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おうちで中華 - 蠔煎蛋(海南島式・牡蠣の卵焼き)

おうちで中華 - 蠔煎蛋(海南島式・牡蠣の卵焼き)

今回ご紹介するのは、海南島の港町で知った海鮮料理。中国南方でよく獲れる小ぶりの牡蠣をたっぷり使った蠔煎蛋(海南島式・牡蠣の卵焼き)だ。

牡蠣と卵というと、福建や台湾で人気の蚵仔煎(オアジェン)を思い出す人も多いと思う。僕も大好きだが、あれは材料的にも技術的にも少しハードルが高いので、より簡単で、美味しさは引けを取らないこちらを推す次第。

蠔煎蛋 蚝煎蛋
háojiāndàn福建や台湾の蚵仔煎(

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おうちで中華 - 芥末菠菜(北京式ほうれん草の辛子和え)

おうちで中華 - 芥末菠菜(北京式ほうれん草の辛子和え)

まだまだほうれん草が美味しい季節なので、今日は芥末菠菜(ほうれん草の辛子和え)をご紹介したい。

中国全土を見回しても芥子を使う中華料理は多くはないが、北京では比較的よく見かける。この料理も冷菜の定番で、羊肉しゃぶしゃぶを喰らう時などの箸休めとして、よく頼んでいた懐かしのひと皿だ。

芥末菠菜
jièmò bōcàiサッと茹でたほうれん草と辛子ダレで和える。ほうれん草の緑と千切り人参のオレンジの対

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おうちで中華 - 白灼菜心(広東式菜の花の湯引き)

おうちで中華 - 白灼菜心(広東式菜の花の湯引き)

今回は、春にピッタリの一皿。それでいて、通年使える汎用性もあるので、いろいろ試していただきたい。

広東で最もポピュラーな野菜といえば、菜心(サイシン)の名前が上がることだろう。アブラナ科アブラナ属の青菜で、菜の花にとても良く似ている。春の足音が聞こえ始めると、広東の市場には菜心がずらりと並ぶ。

この菜心を最も美味しく食べられる料理が、白灼菜心(広東式菜の花の湯引き)だ。

白灼菜心
báizh

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おうちで中華 - 魷魚豆腐湯(イカと豆腐のスープ)

おうちで中華 - 魷魚豆腐湯(イカと豆腐のスープ)

今回ご紹介するのは、山東省の港町で知った海鮮スープ。その日獲れた魚や野菜が厨房の横にずらっと並んでいて、食材と調理法を指定して注文するタイプのローカル店で、山東人の取引先が頼んでくれたものだ。

魷魚豆腐湯(イカと豆腐のスープ)。ありそうでない意外な組み合わせ。シンプルなのにとても美味しくて、大いに気に入ったのだった。

魷魚豆腐湯 鱿鱼豆腐汤
yóuyú dòufu tāngイカなんて煮込むもん

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おうちで中華 - 白菜拌海蜇(白菜とクラゲの冷菜)

おうちで中華 - 白菜拌海蜇(白菜とクラゲの冷菜)

最近、僕の中でクラゲ料理の波が来ている。戻すのに時間がかかるのは確かだが、戻してしまえば調理は至って簡単だと改めて認識したからだ。扱ったことがない人には心理的ハードルがあるだろうが、是非お試し頂きたい。

今日の料理は、山東省の青島で知った白菜拌海蜇(白菜とクラゲの冷菜)。見た目は地味だが、組み合わせの妙で、異様に食欲をそそる一皿だ。

白菜拌海蜇 白菜拌海蜇
báicài bàn hǎizhé千

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おうちで中華 - 西洋菜滾牛肉湯(クレソンと牛肉のスープ)

おうちで中華 - 西洋菜滾牛肉湯(クレソンと牛肉のスープ)

今回は、広州生活で知った広東ならではの家庭料理をご紹介しよう。

意外なことに、広東では馬並みにクレソン(西洋菜という)を消費する。旬ともなると野菜市場の棚にはクレソンの巨大な束(日本の5束くらいある)がうず高く積まれ、それが飛ぶように売れていく。

その量は、ステーキの付け合わせのような使い方ではとても消費できるレベルではない。ではどうするかというと、加熱して嵩を減らすわけだ。炒めるもよし、スー

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おうちで中華 - 豆芽炒粉条(豆もやしと太春雨の炒めもの)

おうちで中華 - 豆芽炒粉条(豆もやしと太春雨の炒めもの)

今日の料理は、とっても財布に優しい。なんせ材料は、豆もやしと春雨とわずかな豚肉だけだ。しかし、いざ食べれば舌も胃袋も喜ぶ。料理の美味しさとは、食材の高い安いではないのだなあと思わせる料理だ。

大人も子供もみんな大好きな、豆芽炒粉条(豆もやしと太春雨の炒めもの)である。

豆芽炒粉条
dòuyá chǎo fěntiáoモチモチ太春雨とシャキシャキもやしの素敵なコンビを豚肉が支え、硬派な醤油味が全

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おうちで中華 - 葱焼木耳(キクラゲの白葱炒め)

