので、かなりのヘビーユーザのはずだ。そのヘビーユーザに対して、突然のロックという処置と、説明をしないその態度に、私は本当に腹が立った。私の予想では、ほぼ毎日デリバリーを頼む輩なんて、きっと不正にクレジットカードを乗っ取った犯罪者に違いない、と見做されたのではないかというもの。この話をしたら知人に笑われた。確かに、ほぼ毎日利用していて、数十万円も消費しているのは、犯罪者と思われるくらい、異常だったかもしれない。ちょっと反省して、最近はあまり「UBER EATS」を使わなくなった。

だが、アプリ運営者の一人として、私は「UBER EATS」に言いたい。ヘビーユーザは最も大切にすべきだ。謝罪すらしないサポートの態度に、未だに腹が立っている。



自慰管理「アイナーノ」アプリの隠れた需要

自慰(性行為)管理アプリ「アイナーノ」を「ヘルスケア」というジャンルでリリースし、見事にGoogle審査を通った。Google以外では、アダルトコンテンツと見做されていたのだが、iPhoneのヘルスケアに「性行為」の項目が存在するように、海外では自慰も性行為も「ヘルスケアの一環」であるという認識が高いようだ。

私もそう思っていて、今尚アプリはアップデートの真っ最中だが、自慰(性行為)の頻度などで身体のバイオリズムを測れるのではないかと考えている。調査していると、自慰やオナニーというのは、日本では本当にシモネタとして笑いにされていたり、下品なアダルトコンテンツの扱いで、誰も真面目に語っていない。

私はこの歳になって、頻度が多過ぎるのではないか朝起き抜けに自慰を行うのは異常なのではないか、と不安に思っていたのだが、「アイナーノ」を用いて自慰の内容とその各種分析結果を周囲に共有することで、実は自分は異常ではないということが分かり始めた。

こうやって、日本では本当に性的なことが秘め事で、男子なら精通する前後から性に悩まされるだろうし、勿論それは女子もだろうし、学校では自慰は不謹慎だと言われて習わない、親には恥ずかしくて言えない、学校では相談できない、相談できる大人がない、信憑性の低い間違った知識をウェブやAVから得てしまう。

この「アイナーノ」もシモネタ扱いされてしまって広めるのが大変なのだが、中には真面目にヘルスケアとして理解してくださる人たちもいる。こういうのが欲しかったと。その声が有り難いし、私も長年の悩みが解消される想いだ。



2018年、買ってよかった漫画

私が学生の頃は、まだまだ大人にとって漫画は子どもに悪影響を与えるコンテンツの代表だった。今はその世代も親になって、いよいよ社会的に漫画の革命が始まっていくと思う。

その兆しを知ったのは、まさに「漫画村の事件」で、どれだけの日本人が漫画を潜在的に欲しているかがものの見事に現れた事件だったと思った。それはつまり、漫画ひとつひとつの値段が決して安くないのと、面白い漫画を探す手段が乏しいということとイコールだと思った。本当に多くを読まなければ、面白いと思う作品には出会えない。それらを読む為の費用はバカにならない。だから無難に人気漫画を手に取るしかない。その悪循環を改善するのが、漫画村から突きつけられた出版各社の課題なんだろう。

2018年は買ってよかったと思える漫画にたくさん出会えたので、私のお勧めが少しでも参考になって、皆さんの無駄な出費を少しでも抑えられたら、嬉しい。

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熟成下書き

食費入力のみ家計簿アプリ「食費簿」、自慰管理アプリ「アイナーノ」、どちらも御陰様で好調です。より良いアプリ開発に役立てます。