おうちで中華 - 葱焼木耳(キクラゲの白葱炒め)

今日の料理は、葱焼木耳(キクラゲの白葱炒め)。「葱焼」という耳慣れない調理法は、揚げ焼きにした白葱を他の食材と炒め煮にすることで、白葱の香ばしさを他の食材に移す技法である。

中国では、白葱は薬味や下味に使われることが多く、料理の中で主役のような存在感を発揮することは意外に少ない。だが、この料理では、白葱が香りの土台を作り、主役の一人として活躍する。

地味旨のひと皿、お楽しみあれ。

葱焼木耳

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おうちで中華 - 洋葱炒羊肉(玉葱と羊肉の炒めもの)

おうちで中華 - 洋葱炒羊肉(玉葱と羊肉の炒めもの)

老北京涮羊肉(本格北京式・羊肉しゃぶしゃぶ)をやるために取り寄せた薄切り羊肉が余ったので、洋葱炒羊肉(玉葱と羊肉の炒めもの)を作った。

在庫整理的な気持ちで適当に作ったのだが、7歳我が子が大いに気に入り、「あーうまい!さいこう!これはぜったいにうける!」と言ったので、レシピを書くことにした。ご飯にのせてバクバク食べるといいそうだ(笑)。

洋葱炒羊肉
yángcōng chǎo yángròu薄

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おうちで中華 - 涼拌蘿蔔絲(千切り大根の冷菜)

おうちで中華 - 涼拌蘿蔔絲(千切り大根の冷菜)

今回ご紹介するのは、大根が美味しくなるこれからオススメしたい涼拌蘿蔔絲(千切り大根の冷菜)だ。大根の甘味と瑞々しさを口一杯で味わえる。

涼拌蘿蔔絲 凉拌萝卜丝
liángbàn luóbo sī千切りして水に放った大根を塩、酢、胡麻油などで和える。食感と香りのアクセントはニンニク、ピーマン、香菜など。単なる大根サラダのようだが、しっかり大陸中華の味になる。

胡麻油やニンニクの香りが、異様に食欲

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おうちで中華 - 西芹炒肉絲(セロリと豚肉の細切り炒め)

おうちで中華 - 西芹炒肉絲(セロリと豚肉の細切り炒め)

今日の料理は、西芹炒肉絲(セロリと豚肉の細切り炒め)。これからは冬春セロリが出回る時期だし、そのあとは春夏セロリが出回るので、一年を通して楽しめる美味だ。

西芹炒肉絲 西芹炒肉丝
xīqín chǎo ròusī歯応えの良い野菜と細切り豚肉を炒めれば大抵は旨くなるものだが、中でも爽やかな香りと食感を持つセロリは相性抜群だ。翡翠のような緑色は、見た目にも食欲をそそる。

豚肉もセロリも細切りは面倒

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おうちで中華 - 羊肉串(羊肉の串焼き)

おうちで中華 - 羊肉串(羊肉の串焼き)

北海道を除いて、日本ではまだまだ羊肉を入手しやすいとは言えない状況だ。特に、塊肉となればなおさら。しかし、通販やふるさと納税を使えば、それなりに買えるようにはなってきた。

少し前に北海道のふるさと納税で仕入れたホゲット(ラムとマトンの間)の塊肉があったなと思い出し、羊肉串(羊肉の串焼き)を作ることにした。

羊肉串
yángròu chuàn今さら説明の必要もなかろうが、中国で串焼きと言えば、鶏

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おうちで中華 - 葱油南瓜(かぼちゃの葱油炒め)

おうちで中華 - 葱油南瓜(かぼちゃの葱油炒め)

大量の小葱を油でジュクジュク炒めて香りを出したところに食材を炒め合わせる技法、「葱油」。旨さの底上げ力が凄すぎて、これまで紹介した葱油芋艿(里芋の葱油炒め)や葱油蚕豆(空豆の葱油炒め)などは、どれも大好評を博してきた。

今回は、そこに新たなメンバーをご紹介。葱油南瓜(かぼちゃの葱油炒め)だ。古参メンバーに勝るとも劣らずの実力派だ。

葱油南瓜
cōngyóu nánguā見た目からして、間違いな

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おうちで中華 - 涼拌木耳(キクラゲの冷菜)

おうちで中華 - 涼拌木耳(キクラゲの冷菜)

今日の料理は、涼拌木耳(キクラゲの冷菜)。中国のレストランでは「とりあえずの一皿」として不動の地位を誇っている定番の前菜だ。

「とりあえずの一皿」などと書くと大して美味しくないんじゃないかと思う人もいるかもしれないが、大間違い。誰からも愛される美味しさだからこそ、その地位に居座っていられるのだ。

涼拌木耳 凉拌木耳
liángbàn mùěr肉厚でプリプリの木耳に程よく黒酢タレの酸味や薬味の辛

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